濱田猛 / HAMADA DESIGNが設計した、滋賀・甲賀市の住宅「丘上の平屋 ひとつ屋根の下」です。約2000㎡の敷地内の市街を一望する丘に建物を配置、大屋根下に諸機能を3つに分け独立させ“縁側”等の伝統的日本家屋にある要素を用いる事で、内外を行き来できる豊かな住居が構想されました。
敷地は滋賀県甲賀市、甲賀忍者で知られるこのエリアは江戸時代には城下町として栄え今でも歴史ある建物が散見される。
天平年間に建立された大池寺の境内を背景に持つ約2000㎡の丘のような場所に平屋の二世帯住宅を計画した。
丘上からは南側に甲賀市街が一望でき、敷地も十分な広さがあるため、東西に細長い長方形状とし必要な機能を3つに分けて独立させ、それぞれを南面させる計画とした。
3つの機能
①共同で使うキッチンや浴室と親世帯の寝室をまとめた「主屋」
②子世帯の寝室と最低限の水回りをまとめた「ハナレ1」
③ゲストのための「ハナレ2」
上記の独立した3棟に共通の大屋根を架けた。東西南北全てに大きく軒を張り出した全長36.4mの大屋根と、同じ投影線まで造られた縁側が、分散配置された3棟の「つなぎ」の役割を果たす。南面したそれぞれの部屋からは1間サイズの大きな間戸を介して縁側に繋がる。「軒下」・「縁側」・「間戸」という伝統的な日本家屋で使われてきた要素を現代の住宅に復元した。一方、構造的には棟木無しの登り梁方式としており、ここでは現代の特殊金物が役割を果たしている。