荒木信雄 / アーキタイプによる東京の住宅「三宿の家Ⅱ」

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荒木信雄 / アーキタイプによる東京の住宅「三宿の家Ⅱ」

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photo(C)SHIMIZU KEN

荒木信雄 / アーキタイプが設計した東京の住宅「三宿の家Ⅱ」です。


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以下、建築家によるテキストです。
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「三宿の家Ⅱ」
- ベンチハウス : 家族と地域をつなぐベンチ -

世田谷区の住宅密集地に建つ二階建て住宅。2004年に同じ施主のために手がけた住宅に隣接する二期工事の計画である。施主は主屋と同じ60代の夫婦。第一期工事の住宅が、施主を中心とした3世帯住宅として計画されたが、家族構成の変化にともない、拡張する必要にせまられた。偶然にも敷地の向かいの土地があいたことにより、具体化した。
幹線道路から住宅街に入ったところにある敷地は、比較的車通りの多いエリアに位置しながら静かな場所である。ここでは典型的な都市型住宅がかかえる密集地における住宅というテーマに関する問題提起、あるいはその回答、さらに隣接する主屋および近隣との関係性に問題設定をした。
建物は、それぞれの敷地の道路境界線がつながっていることから、一体感をもたせるため、外壁のラインをふたつの建物のフォルムを意識しながら設計。
都心の住宅密集地に対し、開放感を求めるため外に開き、開口部を外部に向けることが果たして良いことなのか、それを仔細に検討した上で、あえてここでは、外壁に大きな窓を設けず、一見、外部との関係性が希薄にみえながらも、主屋と近隣との関係性を意識しつつ、内部における開放性を重視した設計としている。
内部は各階ワンルームにより構成。一階にはポーチから室内に続く段差のない土間を設け、将来を見越しバリアフリーとしている。二階の三世帯家族が集って楽しむことのできるリビング&ダイニングでは、空間に広がりを与えるために天井をフラットにし、キッチンにはカウンター隠蔽式の換気システムを導入した。この家における設えは、二人暮らしが確定している家であることと、主屋に必要なものは揃っていることから、この家だけで自己完結をする必要のないミニマムな単位としている。
主屋と向き合う位置につくった玄関に、この建築の最大のポイントである、玄関の幅木の一部からはね出しているベンチを設けている。その空間は、屋根と壁に守られた、四角く切り取られた空を眺めながら寛ぐことができる、内部でも外部でもない、「ポーチ」「たまり」「土間」となっている。これは内と外、主屋と新築された「はなれ」、さらにはふたつの家と地域をつなぐヴォイドポーチであり、内部に対してはオープンエアの吹き抜けのある空間としている。
このポーチの存在が、都市型住宅において、地域のコミュニティがとかく閉鎖的になりがちな状況に対し、建築の街や風景への役割を考慮しつつ、希薄になりつつある地域との関係性に新たな突破口となるような場所になると考えた。
ポーチは施主のための喫煙スペースも兼ね、主屋に暮らす孫たちは学校から帰るとまずここに集まる。公園のベンチとは違う、セカンドリビング的な居心地の良さをもった空間が生まれている。
一見外部との関係性が希薄にみえつつも、主屋と近隣との関係性を意識してデザインしたポーチと、そこに設えたベンチが、家族、地域、さらには向き合って建つふたつの住居をつなぐ接合点となることを目指した建築である。
建築概要
プロジェクト名;ベンチハウス(三宿の家Ⅱ)
■工事種別;新築工事
■所在地;東京都世田谷区
■主要用途;専用住宅
■竣工年;2013年
■施主(家族構成);夫婦
■設計;一級建築士事務所 有限会社アーキタイプ/担当;荒木信雄、松下貴伸、山下浩史
構造設計;我伊野構造設計室/担当;我伊野威之
設備;株式会社SH建築事務所/担当;永井浩二、長澤集
照明;株式会社On&Off/担当;山口晋司
■施工
建築; 株式会社渡辺富工務店/担当;太田昭
設備; 株式会社五十嵐工業所/担当;関口勉
電気; 株式会社野島電工/担当;野島寛生
■規模
地上2階建
敷地面積;72.97㎡
建築面積;44.71㎡(建蔽率61.27%<70%) 延床面積;71.42㎡(容積率97.87%<160%) ■構造・構法 主体構造;木造 基礎;ベタ基礎 ■敷地条件 第一種中高層住居専用地域 準防火地域 新防火区域 45m 第二種高度地区 道路幅員 南4.0m      東4.0m 駐車場台数 1台 ■主要外装仕上げ;ガルバリウム銅板 t=0.4 縦ハゼ葺き ■主要内装仕上げ;PB t=15の上GP塗装仕上 ■設備システム 空調;冷暖房方式/壁掛式エアコン、暖房方式/電気式床暖房 給排水;給水方式/上水道     配水方式/公共下水道 給湯;給湯方式/ガス給湯器


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