+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」

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+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」

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+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」です。お店のウェブサイトはこちら(店名はyachtです。)

音楽専門チャンネルやメディアを主催する、スペースシャワーネットワークが新しく運営するアパレル工房兼ギャラリー“yacht”の設計施工プロジェクト。衣類に直接印刷が可能なガーメントプリンターと全自動刺繍機を備え、一枚の衣類を作ることから地域の拠点を目指す場である。

計画地は都心の駅前の路面に位置し、プラスターボードで覆われた簡素な居抜き物件である。更新の激しい都心部の物件の多くがそうであるように、このプロジェクトでも「現状復帰」を前提とした計画を求められた。そこで、構造を露出する骨格的なリノベーションではなく、床壁天井の簡易な更新による、表皮的な場の作られ方とその施工性について考えることは自然な流れだったように思う。一見、チープとも言えるような「側」の更新の仕方を見直すことで、周囲の状況を巻き込みつつ軽やかな場作りの実現が、設計と施工を横断することで可能だと考えた。

このプロジェクトは、浜松を拠点にする私たちにとって東京という遠方の地で設計施工を一貫して実現され、しかもそれが初回打ち合わせから竣工まで1ヶ月半という凝縮した期間で行われた。クライアントの関係性が近かったこともその要因として挙げられるが、場の作り方自体を設計できたことが大きい。設計と施工を断絶せず、また施工においての職人的(追求/仕口/速度)あるいは素人的(発見/素材/手数)とどちらにも収束しない、プロジェクトとの適切な距離感の上で実現された建築である。

※以下の写真はクリックで拡大します

以下、建築家によるテキストです。

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“skin”

音楽専門チャンネルやメディアを主催する、スペースシャワーネットワークが新しく運営するアパレル工房兼ギャラリー“yacht”の設計施工プロジェクト。衣類に直接印刷が可能なガーメントプリンターと全自動刺繍機を備え、一枚の衣類を作ることから地域の拠点を目指す場である。
計画地は都心の駅前の路面に位置し、プラスターボードで覆われた簡素な居抜き物件である。更新の激しい都心部の物件の多くがそうであるように、このプロジェクトでも「現状復帰」を前提とした計画を求められた。そこで、構造を露出する骨格的なリノベーションではなく、床壁天井の簡易な更新による、表皮的な場の作られ方とその施工性について考えることは自然な流れだったように思う。一見、チープとも言えるような「側」の更新の仕方を見直すことで、周囲の状況を巻き込みつつ軽やかな場作りの実現が、設計と施工を横断することで可能だと考えた。
グリッドフレームの縦板は、9mm合板3枚を圧着して作られたプレバネルを現地組み立て仕様とし、事前に棚板をはめるための溝を作っている。棚板-縦板接合部の溝加工が不要で容易に組み上げられるこの構法を用いて、全体を統率する升状の大棚を設えている。施工の簡易さはコストコントロールだけでなく、場を作るプロセスからクライアントやその周囲にいる人たちとの協働を可能とし、結果的に地域のハブを目指すこの場所の第一歩としての役割を演じた。壁と天井は、楽器や機材の緩衝材としても多用される波形プロファイル加工が施されたウレタンフォームを採用。機能として求められた防音機能と、音楽産業を牽引するクライアントを象徴する素材として位置づけた。また、柔らかな手触りと起伏はまるで人体の柔毛のようにも重なり、硬質的な壁と天井にはない柔らかな空間の印象を与えている。合板の整然としたグリッドは、かつての改修で残った床タイルの目地あとをガイドラインとしており、場に残る空間の小さな歴史を引き継ぐ設計としている。結果的に室内に小さな構造体が現れているが、梁にはパイプを仕込むことで衣類を掛けれることが可能な家具的な側面も持たせた。
このプロジェクトは、浜松を拠点にする私たちにとって東京という遠方の地で設計施工を一貫して実現され、しかもそれが初回打ち合わせから竣工まで1ヶ月半という凝縮した期間で行われた。クライアントの関係性が近かったこともその要因として挙げられるが、場の作り方自体を設計できたことが大きい。設計と施工を断絶せず、また施工においての職人的(追求/仕口/速度)あるいは素人的(発見/素材/手数)とどちらにも収束しない、プロジェクトとの適切な距離感の上で実現された建築である。

■建築概要
題名:skin
計画地:東京都世田谷区代田4-10-24
店舗:yacht (http://yacht.maison/)
延床面積:40㎡
設計施工:+tic
施工協力:大森皓太
竣工:2017年12月


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