



OMA / 重松象平の会場デザインによる展覧会「ルイ・ヴィトン『ビジョナリー・ジャーニー』」です。
大阪中之島美術館で開催されています。建築家は、ブランド遺産の“空間的な翻訳”として構想し、11のテーマギャラリーからなる計画を考案しました。また、空間を背景ではなく物語に関与する存在とする為に“メゾンのデザイン原則”からも着想を得ています。
会期は、2025年9月17日まで。展覧会の公式ページはこちら。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
OMA / 重松象平によるルイ・ヴィトン:ビジョナリー・ジャーニー展が大阪中之島美術館で開幕
このプロジェクトは、ビジョナリー・ジャーニーとして初めて美術館で展示されるものであり、OMA / 重松象平とルイ・ヴィトンとの継続的な協働パートナーシップの一環です。
大阪、2025年7月15日 — ルイ・ヴィトン:ビジョナリー・ジャーニーが一般公開されました。中之島美術館の2,200㎡にわたって展開され、11のテーマギャラリーが、相互に関連する4つのゾーンの中で、ルイ・ヴィトンのアイデンティティの基礎となる側面を伝えるように統制されています。4つのゾーンとは、歴史、タイムレスなコード、クラフトの背景にあるプロセス、文化的対話です。各部屋は、物語が連続して展開する中で異なる舞台として構想されており、メゾンの創造性の多様さを反映して空間の多様性を提供します。
OMAパートナーの重松象平は述べています。「今回、日本で初めて美術館で開催されるビジョナリー・ジャーニー展において、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションを継続できることを嬉しく思います。私たちはこの展覧会に、ルイ・ヴィトンのレガシーを空間的に翻訳するものとして取り組みました――それは、モノを通じた旅だけでなく、アイデアを通じた旅でもあります。展示構成は、トランクを単なる所持品の入れ物としてではなく、想像力や物語、文化的交流の器として称えています。日本における貿易とクラフトマンシップを世界へとつなぐ歴史的な役割を担ってきた大阪は、メゾンのアイデンティティ――クラフトの歴史から、絶えず広がり続ける再解釈の多様性に至るまで――を探求し伝えるのにふさわしい舞台を提供してくれました」
来館者は、館内に入るとまず、5層吹抜のアトリウムの天井から吊るされた8つの記念碑的なランタンに出会います。これらの彫刻的な柱は、モノグラム和紙で包まれたトランク状の形を、6つの構成で積み重ねています。高さ12.5メートルのランタンは、5層吹抜の空間の壮大な高さを強調しながら、やわらかな光を放ち、展示への歓迎的な最初の出会いを演出しています。
旅は、展示の入口に設けられたドラマティックな半球形のインスタレーションを通して続いていきます。138個の本物のトランクで構成され、ガラスの床に反射するこの構造物は、完全な地球儀を形作っており、探検というテーマへのオマージュとなっています。この自立構造は、トランク自体の構造的な強度のみによって支えられており、メゾンの構造技術を特徴づける強さと軽さのバランスを示しています。
展示全体を通じて、日本は重要なテーマ的役割を果たしています。ルイ・ヴィトンと日本に特化したギャラリーでは、ブランドと日本との間にある深い芸術的・文化的交流が探究されており、伝統的な衣装や武士の鎧からカワイイ文化に至るまで多岐にわたります。ルイ・ヴィトンの所蔵品および日本各地の美術館からの貸出品である、歴史的および現代のアート作品、衣装、オブジェが、畳を思わせるシンプルでモジュール式のプラットフォームを用いて丁寧に構成されています。
ルイ・ヴィトンの創造的な遺産と独自のコードは、それらの進化をたどる各部屋で探究されています。「Origins(起源)」の部屋では、ブランドの歴史における6つの時代が、本物の竹を手織りして作られた特注の骨組みの上に編み込まれています。このバスケットのような構造は、ルイ・ヴィトンと日本文化のあいだで共有されているクラフトマンシップへの敬意を物語っています。アイコニックなモノグラム・キャンバスは、2つのギャラリーで探究されており、日本からの物品を含む初期の開発とインスピレーションから、クラシックおよび現代的な応用に至るまでが紹介されています。