坂茂による、高松宮殿下記念世界文化賞の授賞式でのスピーチの動画です。2024年の建築部門で受賞していました。セレモニーは2024年11月に開催されました。受賞に際して、坂の業績をまとめたページはこちら。
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藤本壮介建築設計事務所の、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)と 3Dモデリングオペレーター募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
藤本壮介建築設計事務所では、設計スタッフ(設計監理経験者、既卒・第二新卒・新卒)、3Dモデリングオペレーターを募集しております。
現在、国内で多くの実施プロジェクトが進行しています。
住宅から公共施設まで多種多様なプロジェクトがあり、これまでの経験が発揮できるプロジェクトを担当していただきます。
SHARE 佐藤研吾による展覧会「くぐり間くぐり」。ときの忘れものを会場に開催。建築家が一貫して作り続ける“ピンホールカメラ”を中心とした展示。“カメラ”でもあり“被写体”でもある作品で互いを撮り合い、自身でプリントした“銀塩写真”なども公開
- 日程
- 2024年11月22日(金)–12月1日(日)
佐藤研吾による展覧会「くぐり間くぐり」です。
東京・本駒込のギャラリー“ときの忘れもの”を会場に開催されています。建築家が一貫して作り続ける“ピンホールカメラ”を中心とした展示です。また、“カメラ”でもあり“被写体”でもある作品で互いを撮り合い、自身でプリントした“銀塩写真”なども公開されています。
会期は2024年11月22日~12月1日。展覧会の公式ページはこちら。
2018年に初個展「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」、2022年に「佐藤研吾展 群空洞と囲い」、2023年のアートフェア東京ではピンホールカメラのインスタレーション《仮面と連担》 を披露した建築家・佐藤研吾は、一貫してピンホールカメラを制作しています。3回目となる本展では、新作のピンホールカメラや、撮影に使うミラーのオブジェなどの立体を中心に、ドローイング、コラージュのほか、カメラでもあり被写体でもあるピンホールカメラで互いに撮り合い、自身でプリントした銀塩写真もご覧いただきます。
佐藤研吾によるステートメント
リアルを確かめるために、向こう側を見つめる、向こう側を作る。ひょっとすると矛盾しているが、そんな感覚な気がしてきた。過去を視て、未来を探す。遠くの世界に思いを馳せながら、日頃の生活に取り組む。限定的な自己についてを探求し、大きな世界の構造を掴み取る。もしかすると世界はどこかで領域付けられ分断しているのかもしれないが、分断された向こう側を必死に覗き込む努力をする。その試みはおそらく、見るという光の速さでなし得るものではなく、潜る(もぐる)、あるいは潜る(くぐる)と言い表すくらいのある種の困難さもあるだろう。
ピンホールカメラの撮影にはとても時間がかかる。これが本当に光の所業なのかと思うほどに遅い。光は穴の中をズルズルとくぐり抜けているようだ。今回の制作では、カメラの前に鏡を据え置く。カメラのシャッターを開き、鏡の向こう側へとくぐり、世界を覗き込む。そうして撮影された写真もまたその世界の鏡像であるに違いない。あるいは向こう側なのか。イマージュからイマージュへ、少々の時間をかけて、くぐり抜けていく。
元現代美術ギャラリーの建物を拠点とし、様々な用途を偏りなく手掛ける「SO&CO.」の、設計スタッフ(既卒・経験者)と アルバイト 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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SO&CO.が、設計スタッフ(既卒・経験者)を募集中
業務拡大に伴いスタッフの募集を行います。
SO&CO.は、現代美術ギャラリーだった建物が事務所となっています。
