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チョウ・ミンスクとハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催。2024年6月に行われたもの

チョウ・ミンスクハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画です。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催されました。2024年6月7日に行われたものです。アーキテクチャーフォトでは、チョウが設計したサーペンタイン・パヴィリオンを特集記事として掲載しています。

2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定。テーマは「中立点-生成AIとの未来」。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子+大村高広と砂木が名を連ねる
2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定。テーマは「中立点-生成AIとの未来」。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子+大村高広と砂木が名を連ねるヴェネチア日本館改修イメージ図 image©藤倉麻子+大村高広

2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定しました。
テーマは「中立点-生成AIとの未来」です。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子大村高広砂木(木内俊克、砂山太一)が名を連らねています。展覧会の会期は2025年5月10日~11月23日。

キュレーターを務める青木淳によるステートメント

幾何級数的なデジタル技術の進化のなか、ごく近い将来、生成AIが私たちの社会、環境、あるいは私たちの内面をも、まったく異なる様相に変えてしまうのではないかという不安が、現在、全世界を覆っています。とくに日本は、SNSなどデジタル技術の普及のなかで、ポリティカルにコレクトで、ただミスや欠点がない、最大公約数的で凡庸な社会に向かって突き進んでいるように思われます。
たしかに生成AIから返ってくるのは、既存データの総合から導き出されたもっとも間違えの少ない回答で、私たちはついついそれを「正解」と捉えがちです。しかし、その先に待っているのは、人間が生成AIに従う、生成AIが人間に代わって主体となる社会でしょう。

しかし、日本には、「間」という観念の歴史があります。「間」とは、古来、日常的な意味での「あいだ」である以上に、2つの事物の応答(対話)が孕むテンションであり、そのテンションのふるまいがひとつの虚なる主体として潜在するという観念でした。この伝統に倣うなら、主体を人間に置くのでも、生成AIに置くのでもなく、そのあいだの虚なる「中立点」つまり「対話」に主体を措定することに賭けてみる価値があると考えられますし、ここで提案するのもまさにその試みの実践です。人間も間違えるし、生成AIも間違える。その間違えと間違えとのやりとりのなかから、それらどちらにも属さない創造的な「つくること」が生まれるのではないか。まだ生成AIが揺籃期にあるうちに、生成AIとの生産的な付き合い方を確立し、それを今後の生成AIの進化の方向付けに役立てられないか、というのが狙いです。

今回は、「日本館」そのものをその試みの対象とします。生成AIを「日本館」を構成する複数の部位に憑依させ、それら生成AIとのギクシャクした対話のなかから、「日本館」をフィクショナルに、またアクチュアルに「改装」することを通して、人間と生成AIの「中立点」という主体を浮かび上がらせようとするものです。

リリーステキストより

以下に、出展作家による画像と、キュレーター指名コンペ参加者が作成した展示プランの資料へのリンクも掲載します。

彫刻家の舟越桂の、彫刻の森美術館での展覧会「舟越桂 森へ行く日」の入場チケットをプレゼント。“人間とは何かを問い続けた”作家の、“作品の変遷”と“創作の源となる視線”に迫る内容。デッサン・メモ・実際に使った道具類も展示
彫刻家の舟越桂の、彫刻の森美術館での展覧会「舟越桂 森へ行く日」の入場チケットをプレゼント。“人間とは何かを問い続けた”作家の、“作品の変遷”と“創作の源となる視線”に迫る内容。デッサン・メモ・実際に使った道具類も展示《樹の水の音》2019年、楠に彩色、大理石 、93×46.5×31cm、西村画廊蔵  ※この写真は所蔵者の許可を得て撮影しています。実際の展示風景と異なります。 photo:今井智己、©Katsura Funakoshi Courtesy of Nishimura Gallery

彫刻家の舟越桂の、彫刻の森美術館での展覧会「舟越桂 森へ行く日」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
“人間とは何かを問い続けた”作家の、“作品の変遷”と“創作の源となる視線”に迫る内容です。デッサン・メモ・実際に使った道具類も展示されます。
会期は、2024年7月26日~2024年11月4日まで。展覧会の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年7月29日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

