SHARE 岩瀬諒子による「木津川遊歩空間アイデアデザインコンペ」の最優秀賞案
以下、建築家によるテキストです。
一級河川木津川 遊歩空間整備事業
「対話する浜」をとりもどす
本提案では、「だんだんばたけ」というひな段状の構造によって柔らかなランドスケープをつくること、そこに「畑」や「マーケット」といったプログラムを挿入することによって、水辺をとりまくさまざまなものの対話の空間を取り戻すことを目指した。
敷地は、大阪市内を流れる木津川で、西区の松島橋から大渉橋に至る左岸に新たに整備される遊歩空間。対象範囲は延長240mである。近世において、「浜」とよばれ、物流の要所として栄えた場所である。そこは、自然とまちがとけあう場であり、職住連帯的なコミュニケーションの場であった。
そこで、水と大地の拮抗がつくりだすやわらかな水辺の境界や、人と人とのつながりから生まれる風景など、水、まち、ひと、光、様々なものの関係性の中で育まれる交歓の空間の復興を目指した。失われた自然や環境、人との対話の関係といったものに対し、示唆的なデザインができないかという試みである。
今後、地域ワークショップを経て、2015年度に竣工を目指す。
■建築概要
所在地:大阪市西区
施主:大阪府
敷地面積:3400㎡(広場部分込)
構造:鉄筋コンクリート造
着工:2013年度予定
竣工:2015年度予定