今も事務所1階は現代美術ギャラリーとなっており、オープニングパーティーに参加することもあります。
海外アーティストが展示する際には、海外の人々とアートや建築の話で盛り上がります。現在は、都内の本社ビル、文化施設、物販店舗や海外プロジェクト、東北の駅前構想など、都内だけでなく、様々な地域でプロジェクトが進行中です。
近年は、構想・計画から関わり、街や地域を対象にしたプロジェクトも増えてきました。
ビルディングタイプが偏っておらず、設計から監理まで担当できるので、多様な経験をしたい方や様々な人とコミュニケーションを取るのが好きな方、楽しく建築を考えていける方、ご応募お待ちしています。
“泊まるように暮らす”を掲げ、高揚感と独特な時間を備えた“家”を手掛ける「yado株式会社」の、企画と設計に関わるスタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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yado株式会社|設計・商品企画スタッフ募集
【弊社について】
yado株式会社は2023年にスタートしたプロダクトデザイン会社です。
世界中の宿からインスピレーションを受けた住宅デザインを開発する他、自社メディアも運営。
旅先で誰もが感じたことのある高揚感と独特な時間を「家」という日常に落とし込みながら事業展開を行なっています。事業拡大につき、メンバーを募集中。
全国に「泊まるように暮らす」という概念を一緒に広げていきませんか。【仕事内容】
当社の住宅の設計・商品企画メンバーとして、全国に展開する住宅パッケージ商品の企画・設計に携わっていただきます。
主に以下のような業務をお任せします。・世界中の宿からインスピレーションを受けた住宅のプランの企画
・ブランドのトーン、ユーザーの要望や流行などを意識しつつ、自分のアイデアを織り交ぜた住宅商品の開発
・商品化に向けた図面資料の作成
・メーカーとの折衝・建築現場の管理労働条件【本ポジションの魅力】
私たちは常に業界のフラグシップを目指し続けることをミッションとしています。・業界をリードするフラグシップ企業の一員として、住宅業界の新しいトレンドを創り出すことができる
・ブランドやクリエイターとのコラボレーションを通じ、自身のアイデアを活かしながら、ユーザーに″泊まるように暮らす”住宅を提案する仕事に携われる
・自身のキャリアを切り開く土壌がある新規事業戦略やブランド構築などに携わり、ベンチャー精神を常に持ち続ける組織で働ける機会はなかなか得られない経験かと考えています。ぜひ、「我こそが」という強い気持ちをお持ちの方からのご応募をお待ちしています。
山口純建築設計事務所が設計した、愛媛・松山市の「南町の家」です。
住宅地に建つ設計者の自邸です。建築家は、客人を招く為の書斎の設置を前提とし、奥に向かって“プライベート性”が高まる動線計画の建築を考案しました。また、何処にいても“家族の気配”も感受できるように上下階を吹抜で繋ぐ等の操作も行いました。
敷地は愛媛県松山市の中心地と道後温泉の中間に位置する住宅地。
この住宅は設計者の自邸であり、一角に来客を招くことのできる小さな書斎を設えている。
そのため、間取りには細心の注意が払われている。玄関から奥に進んでいくにつれてプライベート性の高い空間になっていく動線計画。1階は書斎とLDK、2階は各個室と水回りと明確に機能を分けている。
しかし、各スペースは間接的につながっており、例えば書斎とダイニングキッチンはガラス戸でつながっていたり、1階と2階は吹抜けでつながっていたりと、どこに居ても微かに家族の気配を感じることができる家になっている。
内装、構造材は、地元のスギ材を使用。外壁には気候風土に合っているのだろうということで、愛媛では古くから使われている焼杉を使用。板張りは大工さんの手仕事を感じることができる。
しかし、焼杉は近年県内の住宅ではあまり使われない。古くさいと思われているからだ。だからこそ、焼き杉の魅力を伝えたいと思い自邸に採用している。内装は、壁と天井は白塗装を基調とし、床は地元のスギ無垢材を使用。植物、家具、書籍、アートなど生活を彩るものを際立てるため、ニュートラルな空間に仕上げている。