自然の中で人々と芸術家が交流する場として誕生した日本で初めての野外彫刻美術館である『彫刻の森美術館』。作品は芸術家の言葉であると考える当館が、周年を記念した展覧会にと2023年3月に舟越桂氏に依頼したことから本展の企画が始まり準備が進められてきましたが、2024年3月29日 舟越桂氏が逝去されました。本展は、最期までこの展覧会の実現を望み、励んでくださった作家本人の意思と、ご遺族の意向を尊重し開催されます。

~森へ行く日~
「遠い目の人がいる。
自分の中を見つめているような遠い目をしている人がときどきいる。
もっとも遠いものとは、自分自身なのかもしれない。
世界を知ることとは、自分自身を知ることという一節を思い出す。
私が感じている人間の姿を代表し、象徴してくれるような個人に出会った時、
私はその人の像を作ってみたいと思う。」
(創作メモより)

遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られる彫刻家 舟越桂。生涯を通じて人間とは何かを問い続けた彫刻家の作品の変遷とその創作の源となる視線に迫ります。

聖母子像や性別を感じさせない静謐な空気をまとった人物像は、その後、人間という存在の大きさや不思議さを象徴する山のようなイメージの人物像や、「祈り」の思いや行為に人間の姿を与えたという考えに至った「水に映る月蝕」(2004年)、そして東日本大震災がきっかけとなって制作された「海にとどく手」(2016年)、さらに両性具有の身体と長い耳を持った、人間を見つづける存在としての「スフィンクス」へ辿り着きます。一貫して人間の存在をテーマにしながら、様々に変容を遂げる作品を舟越は自ら「心象人物」と名付けました。

「手と目と頭を使って人間の像を作ることで、思考だけでの理解を越えて、人間を把握することに変わっていかないだろうか。その時間のつみかさねで、私も人間について考えていると思いたい。」
『言葉の降る森』角川書店

具体的には目に見えない、しかし現実に人間がその回りに抱える問題、祈りや思いなどに人間の姿を与えながら、人間について考えることで舟越は「人は皆それぞれ、たった一度の人生を生きていく初めての存在なのだ」ということを証明するための物語を紡ぎ出そうとしていたのではないでしょうか。

本展が、自分と出会う場として、自分と向き合う時間として、皆様に届くことを願っております。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供
美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供展覧会チラシ、使用図版:重要文化財 足形付土製品(部分) 新潟県村上市 上山遺跡出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年 撮影:畠山直哉

美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示です。作家は、東京国立博物館の収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作しました。また、長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供されます。
会期は、2024年9月23日まで。展覧会の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年7月29日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

太陽が形づくる光と影、地が生成する水や石、大気が織りなす風や雨。美術家・内藤礼は、私たちの傍らにある自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることで、私たちが日々見過ごしがちな世界の片隅に宿る情景、知覚しがたい密やかな現象を見つめ、「根源的な生の光景」を出現させてきました。精緻に構想されるその作品の世界は、その場を訪れる人をそれぞれの沈潜にいざないます。

本展は、150年の歴史を持つ東京国立博物館の収蔵品、その建築空間と内藤との出会いから始まりました。1万数千年という時を超え、内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころを見出しました。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたといいます。生の求めに迫られてつくりだされた一つ一つの土製品は、人間本来の姿を私たちに伝えるようです。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽とともにあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせます。

色彩に生を、風景に物語を、光に祈りを見出す内藤の作品は、縷々として尽きることなく私たちの世界を満たしてきた、遥か遠い時代から続く創造の営みを想起させます。そこには、人間が繰り返してきた「つくる」ということ、今につながる「生きる」ということへの希求が垣間見られます。時空を超えた交感がなされる会場は、空間よりも広く、時間よりも深く、目には見えない存在、耳では聞こえない声の確かさを感じ取る契機となることでしょう。本展の体験を通して、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じていただけたら幸いです。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

