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■概要
スイス、バーゼルの国境を越えフランスに入り、少し歩くとこの建物は見えてくる。ヘルツォーグ アンド ド・ムーロンの初期の作品でコンクリートの表面、ガラスの表面に特徴的な仕上げを見ることができる。
■形態と表面
建物のヴォリュームは、簡単な箱型の組合せでできている。コンクリートの細長いボックスと、表面をガラスに覆われたボックスの二つが噛合ったような構成である。この建物が、シンプルだけで終わらないのは、その特徴的な建物表面の仕上げからであろう。建物まで続くアプローチの床面は、コンクリート表面に特殊な加工をする事で、花びらを思い起こさせるパターンとなっている。そして、このパターンは床だけでなく、壁に連続し、そのままエントランス天井部分の表面も覆ってしまっている。床、壁、天井が同じパターンで覆われる事で、そこに身を置くと包み込まれているような感覚を憶える。建物のメインボリュームである黒いボックスは、木毛板のパターンをプリントされたガラスで覆われている。本来、透明であるガラスをこのような処理を施す事で、不透明なものに変化させている。また、これらの、建物表面へのこだわりと、ボックスで構成された外観は、無関係ではないと思う。この特徴的な表面を生かすために、あえて飾り気のないボックス形態を採用しているのではないだろうか。
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