また、開口部の配置を工夫することで、カーテンのいらない生活が可能になり常に窓から木々を眺めながら生活することができる。光がどこかから常に入ってきて、季節・時間によって空間は表情を変え続ける。
SALHAUSの、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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経験者・新卒スタッフ採用についてのご案内
株式会社SALHAUSでは設計業務経験者の設計スタッフ、および2025年度の新卒・既卒の設計スタッフを募集します。
当社は小さな戸建住宅・インテリアから大きな公共建築、まちづくりまで、色々な規模のデザインを行う設計事務所です。SALHAUSは3人の事務所代表者が、フラットな関係で議論しながら設計を進めていることが特徴です。
現在、教育施設などのいくつかの公共的なプロジェクトを進めています。それらのプロジェクトに能動的に参加して、私達の議論に加わってくれる、やる気のある設計スタッフを募集します。
パナソニックが運営する、東京・新橋のライブオフィス“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展 ver.1.0」が開催されます。
スキーマ建築計画出身の西原将が企画監修する、“現し”をテーマとした展示会です。また、浅子佳英・桝永絵理子・向山裕二・森田美紀が参加するトークイベントやイベントも実施されます。開催日は、2024年12月4日(水)・5日(木)。参加費無料です(要事前申込 / 締切:2024年12月3日 17時)。展示会およびイベントへの参加はこちらのページから。(会場の詳細な住所は申込後に案内されます)。【ap・ad】
最近は「現し」のインテリア表現も多く見受けられます。
「現し」とは元々付いていた仕上げを取り除いた状態、もしくは仕上げを取り付ける前の状態の、建築の構造となるものがそのまま見えている状態をいいます。ただ既存の壁や天井をとっただけで「現し」にはなりますが、今まで天井裏に隠されていた配線の処理や、照明器具の取り付け方法、エアコンや換気設備の設置方法、配置計画、法規など、天井を取ることで今まで考える必要がなかったことまで考える必要性が出てきます。
そこで、パナソニックの電気、照明、空調換気の専門家のチームと、シンプルで美しく、快適な「現し」空間をどのように作っていくかということを考えてきました。
「現し」のデザイン
「現し」の環境
「現し」の法規と、3つのテーマで「現し」について検討する企画展示を開催し、展示内容は12月を皮切りに2025年3月までアップデートする予定です。
まず今回は、「現し」のデザインをご紹介します。レースウェイと配線ダクトの組み合わせで構成されたシーリングストラクチャーと呼んでいる天井に、必要な機器を取り付けるための構造を見学いただけます。配線ダクトは照明器具の変更、増設が容易で、レースウェイは重いものを取り付ける下地としても使うことができます。
2025年1月以降、「現し」の法規、「現し」の環境について公開致します。
「現し」の法規では、現しにする場合に検討するべき建築基準法などを整理し、また現しの電設機器の取り付けに関わる内線規定などを検討しています。「現し」の環境では、現し空間における空調機器、換気設備などのさまざまな在り方を検討しています。これらの3つの要素を考えることで適切な「現し」空間を設計することができるのではないかと考えています。
企画監修:西原将(スタジオパルマコン)
グラフィックデザイン:山口日和
以下に、展示会と関連イベントの詳細を掲載します。
多くのアトリエ事務所との協働実績があり、常に新しい物作りに挑戦する「有限会社 工藤工務店」の、施工管理職(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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共に働く仲間を募集しています。