ゲルハルト・リヒターによる彫刻作品「STRIP-TOWER」。自身の“ストリップ・ペインティング”の手法を用いて制作。ロンドンのケンジントン・ガーデンズで期間限定で公開
ゲルハルト・リヒターによる彫刻作品「STRIP-TOWER」。自身の“ストリップ・ペインティング”の手法を用いて制作。ロンドンのケンジントン・ガーデンズで期間限定で公開Image: STRIP-TOWER (2023) by Gerhard Richter © 2024, Gerhard Richter, Prudence Cuming Associates
ゲルハルト・リヒターによる彫刻作品「STRIP-TOWER」。自身の“ストリップ・ペインティング”の手法を用いて制作。ロンドンのケンジントン・ガーデンズで期間限定で公開Image: STRIP-TOWER (2023) by Gerhard Richter © 2024, Gerhard Richter, Prudence Cuming Associates
ゲルハルト・リヒターによる彫刻作品「STRIP-TOWER」。自身の“ストリップ・ペインティング”の手法を用いて制作。ロンドンのケンジントン・ガーデンズで期間限定で公開Image: STRIP-TOWER (2023) by Gerhard Richter © 2024, Gerhard Richter, Prudence Cuming Associates

ゲルハルト・リヒターによる彫刻作品「STRIP-TOWER」です。
ロンドンのケンジントン・ガーデンズで期間限定で公開されています。会期は2024年10月27日まで。


こちらはプレスリリースの抄訳です

サーペンタインと英国王立公園は、ドイツ人アーティスト、ゲルハルト・リヒター(1932年ドイツ・ドレスデン生まれ、ケルン在住)の大型彫刻作品を発表しました。作品名は、「STRIP-TOWER」(2023年)で、ケンジントン・ガーデンズのサーペンタイン・サウスの台座に設置ました。この作品は、1970年にサーペンタインが設立されて以来、英国王立公園で長年続けられてきた公開プレゼンテーションの最新作です。

「STRIP-TOWER」は、リヒターが60年以上にわたって実践してきた絵画、写真、デジタル複製、抽象の探求と自己探求のアプローチを発展させたものです。

リヒターは2010年に「Abstract Painting 724-4」(1990)と題された以前の「スキージー・ペインティング」に触発され、「ストリップ・ペインティング」シリーズの制作を開始しました。この絵画は写真に撮られ、ソフトウェア・プログラムのサポートにより、スキャンされデジタル処理され、2つ、4つ、8つ、16つ、32の短冊に分割されました。そして、絵画の縦縞を水平に伸ばした後、アルミニウムにラミネートし、パースピレックスで覆うというものです。「STRIP-TOWER」も同様の手法で、カラフルなストライプのセラミック・タイルが2枚の垂直なパネルを覆っています。垂直の細いストライプが緻密な構図を形成し、パネルが交差することで、来場者もその中に立つことができる断面が生まれています。

チョウ・ミンスクによる、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」。毎年1組が選定され造られる期間限定の建築。歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向。ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造る
チョウ・ミンスクによる、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」。毎年1組が選定され造られる期間限定の建築。歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向。ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造るSerpentine Pavilion 2024, Archipelagic Void, designed by Minsuk Cho, Mass Studies © Mass Studies Photo: Iwan Baan Courtesy: Serpentine
チョウ・ミンスクによる、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」。毎年1組が選定され造られる期間限定の建築。歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向。ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造るSerpentine Pavilion 2024, Archipelagic Void, designed by Minsuk Cho, Mass Studies © Mass Studies Photo: Iwan Baan Courtesy: Serpentine
チョウ・ミンスクによる、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」。毎年1組が選定され造られる期間限定の建築。歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向。ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造るSerpentine Pavilion 2024, Archipelagic Void, designed by Minsuk Cho, Mass Studies © Mass Studies Photo: Iwan Baan Courtesy: Serpentine
チョウ・ミンスクによる、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」。毎年1組が選定され造られる期間限定の建築。歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向。ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造るSerpentine Pavilion 2024, Archipelagic Void, designed by Minsuk Cho, Mass Studies © Mass Studies Photo: Iwan Baan Courtesy: Serpentine

チョウ・ミンスク / マス・スタディーズが設計した、イギリス・ロンドンの、2024年のサーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」です。
毎年1組が選定され造られる期間限定の建築です。建築家は、歴史ある敷地に“何を加えられるか”を探求し、白紙ではなく“周辺の多くの要素を考慮する”設計を志向しました。そして、ヴォイドを中心として周りに“5つの島”を備えた建築を造りました。公開期間は、2024年6月7日~10月27日です。施設の公式ページはこちら


