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■概要
スイス、フリムスにある美術館。古い建物を改修した建物で、元の建物の色が黄色だったことから、イエローハウスと呼ばれているようだ。
■経緯
建物を設計した建築家は、ヴァレリオ・オルジアティ。彼はスイスを代表する現代建築家の一人である。そして、彼の父であるルドルフ・オルジアティもまた、スイスを代表する建築家であった。ルドルフは、フリムスに事務所を構え、この町に数多くの住宅やホテル、学校の改修などを手がけた。そのルドルフが、イエローハウスの改修に関して条件を残していたのである。それは、建物の外壁を白くする事だった。ヴァレリオは、その制約を守り、建物を設計した。しかし、その建物は、フリムスにある白い外壁を持つ民家とは異なる前衛的なものだった。
■素材
建物の表面は、荒い仕上げとなっている。既存の壁を剥がし、内部に隠れていた木がところどころ見えたり、既存の開口部をコンクリートで埋めた部分が、異なる素材感を示している。しかし、その全てを白く塗ることで、建物はマッシブな塊として認識されるようになっている。
■内部
内部は、漂白されたような外観とは異なり、優しさを感じさせる。木製の床と、厚い壁に開けられた窓から入る光。どれも優しい。
■作風
彼の一連の建築作品を見ても分かるように、彼の作風はスイスの建築家の中では特異な印象を受ける。それは、スイスの建築家に特徴的な、繊細さ・敷地への配慮・都市との関係・タイポロジーといった外的な要素から建物を定義するという手法が見出しにくいからだ。彼は建物を自立的な作品であると考えているのだと思う。
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