中村誠宏+A-ASTERISKによる国黒竜江省の住宅開発「大慶都市左岸」

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中村誠宏+A-ASTERISKによる国黒竜江省の住宅開発「大慶都市左岸」

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photo(C)廣松美佐江

中村誠宏+A-ASTERISKが設計した国黒竜江省の住宅開発「大慶都市左岸」です。

※以下の写真はクリックで拡大します

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以下、建築家によるテキストです。

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大慶都市左岸

夏の最高気温が30度、冬の最低気温がマイナス40度近くになる中国黒竜江省大慶市。大慶都市左岸は市中心部を南北に貫く黎明河の東岸に位置し、主に低〜中所得層に向けて少しでも良質な住宅を提供することを意図して進められた、延床面積20万m2に及ぶデベロッパー主体の住宅開発である。全体開発の際に建築形式として求められたのは、商品住宅としては「3階建の戸建住宅を2つ連結して1棟を形成させたような双拼というタイプ」「6階建ての多層と言われるタイプ」「17階建てや27階建てといった高層」の3つであり、そのほかに幼稚園、体育館、商店などの付帯施設である。

敷地の入口は北側と東南角にあり、メインの北側の敷地入口より入ると、外来者も使用する体育館が正面に待ち受けている。体育館の側面を抜けると居住エリアに入り、南北に貫くメインの通りであるカーブを描く並木道を通り、各住戸棟へと向かう。

全体の棟配置においては、双拼は商品価値が最も高く購入者層が他と大きく異なるため、日照条件の最も良い敷地の東側および南側に配置し、多層と高層は採光を考慮して全ての多層と高層を南面させた並列配置をしており、高層の棟を北西角に集中させることで、より多くの住戸が川岸の開けた景観を享受できるようにしている。

多層と高層各棟の平面計画は、階段とエレベータのコアに対し2戸の住戸がブドウの房のように配置される単元式という方式を採用し、全住戸が南面北面するようにした。これは中国の「室内の通気を重視する習慣」を踏まえてのことでもある。また冬期寒冷対策のため、複数の単元を複数連結して一棟の建築にすることで妻側壁面からの熱逃げを減らし、ガラス開口部のある南北面については、プロテクトラインと名付けた縦に延ばした帯状の壁を開口面から550ほど飛び出させて連続配置し、東西に吹き抜ける強風が開口部から室内の熱を奪っていかないようにした。プロテクトラインの中央にはスリットを設けてあり、高温度差による破損防止のために室外配管にする必要のある雨水管を仕込んでいる。

熱逃げ防止を目的としてつくったプロテクトラインが外立面に幾層にも重なって現れるようすは、1棟の外観をつくりだすだけでなく、全棟が一体になって新しい景色を生みだしている。

※1
中国における一般的な居住習慣は日本といくらか異なっており、そのため商品としての住宅もさまざまな点で日本と異なっている。一部の都市や条件などを除いた一般的項目を例に挙げる。

・住戸内の風の抜けを重視する
・購入面積は共用部面積も含むため、住宅購入者の使用率に対する関心が高い
・調理で油を多く使用するためオープンキッチンは敬遠される
・料理は炒め物が多く、調理のためガスは必須
・ガスを使用する台所は爆発時の安全を考え、法規上外気に面するよう定められている
・衛生上、トイレの下階に居室を配置することは法規上認められない
・6階以下の住宅はエレベータを設置しなくとも良い
・バスタブに浸かるよりシャワーが一般的
・玄関で靴を脱ぐが一上がり框はない
・安全やプライバシーのため共用廊下に向けて窓を空けない
・スケルトンでの引き渡しが多い
・100m2程度の住宅では日照時間3時間以上を確保できる部屋が最低1つ必要
・一定規模を越える場合、幼稚園など公的施設を付帯させる必要がある
・家族が暮らすような住宅地区では、社会的安全を考慮し、塀で全体を囲うのが一般的

などがある。これらは快適性や生活習慣といった理由だけでなく、現代中国特有の「貧富差による危険性」や
「他人に対する不信」そして「技術に対する不信」といった問題が根源にある。

■建築概要
建築設計    :中村誠宏 + A-ASTERISK
(担当:中村誠宏、秦屹、滋埜悠司、王文平)
        :黒龍江省林業建築設計院
(担当:董長征、常玉婷、張少華、林平、焦有芬、王慧杰)
外構設計    :A-ASTERISK
(担当:中村誠宏、秦屹、滋埜悠司、王文平、※賀増才)
        :カネミツヒロシセッケイシツ(基本設計)
(担当:金光弘志)
        :SEA BASS(基本設計)
(担当:鈴木千穂)
照明設計    :ぼんぼり光環境計画
(担当:角館政英、野沢潤一郎)
サイン     :氏デザイン
工事期間意匠監修:A-ASTERISK(担当:中村誠宏、秦屹、滋埜悠司、王文平、※賀増才)
写真撮影    :廣松美佐江
建築主     :大慶澳龍房地産開発有限公司
敷地面積    :164,103m2
延床面積    :200,413.5m2(うち地下13,082.27m2)
容積率     :1.14(許容1.15)
建坪率     :16.6%(許容20%)
最高高     :82.3m
用 途     :商品住宅、商業、体育館、幼稚園
構 造     :RCラーメン構造、RC及びレンガブロック併用構造(3階建て住宅)
住戸総数    :1545戸
設計期間    :2010年4月~2013年11月
工事期間    :2011年8月~2014年2月

※元所員

■添付資料
配置図
双拼平面図
多層標準階平面図
竣工写真


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