こちらはリリーステキストの翻訳です

第23回サーペンタイン・パヴィリオン「Archipelagic Void」は、ソウルを拠点とする韓国の建築家チョ・ミンスクと彼の事務所マススタディーズが設計し、2024年6月7日に一般公開されます。また、ゴールドマン・サックスは10年連続でこのプロジェクトを支援しています。

特別キュレーションのアクティベーション・シーズンの幕開けとなる第23回サーペンタイン・パヴィリオンでは、新しいコミッションによるサウンドスケープ、ライブラリー、一連のパフォーマンスやトークショーが開催されます

5つの「島」で構成されるパビリオンの各構造物は、大きさ、形、名前、目的がユニークで、6月から10月までのサーペンタインのライブ・プログラムに多面的なプラットフォームを提供します。

パヴィリオンの主要入口となるギャラリーでは、音楽家・作曲家のチャン・ヨンギュが制作した6チャンネルのサウンド・インスタレーション「The Willow is in the Summer and Moonlight in Autumn」が上演されます。パヴィリオンの周囲の環境からインスピレーションを得たチャンは、ケンジントン・ガーデンで録音した自然や人間の活動から得た音を、伝統的な韓国の声楽や楽器に取り入れました。特徴的な音色とメロディーは、季節の変化をトレースしています。それらは常に変化し続ける公園の景観と生態系に呼応しています。

アーティストのヘマン・チョンとアーキビストのレニー・スタールによる未読本図書館は、パヴィリオンの北側に設置されます。「生きた」参考図書館として機能するアート作品として構想され、各書籍は、共通の知識のプールを形成するために、前の所有者から寄贈されたものです。来館者は、手持ちの未読本の寄贈を歓迎され、コレクションを増やしていくことができます。これらのタイトルにアクセスできるようにすることで、未読本図書館は集合的なジェスチャーとして機能し、アクセスと流通の概念に取り組んでいます。

サーペンタインビルディングの歴史にちなみ、ティーハウスはパヴィリオンの東側に位置します。ジェームズ・グレイ・ウェストの設計によるサーペンタイン・サウス・ビルディングは1934年にオープンし、当初は1960年代初頭までティーハウスとして機能していましたが、1970年にアートギャラリーとして再オープンしました。

屋外で遊べるスペースとして、パヴィリオンにはプレイ・タワーもあります。鮮やかなオレンジ色のネットスケープで覆われたピラミッド型の構造で、来場者が登って交流できるようになっています。

西側には、5つの「島」の中で最大の建造物であるオーディトリアムがあります。内壁にベンチが設置されたこのスペースは、市民が集い、パフォーマンスやトークを行う場所となります。2024年6月7日(金)に、チョウ・ミンスクがサーペンタイン・アーティスティック・ディレクターのハンス・ウルリッヒ・オブリストと対談し、今年のパビリオンの背後にあるインスピレーション、チョウの建築へのアプローチ、コミッションの歴史について語ります。

また、サーペンタイン・ パヴィリオン2024は、アーティストたちが新しいサイトスペシフィック作品を創作する、音楽、詩、パフォーマンス、ダンスなどのライブな出会いの場として毎年開催される学際的なプラットフォーム、サーペンタインのパークナイトの会場にもなります。

ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットをプレゼント。近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品を展示。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容。まとまった作品群の公開は約30年ぶり
ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットをプレゼント。近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品を展示。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容。まとまった作品群の公開は約30年ぶりル・コルビュジエ「奇妙な鳥と牡牛」、タピスリー、1957年、大成建設所蔵 image courtesy of 公益財団法人 大倉文化財団 大倉集古館

ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。

近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品が展示されます。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容です。また、まとまった作品群の公開は約30年ぶりとのこと。
会期中には、古谷誠章、藤井由理、青木淳、加藤道夫、中村研一、隈研吾が其々に参加する講演会も企画されています。加えて、ギャルリー・タイセイ林美佐によるギャラリートークも計4回行われます。

