ニューヨーク近代美術館は「Wolfgang Tillmans: To look without fear」を行います。作家にとってニューヨークでの初めての美術館調査で、2022年9月12日から2023年1月1日まで、スティーブン&アレクサンドラ・コーエン展示センターでの特別展覧会です。ティルマンスの写真、ビデオ、マルチメディア・インスタレーションなど約350点が、美術館の6階にゆるやかな年代順で展示されます。この展覧会では、新しい学識と8年にわたるアーティストとの対話から、ティルマンスの深い独創性、哲学的、創造的なアプローチが、彼がそのキャリアを通じて提唱してきた社会的、政治的活動にいかに影響を受け、またそれを強調するためにデザインされているかに焦点をあてます。「Wolfgang Tillmans: To look without fear」は、新たにデイヴィッド・デックマン写真部門のシニアキュレーターとなったロクサナ・マルコシと、キュレーターアシスタントのケイトリン・ライアン、写真部門の前キュレーターアシスタントのフィル・テイラーによって企画されています。
(原文)
Peter Zumthor, architect, in conversation with architects Billie Tsien and Tod Williams.
About Peter Zumthor
Born in 1943 in Basel, Switzerland, Zumthor works with around three dozen people in the alpine setting of Haldenstein, Switzerland, producing architecture originals like Kunsthaus Bregenz, Bregenz, Austria; Therme Vals, Vals, Switzerland; Kolumba Museum, Cologne, Germany; and the Steilneset Memorial, Vardo, Norway. In 1963, he began studies at the Kunstgewerbeschule, an arts and crafts school in Basel, and studied industrial design and architecture as an exchange student at Pratt Institute in New York in 1966.
Zumthor founded Atelier Peter Zumthor in 1979. His work is largely unpublished because he believes that architecture must be experienced first-hand. He is the recipient of numerous awards including the European Union Prize for Contemporary Architecture—Mies van der Rohe Award (1999); the Praemium Imperiale (2008); and the Pritzker Architecture Prize (2009). In 2012, he was awarded the RIBA Royal Gold Medal. He is currently designing the David Geffen Galleries at the Los Angeles County Museum of Art, Los Angeles.
About Billie Tsien and Tod Williams
Husband-and-wife architecture firm Tod Williams Billie Tsien Architects | Partners, was founded in 1986 in New York City. Williams and Tsien began working together in 1977. Their firm focuses on institutions such as museums, schools, and nonprofit organizations, including the following recent projects: the Obama Presidential Center, Chicago; Barnes Foundation, Philadelphia; Phoenix Art Museum, Phoenix; American Folk Art Museum, New York; and the Hood Museum, Dartmouth College, Hanover, New Hampshire.
「NF Collection」は、ノーマン・フォスターとカリモク家具との初のコラボレーションで、Karimoku Case Studyの新しいコレクションとして誕生しました。
ノーマン・フォスター夫妻のプライベート空間として作られた「Foster Retreat」のためにビスポークで作られた家具より6アイテムが、Karimoku Case Studyの新作として発表されます。この家具の骨格ともいえる木製フレームは、流れる様なラインがその優美さを生み出し、また柔らかな布張りとパッド使いのさりげない切り替えが特徴的です。
塚本由晴、千葉学、セン・クアン、田根剛のキュレーションによる、TOTOギャラリー・間での建築展「How is Life?――地球と生きるためのデザイン」の会場写真です。
建築以前の“生活”に注目して企画されました。キュレーションチームは、“持続的成長ではなく成長なき繁栄”を主題とし日本と世界から注目すべき試みを収集しました。また、建築媒体が減少する中で展覧会の意味を再考し批評や議論を巻き起こす役割も意図されました。
会期は、2022年10月21日~2023年3月19日。要事前予約です。展覧会の公式サイトはこちら。
How is Life?
産業革命以降手に入れた生産力を背景に、成長を是としてきた人類の活動は、プラネタリー・バウンダリー※1を超え、気候変動や南北格差をもたらし、声をあげることのできない生物や将来世代を搾取し続けている。その対応策として、成長の原動力となった産業や便利な暮らしを維持しつつ環境負荷を低減させる行動がSDGsとして推奨されているが、事態はより深刻で、持続的成長ではなく成長なき繁栄※2を本気で検討しなければならないところまで来ている。そのためには産業分野だけでなく、暮らし自体を見直し、その構成要素の一つ一つを、地球に負荷をかけない方向に転換していかなければならない。しかし、産業からサービスを買うことに慣れてしまった我々は、自らの手で衣食住やエネルギーを獲得するスキルをもたず、また産業社会的連関による包囲網はそこからの逸脱を容易には許さない。20世紀後半につくられた生産―消費―廃棄の想定を定着し続けてきた構築環境の中に暮らしていると、その想定を疑うことも容易ではない。そこで培われた自画像は、同じ想定に基づく構築環境や暮らしを再生産してしまう。その反復から抜け出して、成長なき繁栄を選ぶのならば、我々はどう生きるか? 建築が人々の暮らしをよりよくすることに奉仕するものであるならば、そうした包囲網を障壁として発見し、挑んでいくことから、建築的営為を始めるべきだろう。その時話し合いのテーブルにつくのは、今ここにいる自分達だけでなく、立場の弱い人、地球の別の場所にいる人、未来の人、そしてヒト以外の生物かもしれない。「How is Life?」という、彼ら、そして私達自身への問いかけを、建築展という形にする試みに、ご期待あれ。
TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life? キュレーター
塚本由晴、千葉学、セン・クアン、田根剛
出典
※1 プラネタリー・バウンダリー Rockstrom, Johan, et al. “A safe operating space for humanity.” Nature, vol. 461, no. 7263, 24 Sept. 2009, pp. 472+.
※2 成長なき繁栄 Tim Jackson (2009). Prosperity without Growth. Earthcan. (ティム・ジャクソン 田沢恭子( 訳 ) (2012). 成長なき繁栄 ―地球生態系内での持続的繁栄のために― 一灯舎)
2020年から浅草橋のビル「BASE」でシェアオフィスをしている、畝森泰行建築設計事務所とt e c o、2つの設計事務所の活動を、模型や映像を交えて展示します。
2009年に設立した畝森泰行建築設計事務所は、50m2ほどの狭小住宅から1万m2を超える図書館や学校といった公共複合施設まで、様々なプロジェクトを手がけてきました。金野千恵の主宰するt e c o は、前身となるKONNO(2011年設立)を引き継ぎ2015年に設立した設計事務所で、住宅、福祉施設、アートインスタレーション、まちづくりなどを分野横断的に手がけています。またこの2者が協働する組織、UtA(Unemori teco Associates)では、いくつもの公共プロポーザルに勝利し、実現したものを含め、日々ともに思考を重ねています。