著名な建築家含め、数多くのアトリエ系設計事務所との協働による経験と実績から、常に新しい物作りに挑戦していく仕事です。
デザインだけでなく、ディティールや機能性を学べます。建築デザインを具現化する仕事です。
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、沖縄・古宇利島の宿泊施設「YAWN YARD Kouri Island」です。
独立型のヴィラ群からなる建築です。建築家は、ゆったり過ごせる場を合理的に実現する為、個々の状況に応じて“開き方”などを調整できる“ハの字型ユニット”を考案しました。また、沖縄文化の体験の場も意図して地域の作家たちとも協働しました。施設の公式サイトはこちら。
沖縄の古宇利島に、訪れる人々が美しい海を眺めながらゆったりと時間を過ごせる場所を計画した。
家族やグループなど複数名が泊まれる独立型のヴィラであり、互いに隣接する宿泊者の音を気にすることなく、プライバシーを保ちながら滞在できるように設計されている。
敷地は2つのエリアに分かれており、一つは道路を背にした細長い敷地で、凸凹した地形が特徴。もう一つは高低差のある台形の敷地である。こうした狭く歪んだ敷地にヴィラを建てる計画だが、同じ形の建物を反復して建てることは難しいと感じた。かといって、個々に異なるプランも不効率と考え、効率的なデザイン方法を考えた。そこで考案したのが、2つの定型プランを組み合わせた「ハの字」型のユニットである。
このユニットは、海のビューや敷地の形状に合わせて「ハ」の開き方や位置を調整し、異なる配置の上に異なる屋根をかけることで、敷地の歪みを活かしながら、個々に異なる外観を持つヴィラ群を形成する。
この半屋外の楽しさを活かした建物を、新しい沖縄のヴィラタイプとして位置づけ、建築の新洋さんに限らず、家具などもできる限り「メイドイン沖縄」にこだわり、沖縄の文化を宿泊者に体験してもらえる場を目指した。
沖縄の多くの作家とコラボレーションを行い、その中でもLuft(真喜志奈美、桶田千夏子)さんからは、沖縄産の木材、琉球煉瓦、琉球石灰岩などの材料、そしてそれを加工する現地のチーム(ゆりあ木工房、八幡瓦工場、琉幸建設)をご紹介いただき、デザインから制作に至るまでご協力をいただいた。また、周辺の自然環境と敷地内の調和を目指し、沖縄の植生に詳しいHarvest High!(岩村浩生)さんにもご協力いただいた。
さらに、Luftさんのご紹介で、沖縄在住のアーティスト丹治りえさんが、壁紙を利用し、その凹凸を活かしたテクスチャのパターンで構成した平面を制作設置してくれた。沖縄にまつわる本の選定・設置もLuftさんにご担当いただいた。料理においては、沖縄を代表する料理家、傳饗(上江田崇)さんがメニューからお膳のセットまでを監修し、このプロジェクトに新たな沖縄の味わいを加えていただいた。
ODS / 鬼木孝一郎が設計した、神奈川・川崎市のバレエスクール「K-BALLET SCHOOL 武蔵小杉」です。
二面ガラス張りの区画に計画された著名ダンサー運営の施設です。建築家は、既存の特徴を活かし、外周部への配置と鏡貼りの壁面でレッスンスタジオ空間に開放性を付与しました。また、休憩所等は居心地の良さを意図して淡い色彩や曲線を使用しています。店舗の公式サイトはこちら。
世界的バレエダンサー熊川哲也氏が主宰するバレエスクール「K-BALLET SCHOOL 武蔵小杉」の内装デザイン。
2面がガラスファサードとなっている区画の特徴を生かし、外周に面するようにレッスンスタジオを配置。既存のシステム天井を残し、壁面を全面ミラー貼りとしたスタジオは外部の景色が映り込む開放的な空間となった。
一方で、休憩スペースを兼ねたエントランスと廊下ではキーカラーとして淡いベージュ色を採用。各所に円弧を用いたデザインとし、落ち着いた居心地の良さを感じる設えとしている。
「動」と「静」の切り替えのある場所となることを目指した。
