村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所による、大阪府豊中市の住宅「赤い別邸」と、実際に訪れた建築家たちの感想

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村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所による、大阪府豊中市の住宅「赤い別邸」と、実際に訪れた建築家たちの感想

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all photos(C)市川靖史

村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所が設計した、大阪府豊中市の住宅「赤い別邸」です。

今記事では作品のみの紹介ではなく、 実際に訪れた建築家たちの感想も合わせて紹介します。ムトカが人選し依頼した、花田佳明・島田陽・木村吉成ら9人の建築関係者が感じた「赤い別邸」と、設計者ムトカによるテキストを併記する事で、多方向からの視点にて、作品を捉えることを試みています。

※以下の写真はクリックで拡大します

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■ムトカ建築事務所によるテキスト

赤い別邸

母娘のための別邸である。敷地は南北に長く北側前面道路から1.2m上がった場所で、北側は向かいの家の生垣が激しく生い茂り、南側は琉球アサガオが絡むフェンスに囲まれた児童公園がある。そこで南北の耐力壁を二重(構造用合板+105角柱+構造用合板+105角柱+構造用合板)にし、壁倍率を7.5倍(2.5倍+5.0倍)とすることで大きな開口を開けた。そして二重壁の内外で開口形状を変えることで、南側は直径2mの丸窓を、北側は横2.2m×縦3.6mの大きな窓を設けた。これら南北2つの特徴的な窓をもった南室と階段室に挟まれた4m角の立方体の広間。この広間を通常の暮らしとは少しだけ違う幾ばくかの高揚感を得られる空間とし、サロンや音楽室などに使用する。
外観は壁も屋根も雨樋も赤。それは周辺の緑に対して補色の赤であり、別邸であることの特別感としての赤であり、古い町並みに馴染むための赤である。この赤い家が慣習的な風景に変わりつつある街にいい影響を与える。そんなストーリーを想い描いている。
 

■実際に訪れた建築家たちの感想(50音順)

赤い別邸は、構造・赤・大きな窓・夜の眩しさなど、大人しくないのが、好きです。
階段の手すりの支え方や踊り場の切欠きが、はじめは不思議でしたが、室内から見ると手すり子が手前に出てリズムよく、夜は外から窓を見上げると、 踊り場の存在感が、奥の光や丸窓をより遠くに感じさせました。
そして開口から見える色彩は鮮やか!屋根の青、電線の黄、朝顔の紫緑、丸窓がくり抜く夕陽。その中で外観の赤色は、自然で楽しげです。
階段も色彩も、過ごすうちに視点が変わり、生き生きと見えてきました。
(大島彩/青木淳建築計画事務所)
 

建物全体を通底する建築的思考に通常は使わない構成の原理を持ち込むのが青木淳的なのかな、でもその純度を積極的に落としていくような、記号的なエレメント操作があって、元の構成原理から大きく離れたところに着地している印象。あの建物が僕の初ムトカなんだけど、青木さんの「オーバードライブ」と も違った思考を使ってる気がしました。
(木村吉成/木村松本建築設計事務所)
 

外観の赤と室内のベージュ、公園の緑と空の青が印象的な住宅で、微妙な色使いは青森美術館のトイレから続く村山さんの重要なテーマであり武器に育ちつつあるのだろうな。
(島田陽/タト・アーキテクツ)
 

中に入ると、外の庶民的な感じに覆い隠された大きな空気の塊があって、ぽかんと眺めてしまう感じです。 和で、空気がいっぱい入ってて、「庶民的」なので、ふ菓子みたいだなと思いました。
(白須寛規/designSU)
 

出桁の庇、窓、階段、高い天井、つながらない床の唐突な隣りあわせが、
どこに身を置いてもどこかとの間にいるような、窓の外の世界とも離れていくような、ニュートラルな状態をつくっているように感じました。
(徳田慎一/徳田慎一建築設計事務所)
 

外部階段を内部化し、そのまま二階への階段を開口に寄せた赤い別邸の立面は、本当に発明だと思います。街路から見たときの、只者じゃない佇まい、大好きです。
(虎尾亮太/隈研吾建築都市設計事務所)
 

十三の商店街あたりで買ったこしあんのおはぎを三つに切って、母と娘で食べたら一つ余った、という住宅。なんかそういう小さな幸せ感とかお得感とかしっとり感。
(西澤徹夫/西澤徹夫建築事務所)
 

建て込んだ住宅地の風景と、「別邸」という特殊な条件とに上手く応えたデザインだった。
玄関に入ってすぐの、床が持ち上げられて天井の高い空間にはダイニングテーブルが置かれるのだろうが、照明がペンダントではなく天井面にあり、手摺もないので、不思議な浮遊感が生まれそう。
逆に一番上の寝室は高々と持ち上げられていながら落ち着いている。
全体にそんな不安定な高貴さのような気配が漂っていて、興味深い。
もちろんそういう空間だからこそ「別邸」になり得るのだろう。
そのあたりがとてもうまい。
「丘を越える」ような断面からは前作の「N邸」を思い出した。
花田佳明/神戸芸術工科大学教授/ツイッターの感想を一部修正)
 

RED HOUSEは、「住宅」を「建築」にするためにしなければならないことが数多く検討されていることに感心しました。平面の3分割と対象軸は既に前作で試みられているので、何か新しい展開があるのではないかと探しました。私は、この住宅の中心にある4m×4m×4mの空間と合わせて南側の壁に開いた「正円の穴」が気になりました。南面と北面に全く同じ「正方形の穴」を配置した上で、南側の内壁にだけ「正円の穴」隣接させています。この「正円の穴」によって外部と内部の境界を現前化させる操作はとても建築的と言えます。
(久冨敏明/神戸芸術工科大学准教授)

■建築概要
建物名称:赤い別邸
所在地:大阪府豊中市
用途:専用住宅
設計:ムトカ建築事務所 担当/村山徹 加藤亜矢子 
構造:坂田涼太郎構造設計事務所 担当/坂田涼太郎 西野祐介
敷地面積:65.48m2
建築面積:33.58m2
延床面積:71.10m2
設計期間:2013.3-2013.11
工事期間:2014.4-2014.10
写真:市川靖史


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