会期は、2024年6月25日~2024年8月12日。会場となる大倉集古館の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年6月17日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

「私の探求や知的生産の根底の秘密は、絶え間ない絵画実践のなかにあるのです。」

フランスを拠点に活動した建築家ル・コルビュジエ(1887~1965)は、7か国にある17資産がユネスコの世界文化遺産に登録されるなど、20世紀を代表する重要な建築家として高く評価されていますが、同時に数多くの美術作品を残したアーティストとしても知られています。

本展では、世界有数の所蔵作品をもつ大成建設ル・コルビュジエ・コレクションの中から約130点の作品を展示することで、ル・コルビュジエの美術作家としての側面をご紹介いたします。

本コレクションの素描やパピエ・コレ作品がまとまって公開されるのはおよそ30年ぶりのことです。本展をご覧いただくことで、建築を含めたル・コルビュジエのすべての創作活動の根底にあった、彼の絵画への情熱に気づいていただけることと思います。

※(“Le Corbusier Lui Meme”(『ル・コルビュジエ みずから語る生涯』 P250)

リリーステキストより

以下に、写真と詳細な情報を掲載します。

妹島和世が監修するパヴィリオンなども公開される、イベント「PERPETUAL MOMENT − 自然の中の時間」が東京都庭園美術館で開催。日本ロレックスの主催で行われ、妹島も参加するシンポジウムや、名和晃平・目/me・小牟田悠介による作品展示も実施

妹島和世が監修するパヴィリオンなども公開される、イベント「PERPETUAL MOMENT − 自然の中の時間」が東京都庭園美術館で開催。日本ロレックスの主催で行われ、妹島も参加するシンポジウムや、名和晃平・目/me・小牟田悠介による作品展示も実施されます。開催日は、2024年4⽉19日。観覧料は無料(但し、通常の美術館展覧会観覧料または庭園入場料が必要)。

日本ロレックスは2024年4月19日(金)に東京都庭園美術館の協力のもと、1日限定のアートイベント「PERPETUAL MOMENT − 自然の中の時間」を開催いたします。

朝香宮鳩彦王の邸宅として1933年に建築されたアールデコ様式の歴史ある建造物であり、国の重要文化財に指定されている東京都庭園美術館の緑豊かな自然の中で展開される、この日だけの特別なイベントです。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校のロレックスラーニングセンターを手掛け、ロレックスの様々な活動においても深い関わりがある、東京都庭園美術館館長で建築家の妹島和世氏がイベントホストを務めます。

当日は西洋庭園にて妹島和世氏監修によるこの日限りのパビリオン、名和晃平氏・目/me・小牟田悠介氏による過去・現在・未来をテーマとしたアートインスタレーション、その制作背景について妹島和世氏と語るシンポジウム、そして原摩利彦氏によるサウンド・インスタレーションや建築家のEnric Mirallese and Benedetta Tagliabue の家具の展⽰が行われます。

庭園美術館に来られた方は誰でも観覧することができます。日々の喧騒を忘れ、ゆっくりとした自然の中の時間を東京都庭園美術館 西洋庭園にてお楽しみください。

永山祐子によるプレイグラウンドなどが体験できるイベント「Playground Becomes Dark Slowly」が日比谷公園で開催
永山祐子によるプレイグラウンドなどが体験できるイベント「Playground Becomes Dark Slowly」が日比谷公園で開催永山祐子による「はなのハンモック」(会場:第一花壇)

永山祐子によるプレイグラウンドなどが体験できるイベント「Playground Becomes Dark Slowly」が日比谷公園で開催されます。
会期は、2024年4月27日~5月12日(9:00~22:00)。入場無料、予約不要。永山に加え、アーティストの大巻伸嗣細井美裕のインスタレーションが展開されます。イベントの公式サイトはこちら

本イベントは、キュレーターを山峰潤也氏が務め、「公園という都市の隙間の中で変化していく日の光を感じながら、自然への想像力を駆り立てること」をコンセプトに大巻伸嗣氏、永山祐子氏、細井美裕氏ら3名のアーティストによるアート体験を提供します。日中は永山祐子氏の「はなのハンモック」を中心としたプレイグラウンド、夜は光を放つ大巻伸嗣氏の「Gravity and Grace」、細井美裕氏がサウンドスケープの視点から日比谷公園の音を収集し、再構築した「余白史」など、一日を通して公園での新たなアート体験をお楽しみください。