京都を拠点とし、“伝統の技と現代のテクノロジーの融合”による創作を目指す「辻村久信 / ムーンバランス」の、設計スタッフ(既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
1995年創業 辻村久信が主宰する株式会社ムーンバランスは、京都を拠点に日本の伝統の軸線上にあるモダンデザインを提案しているデザイン事務所です。
その領域はプロダクトからインテリア・建築とデザインの領域を超えて多岐にわたりますが、そのものづくりに共通する哲学は「誰かのために何かをすること」社会の問題点を解決するための手段として、デザインができること、デザインでできることを考えています。
また、プロジェクトの規模に関わらず、丁寧に素材を見つめ、丹念に伝統の技と現代のテクノロジーの融合による創作を目指しています。
Moonbalanceは、デザインすることが好きでたまらないデザインマニアを募集します。
これまでに培った設計技術を活かし、つくり手との共同作業の中で質感ある丁寧なデザインをしたい方を歓迎します。
T/H 樋口耕介+瀧翠が設計した、東京・渋谷区の「小杉湯原宿・チカイチ」です。
商業施設“ハラカド”の地下階での計画です。建築家は、誰に対しても開かれた“公衆の場”を目指し、人々が同じ環境を共有して関われる“屋外の様な雰囲気”の空間を志向しました。そして、銭湯の各要素を分解して“道”を介して繋がる構成を考案しました。施設の場所はこちら(Google Map)。
原宿・神宮前の一等地に建つ商業施設に銭湯を作る。
その背景には、非日常な演出により消費される場ではなく、地域の日常に紐づいた体験の場が求められている。私たちは、来る人を選ばず、誰に対しても閉じない、公衆の場と呼べるような場所を作りたいと考えた。
拡散光に満ちた上空のようなものを広げる。頭上から豊富な光が降り注ぐ環境は、地下にありながら屋外のような雰囲気を醸し出す。居合わせた人々はお風呂に浸かりながら同じ環境を共有し、軒下の雨宿りのように刹那的な人とのつながりを生み出す。銭湯の諸要素は細かく切り分け、その間に道を通す。区画全体が銭湯のようにも見えるし、銭湯とその周りの町のようにも見える
この「どちらとでも取れる」という性質はこの場所全体に広がっている。屋外的な上空と屋内的な地上の設え、グレーの壁面に浮かぶ抽象的な光の窓や昔ながらの下駄箱、高い(ように感じる)天井や人に馴染む10cm角のタイルなど大小様々なスケール、多彩なテクスチャーが統一された色調であること。ばらばらな性質が、訪れた人それぞれの指向や記憶と共鳴し、きっかけとなって、この場所との結びつきを支えていく。
大島碧+小松大祐 / 風景研究所が設計した、宮城・仙台市の「十字土間の家」です。
面積的に余裕のある敷地での計画です。建築家は、庭と建築の親密な関係性の構築を求め、庭を“適切なサイズに分割”もする“十字形状”平面の建築を考案しました。また、土間を中央に置く構成として内外の繋がりに加えて“大らかな回遊性”も生み出しました。
仙台の高台にある住宅。
公園の隣に位置する広い敷地をあますことなく使いこなしたいという考えと、家庭菜園や趣味のDIYを楽しみ、地面と近い生活を楽しみたいというクライアントの要望から、敷地に十字形状に屋根を走らせ、いくつかの居心地よく使いやすい大きさの庭に分け、庭と建築の親密な関係性をつくり出せないかと考えた。
1階では各部屋は十字形状の土間に沿って配置され、庭と土間のどちらにもつながっている。
土間の中心は吹き抜けになっており、そのまわりを屋根裏部屋のような勾配天井のある寝室群の2階スラブが取り巻いている。居室はできるだけ小さな単位に分解し、その間に土間や廊下を通すことで、おおらかな回遊性をつくりだしている。
玄関土間から始まる生活のシークエンスは、キッチン、ダイニング、リビング、和室、水回りと順々にめぐり、「道」と「部屋」の明快な関係は徐々にほぐれていき、上階の寝室へ至るころには、曖昧な「道状の部屋」となる。
居室のあちこちに開けられた窓からは、向かい合う居室・土間・庭・公園・高台からの街のながめなどが切り取られ、ふわふわと、様々な距離感をもった風景が内部立面にモザイク状に現れる。
