元木大輔 / Daisuke Motogi Architectureによる、東京・港区の、レンタルキッチン・ショールーム「Nishiazabu Building Conversion」

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元木大輔 / Daisuke Motogi Architectureによる、東京・港区の、レンタルキッチン・ショールーム「Nishiazabu Building Conversion」

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all photos©長谷川健太

元木大輔 / Daisuke Motogi Architectureが設計した、東京・港区の、レンタルキッチン・ショールーム「Nishiazabu Building Conversion」です。

このプロジェクトの既存建物は、1986年に建てられたいわゆるバブル建築だ。

100㎡程度の1階にはホテルのような回転扉がついているし、フロアの1/3は吹き抜けのホール。 そのホールには僕らなら絶対に選ばないような派手なモザイクタイルが貼ってある。そして袖壁には金のラインがこれみよがしに入っている。でも、そんなテンションの高さが少し羨ましくも思えた。少なくとも当時全力で楽しんで作った感じがするし 正しさや合理性やコストといった判断でないところで決められた大袈裟な仕様がなんだかとても豊かにも思えた。

これを「バブルの感じね」と嘲笑うことは簡単だし、例えばホールを真っ白に塗りつぶしたり回転扉を壊してしまうといった選択肢も考えたのだけれど、目の前にある大袈裟な意匠を無かったことにするのはどうも違う気がする。当時全力で楽しんだであろうそのエントランスホールを、何とかしてもう一度楽しむことはできないだろうか。そこで考えたのは、実際にはエントランスホールには手を加えずに、 隣に置かれるものでその印象をコントロールすることができるのではないだろうか、ということだ。

そして最後に、冗談のような回転扉に対してはもうひとつ冗談のような立派な古松を置くことにした。シーソーで言えば完全に片方に重心が持って行かれてしまっているので、カウンターウェイト的にバランスが取れるのではないか。

同じ色でも、隣り合うものによって見え方が変わる。グラフィックデザインでは当たり前の考え方だけれど、目の前の建物を出来るだけ否定せずに楽しむための方法としては有効であるように思う。

※以下の写真はクリックで拡大します

以下、建築家によるテキストです。

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このプロジェクトの既存建物は、1986年に建てられたいわゆるバブル建築だ。

100㎡程度の1階にはホテルのような回転扉がついているし、フロアの1/3は吹き抜けのホール。 そのホールには僕らなら絶対に選ばないような派手なモザイクタイルが貼ってある。そして袖壁には金のラインがこれみよがしに入っている。でも、そんなテンションの高さが少し羨ましくも思えた。少なくとも当時全力で楽しんで作った感じがするし 正しさや合理性やコストといった判断でないところで決められた大袈裟な仕様がなんだかとても豊かにも思えた。

これを「バブルの感じね」と嘲笑うことは簡単だし、例えばホールを真っ白に塗りつぶしたり回転扉を壊してしまうといった選択肢も考えたのだけれど、目の前にある大袈裟な意匠を無かったことにするのはどうも違う気がする。当時全力で楽しんだであろうそのエントランスホールを、何とかしてもう一度楽しむことはできないだろうか。そこで考えたのは、実際にはエントランスホールには手を加えずに、 隣に置かれるものでその印象をコントロールすることができるのではないだろうか、ということだ。

床面積の1/3を締めていたエントランスホールの、派手なモザイクタイルの床とイタリア漆喰風の壁、そして回転扉はそのまま残したい。
隣り合う面の色は白だとコントラストが強すぎる気がしたので、少し彩度を落としグレーにしてみる。グレーの質感は、既存の壁になぞらえザラザラの質感が良いと思い一般的な木造住宅の外壁によく使われるリシンを吹き付けた。
ホールから見えるキッチンの中心にある大きなテーブルは、どんと大きい方がパースが強調されて良い。でも、求められている人数を素直に作ると約4m近いテーブルが必要だった。家具にしては大きすぎるスパンなので、ここでも一般的な在来工法の木造の材料を使うことにした。家具としては大きすぎるそのスケールも、建築として考えればそう大きくない。接合部は銅メッキしたボルトと金物を使用して、安く一般的な材料を使いながら見え方に変化をつけている。キッチン奥のカウンターも一般的な床のような作り方をした。そして最後に、冗談のような回転扉に対してはもうひとつ冗談のような立派な古松を置くことにした。シーソーで言えば完全に片方に重心が持って行かれてしまっているので、カウンターウェイト的にバランスが取れるのではないか。

同じ色でも、隣り合うものによって見え方が変わる。グラフィックデザインでは当たり前の考え方だけれど、目の前の建物を出来るだけ否定せずに楽しむための方法としては有効であるように思う。

■建築概要
Nishiazabu Building Conversion
Client: KOMORI / DAQ
Location: Minato-ku,Tokyo
Usage: Rental Kitchen / Showroom
Architects: Daisuke Motogi Architecture
Project Team: Daisuke Motogi / Yousuke Itoh
Construction: Kogazo
Furniture Production: E&Y
Floor area: 147.47m2
Date of completion: Sep/2017
Photo:Kenta Hasegawa <http://o-f-p.jp/>


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