リリーステキストより

以下にその他の画像などを掲載します。

アーティストのシアスター・ゲイツの講演「ブラックスペースをつくる」の動画。国際文化会館の主催で行われ2024年3月に公開されたもの(日本語字幕付)

アーティストのシアスター・ゲイツの講演「ブラックスペースをつくる」の動画です。国際文化会館の主催で行われ2024年3月に公開されたもの。日本語字幕付です。ゲイツは2022年のサーペンタインパヴィリオンを手掛けており、アーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介していました。

世界が注目するアーティストおよび都市計画家、シアスター・ゲイツを迎え、「建築」を通して現代社会について考えるArchitalk新エピソードを配信いたします。

ゲイツ氏が、出身地シカゴで治安悪化が著しかった地域の廃屋をアートの拠点として再生させながあら場づくりの実践を各地で行っています。また、人種に起因する土地・建物売却を多く経験した地域の文化的価値に光をあてつつ、ドイツ・イギリスで古い建物のリノベーションによって地域の活性化を行ったプロジェクトなどをご紹介いただきます。また、場の歴史など建物に宿るものをふまえた建築空間の創出や有効活用方法についてもお話しいただきます。

スピーカー:シアスター・ゲイツ(アーティスト/都市計画家)
モデレーター:片岡真実(森美術館館長/国際文化会館評議員)
主催:公益財団法人国際文化会館
助成:MRAハウス、住環境財団、米日財団

隈研吾が、日本芸術院賞を受賞。スコットランドに完成させた「V&A Dundee」で評価される

隈研吾による「V&A Dundee」の外観を紹介する動画

隈研吾が、日本芸術院賞(令和5年度)を受賞しています。スコットランドに完成させた「V&A Dundee」で評価されました。建築の写真とコンセプトテキストはこちらで閲覧可能です。

こちらは公開された受賞理由です。

隈研吾氏が設計した英国国立ヴィクトリア&アルバート博物館スコットランド分館である「V&A Dundee」は水辺に着地したノアの方舟の如く暗示的な佇まいが異彩を放つ。内部には博物館としての膨大な情報の集積に加え、広い空間が中央部に広がり、さながらノアの方舟の船内のように人々はここでさまざまな集いを行い、文化芸術を軸とした交流の場を成立させ、人類文化の未来に向かって希望を押し広げている。この黙示録的とも言えるデザインコンセプトは全世界から大きな反響を呼んでおり、日本芸術院会員からも高い支持を得た。

リリーステキストより

日本芸術院についてはこちら

役割
日本芸術院は,芸術上の功績顕著な芸術家を優遇するための栄誉機関です。
また,芸術の発達に寄与する活動を行うとともに,芸術に関する重要事項を審議し,これを文部科学大臣又は
文化庁長官に意見を述べることができるとされています。

沿革
日本芸術院は,明治40年6月に文部省美術展覧会(文展)を開催するために設けられた美術審査委員会を母体とし,大正8年9月に「帝国美術院」として創設されました。
その後,昭和12年6月に美術のほかに文芸,音楽,演劇,舞踊の分野を加え「帝国芸術院」に改組されるなどの拡充を経て,昭和22年12月に「日本芸術院」と名称を変更し,今日に至っています。

以下に、「V&A Dundee」の内観の動画も掲載します。

彫刻家のリチャード・セラ氏が死去 “演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催。作家のスタジオが入居する建物が会場。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介
“演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催。作家のスタジオが入居する建物が会場。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」広報グラフィック "w/018 OO", 2024©w/ (S. Terada)
“演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催。作家のスタジオが入居する建物が会場。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介"Untitled (Floor Plan #43)", 2021 © Gottingham Image courtesy of SL&A JAPAN and Studio Xxingham

“演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催されます。
作家のスタジオが入居する建物(花園アレイの501号室)が会場となっています。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介されます。開催日は2024年3月23日。展覧会の公式サイトはこちら。会場の場所はこちら(Google Map)。