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、大阪市の店舗「アンドワンダー 南船場」です。
自転車移動が便利な地域の路面店の計画です。建築家は、同じブランドの店を複数手掛ける背景から、既存の仕組を共有しつつ“環境に合わせてカスタム”する設計を志向しました。そして、サッシと一体化した自転車置場等を用意して“地域のハブ”化も模索されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
and wanderはユニセックスのアイテムが多く、多彩な色のバリエーションが特徴である。
手にとって初めて気づくカッティングやデザインがあり、一点ずつ発見する楽しみがある。
天井から吊るされたグリッドシステムにより、レイアウトが柔軟で、照明、ハンガー、ポスター、フィッティングルームなどを自由に配置できる可動システムを採用した。andwanderは一定の仕組みを共有しつつ、店舗ごとに環境やターゲットに合わせてカスタマイズし、異なるデザインを楽しんでもらいたいと考えている。
今回のand wander南船場では、ブランドとしてただモノを買って終わりの場所ではなく、そこが地域コミュニティの一部になるような、サードプレイスとしての新しい店舗のあり方を模索していた。また計画地は路面の環境であり、大阪特有の職住近接で都心に住んでいる人も多いため、地域のハブになって欲しいという思いがあった。
そこで大阪は東京と違い坂が少ない地形で道が碁盤目状となっており、自転車移動が便利であることに着目し、都市の回遊性を引き込む自転車置き場をサッシと一体化させる形で設けている。他にも、外に賑わいを感じさせる跳ね上げ戸、人を受け入れる両開き戸など、境界を作りがちなサッシの周りに人の賑わいを生み、内部に引き込むきっかけを作った。
ファサードを計画できる路面店であったため、以前入っていたテナントの仕上げを剥がして、タイルの削り跡やタイルの上から塗られたモルタルをそのまま受け入れ、必要最低限のケアをすることで、ツルツルのタイルなどの質感ではなく乾いた粗野な表情を出し、内部の商品が引き立つように整えている。
堤由匡建築設計工作室が設計した、福岡・福津市の「昭和54年の架構」です。
木造家屋を店舗と民泊施設に改修する計画です。建築家は、既存建築の“忘れられた良さ”の復活を使命とし、天井を撤去して“太鼓梁”や“丸太桁”を現しとする空間を考案しました。また、用途間の境界壁に段差を作る操作で其々の空間に異なる個性も付与しました。
夕陽の綺麗な福間海岸近くに、友人でもある施主が昭和54年竣工の古家付き土地を見つけてきた。
この古家をショップ併用の民泊へとリノベーションできないかと相談されたのがプロジェクトの始まりである。
木造平屋の入母屋造り。プリント合板の外壁、ポリカ波板の庇など、チープなリフォームを施された跡はあったが、元々の構造がしっかり作られていることは一見してわかる。無節の桧の柱、立派な地松の太鼓梁、さらに長スパンの丸太桁は圧巻である。
昭和54年は古民家と呼べるほどには古くなく、しかし、良い材料が安く手に入り、地方では庶民でも立派な木造が建てられた最後の時代であろう。自分なりの解釈で再構築こそすれ、腕の良い大工がプライドを持って建てた建築と対話し、その忘れられた良さを蘇らせることは、建築に携わる者の使命である。
最初から天井はバラすことは考えていたが、平屋の入母屋は棟が高い。棟木下で約5.3mもある。道路側にショップ、庭側に民泊と計画すれば、必然的に棟木に並行に巨大な壁が出てくる。しかし5.3mもの壁で仕切るだけでは折角の架構が感じられず、何よりヒューマンスケールに欠ける。
そこで民泊側の大壁2.1mから上を店舗側へセットバックさせてみる。民泊側には2.1m高さのキャットウォークが生じ、反対にショップ側には下がり天井が生じる。ショップは土間床で民泊の床よりも低いため、下がり天井は2.33mと適度な高さになる。民泊側のキャットウォーク上では柱が現しになり、ガラス瓦のトップライトから降り注いでくる外光により、架構が美しく浮かび上がる。