SHARE 村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所による「tsugiki」
村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所による戸建住宅の改修「tsugiki」です。
以下、建築家によるテキストです。
tsugiki
多摩川近くにある築10年あまりの戸建住宅の改修です。改修といえば、床、壁、天井に手を加えることで全く別のものに仕立てる手法が一般化していますが、そうではない改修のあり方があるのでは、と考えました。
植物の栄養繁殖の技法に「接ぎ木」という技法があります。植物体の一部分を他の個体に接着し両者を癒合させることで植物の成長を促す技法です。この改修では、建築に建築を「接ぎ木」することで、その見えと価値を改修することを試みました。
具体的には、プロヴァンス風住宅という強い個性をもった建物に、別の強い個性をもったプランターテラスとプランター庇を「接ぎ木」しています。そうすることで、これまで一見キッチュに見えていた建物をまったく別の見えと価値をもったものにしています。
建物に合わせる植物として、サボテンをメインとした多肉植物を選びました。そして芝生のように見える緑色の石を敷きました。
このテラスは、家の出入りの際にいつも目に入ります。そして、家族が集まるリビングの窓から見える風景もまた、植物たちによって改修されています。
■建物概要
建物名称:tsugiki
所在地:東京都世田谷区
用途:専用住宅
設計:ムトカ建築事務所 担当/村山徹 加藤亜矢子
構造協力:坂田涼太郎構造設計事務所 担当/坂田涼太郎
植栽:叢 担当/小田康平
表札フォントデザイン:乗田菜々美
家具:インターオフィス 担当/渡邊淳
コーディネーター:島田陽
敷地面積:86.57m2
建築面積:33.41m2
延床面積:95.80m2
設計期間:2012.7-2012.8
工事期間:2012.9-2012.10