手続き型の制作手法と演劇的な写真表現で知られる写真家Gottingham(ゴッティンガム)は、枠組みへの関心とリフレーミングの実践のもと、写真の自律と他律を探求してきました。システムの分散型運用や持続可能な循環型社会が注目され、サービスやコミュニティが脱中央集権化していく今、本企画では、諸空間に対する写真の可逆性を問いながら、この多元世界における事物連関の表出を試みます。本企画は「オープンスタジオ」という枠組みをカバーしながら、建築レーベルw/によるスタジオ空間を巡る建築図面を手がかりに、The 5th Floorにて写真家が自身でキュレーションを行う展覧会です。

バックライト式のオリジナルプリント作品に加えて、Gottinghamが近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究を紹介。空間と写真のスケールを操作することで、展示物が建築の開口部になりうるという仮説のもと、建築模型を使用してスタジオそれ自体の再構成を試みます。さらに、Studio Xxingham K.K.(スタジオシンガム カブシキカイシャ)が構築した100個以上のデータベースにおけるリレーション(=事物連関)の有り様を一部公開します。

本企画の会場であるThe 5th Floorの501号室は、Gottinghamのスタジオのひとつ上の階の部屋に位置し、それらの間取りは同じです。言い換えれば、The 5th Floorの床が展示替え期間中に唐突と開いて、出現するのが写真家のスタジオです。かつて地域のアーティストレジデンシーで滞在作家たちのオープンスタジオを企画・運営していたGottinghamの個人的経験を背景に、キュラトリアルスペースで「オープンスタジオ」を考える機会を作ります。

最後に、本企画は会場であるThe 5th Floorの支援をもうひとつの目的として立ち上げられました。The 5th FloorとGottinghamのスタジオが入居する花園アレイの他の入居団体とも協力し、関連イベントとして建築設計事務所等のオープンスタジオも同時に開催します。入場料等による収入の一部はThe 5th Floorが実施しているクラウドファンディング支援に活用いたします。(花園アレイの入居者有志によるT5F 支援会)

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します

国立新美術館での展覧会「マティス 自由なフォルム」の入場チケットをプレゼント。最晩年に取り組んだ“ヴァンスのロザリオ礼拝堂”にも焦点をあてる展示。礼拝堂の“内部や時間の流れを再現した空間”や“マティスのドローイングが施された模型”も公開
国立新美術館での展覧会「マティス 自由なフォルム」の入場チケットをプレゼント。最晩年に取り組んだ“ヴァンスのロザリオ礼拝堂”にも焦点をあてる展示。礼拝堂の“内部や時間の流れを再現した空間”や“マティスのドローイングが施された模型”も公開ヴァンスのロザリオ礼拝堂内部の再現展示 photo©architecturephoto
国立新美術館での展覧会「マティス 自由なフォルム」の入場チケットをプレゼント。最晩年に取り組んだ“ヴァンスのロザリオ礼拝堂”にも焦点をあてる展示。礼拝堂の“内部や時間の流れを再現した空間”や“マティスのドローイングが施された模型”も公開ヴァンス礼拝堂の外観のマケット(1/20) 1948年11月 アンリ・マティスのデッサン 制作:Les Maquettes EPI ニース市マティス美術館蔵 ©Succession H. Matisse photo©architecturephoto

国立新美術館での展覧会「マティス 自由なフォルム」の入場チケットを5組10名様にプレゼントいたします。
最晩年に取り組んだ“ヴァンスのロザリオ礼拝堂”にも焦点をあてる展示です。礼拝堂の“内部や時間の流れを再現した空間”や“マティスのドローイングが施された模型”も公開されています。
応募締切は2024年3月25日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表に変えさせていただきます)。展覧会の公式ページはこちら

※厳正な抽選を行いまして当選者の方にメールをお送りしました。沢山のご応募誠にありがとうございました。(2024/3/29追記)

巨匠がニースに遺した切り紙絵のあざやかな世界。「マティス 自由なフォルム」2024年2月14日(水)~5月27日(月)まで国立新美術館にて開催!

