SHARE Fit建築設計事務所による東京の住宅「スキップフロアハウス」
Fit建築設計事務所が設計した東京の住宅「スキップフロアハウス」です。
以下、建築家によるテキストです。
「スキップフロアハウス」
スキップフロアを駆使した住宅である。
敷地は北面で接道し、3方が家屋に囲われているが、南東の方向にのみ開けている。その土地の特性を最大限活かすことが、この計画のテーマである。
そのテーマに対して、建物を2つのボリュームに分けて、それらをずらすことによって解決を試みた。2つのボリュームは、南東からの光を室内になるべく多く導入するために、南北にずらして配置され、また、それら2つのうち、西側のボリュームについては、床を持ち上げることによって、南東からの光をさらに多く室内に取り入れられるよう、配慮している。
2つのボリュームの間に生じた、この3次元的な「ズレ」は、すまいの中に縦方向の空間のつながりを形成し、すまい全体の一体感をもたらしている。
室内の床や天井には、タモの無垢材を多用し、空間の一体感を演出するとともに、経年変化を楽しんでいただけるよう心掛けた。室内の壁に関しては、手仕事によるモノづくりの美しさを追求するために、ビニルクロスではなく、塗装仕上げとした。キッチンは、ステンレス天板とタモの組み合わせによる、オーダーキッチンとした。ダイニングテーブルも、タモのハギ合わせ材を天板に使用した特注品とし、ホンモノの材料が持つ独特の存在感が空間に彩を添えている。
外壁は、ここでも手仕事の美しさを追求するために、ガルバリウムの板金材を採用している。建具には、ステンレス材を使用し、意匠性とともに、メンテナンスの軽減を図っている。
■建築概要
所在地:東京都中野区
敷地面積:143.95㎡(建蔽率40%・容積率80%)
延床面積:111.18㎡
構造規模:木造2階建て
竣工年:2012 年9 月
施工者:㈱匠陽