20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティス(1869-1954)。自然に忠実な色彩から解放された大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現します。後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組みます。

本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約150点を紹介するものです。なかでも切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されるほか、大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。

本展ではさらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで、マティスの至高の芸術を紹介いたします。

リリーステキストより

以下に、会場の写真と詳細な情報を掲載します

青木淳による講演「京都市美術館の90年」の動画。同館の館長として2023年11月の美術館90周年記念祭で行ったもの 中村竜治による、資生堂ギャラリーでの作品「無関係(柱、睡蓮、へちま)」。放置と無関心を主題に制作。“柱”は実際のビルの柱の様に設え、ニュートラルな展示室に“少しの特徴を与えるもの”として配置。展示物としての“睡蓮”と“へちま”は、“柱”が空間側の要素であることを強調する
中村竜治による、資生堂ギャラリーでの作品「無関係(柱、睡蓮、へちま)」。放置と無関心を主題に制作。“柱”は実際のビルの柱の様に設え、ニュートラルな展示室に“少しの特徴を与えるもの”として配置。展示物としての“睡蓮”と“へちま”は、“柱”が空間側の要素であることを強調する踊り場から、2つの「無関係(柱)」を見る。 photo©中村竜治
中村竜治による、資生堂ギャラリーでの作品「無関係(柱、睡蓮、へちま)」。放置と無関心を主題に制作。“柱”は実際のビルの柱の様に設え、ニュートラルな展示室に“少しの特徴を与えるもの”として配置。展示物としての“睡蓮”と“へちま”は、“柱”が空間側の要素であることを強調する地下1階、中央:「無関係(睡蓮)」、右:「無関係(柱)」 photo©中村竜治
中村竜治による、資生堂ギャラリーでの作品「無関係(柱、睡蓮、へちま)」。放置と無関心を主題に制作。“柱”は実際のビルの柱の様に設え、ニュートラルな展示室に“少しの特徴を与えるもの”として配置。展示物としての“睡蓮”と“へちま”は、“柱”が空間側の要素であることを強調する地下1階、左:「無関係(柱)」、左手前:「無関係(睡蓮)」、右奥:「無関係(へちま)」 photo©中村竜治

中村竜治による、資生堂ギャラリーでの作品「無関係(柱、睡蓮、へちま)」。
放置と無関心を主題に制作されました。建築家は、“柱”を実際のビルの柱の様に設え、ニュートラルな展示室に“少しの特徴を与えるもの”として配置しました。また、展示物としての“睡蓮”と“へちま”は、“柱”が空間側の要素であることを強調します。展覧会の公式サイトはこちら※会期はすでに終了しています

同じメンバーで3年に渡り行われたグループ展「第八次椿会」の3年目の展覧会で制作したものです。
メンバー同士の話し合いの中で生まれた「放置」「無関心」というキーワードをもとに《無関係》という作品を制作しました。

建築家によるテキストより

それは2本の柱と2脚の椅子から成ります。これまで、1年目の壁を使った《関係》、2年目のロープを使った《ロープ》(杉戸洋と共作)と、作品と作品あるいは作品と鑑賞者の関係を積極的につくろうとする空間的な展示を行ってきました。
それに対し今回の作品は、空間に関するものであることには変わりはないのですが、関係を積極的につくろうとするものというよりは、ただそこにあるもの(無関係なもの)としてつくりました。

建築家によるテキストより

柱は、1本は大きい展示室の入口付近に動線を妨げるように、もう1本は奥の小さい展示室の中央に回遊動線をつくるように設置されています。太さや仕上げなどはこのギャラリーが入っている東京銀座資生堂ビルの実際の柱であるかのような設えとしていて、ホワイトキューブを目指してつくられたであろうニュートラルな展示室に少しだけ特徴を与えるものとしてあります。

一方、椅子は柱とは対照的に作品然としていて、柱の付近にいわゆる展示物として置かれ、柱が展示物というよりは空間側のものであることを強調するものとしてあります。そのように背景化された柱に対して鑑賞者は、他の作家や鑑賞者が何を感じどんなリアクションをとるのか?そこに関係が生まれるのか生まれないのか?生まれるとすればそれはどんな関係か?といったことを観察することになります。

建築家によるテキストより

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