庄司光宏 / UCHIDA SHANGHAIによる、中国の「上海・愚園路にある築100年の住宅改修」。無造作に手が入った住宅の改修計画、階段室を光で満たし生活の中心とする事を目指して、空間を刷新する変則螺旋階段を考案。天窓からの光は日常の変化を届ける役割も担う
photo©Eiichi Kano

庄司光宏 / UCHIDA SHANGHAIによる、中国の「上海・愚園路にある築100年の住宅改修」。無造作に手が入った住宅の改修計画、階段室を光で満たし生活の中心とする事を目指して、空間を刷新する変則螺旋階段を考案。天窓からの光は日常の変化を届ける役割も担う

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庄司光宏 / UCHIDA SHANGHAIが設計した、中国の「上海・愚園路にある築100年の住宅改修」です。
無造作に手が入った住宅の改修計画、階段室を光で満たし生活の中心とする事を目指して、空間を刷新する変則螺旋階段を考案。天窓からの光が日常の変化を届ける役割も担う事も意図されました。

上海の愚園路に位置する築100年の長屋形式の住宅の改修である。
近年この界隈は老房子(古い家)を改修したカフェやアパレルが目立ち若者を中心に注目されているエリアである。この住宅はそんな賑やかな通りから小道に入った場所に存在する。

建築家によるテキストより

元々イギリス租界であった雰囲気は街区に少し残っているが住宅自体は長い年月様々な住人に無造作に改築された状態であった。
当然現状図面などなく幾度も現地調査し躯体の状態を確かめながら設計も慎重に行なった。

南側部分と中央光庭部分の床面積確保のため増築された部分を元に戻し、薄暗い階段室を光あふれる生活の中心に出来ないかと設計スタディを開始した。既存の階段は全て撤去し階段の配置計画から再考した。

建築家によるテキストより

南側と北側の居室にはもともとスキップフロアの段差があり居室自体も連続できるのではないかと階段スタディを重ねた結果変則螺旋階段の案を採用することにした。鉄板の螺旋階段の構造体は10mm鉄板の曲げで構成されていて工場で3分割で制作し搬入後現場溶接と現場塗装で連続する鉄板意匠を実現、この空間の中でも最も力強い要素となっている。固定に関しては鉄骨の補強を壁面内に設置し隠蔽、階段の浮遊感を無くさないよう心がけた。

建築家によるテキストより

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以下、建築家によるテキストです。


上海の愚園路に位置する築100年の長屋形式の住宅の改修である。
近年この界隈は老房子(古い家)を改修したカフェやアパレルが目立ち若者を中心に注目されているエリアである。この住宅はそんな賑やかな通りから小道に入った場所に存在する。

元々イギリス租界であった雰囲気は街区に少し残っているが住宅自体は長い年月様々な住人に無造作に改築された状態であった。
当然現状図面などなく幾度も現地調査し躯体の状態を確かめながら設計も慎重に行なった。

南側部分と中央光庭部分の床面積確保のため増築された部分を元に戻し、薄暗い階段室を光あふれる生活の中心に出来ないかと設計スタディを開始した。既存の階段は全て撤去し階段の配置計画から再考した。

南側と北側の居室にはもともとスキップフロアの段差があり居室自体も連続できるのではないかと階段スタディを重ねた結果変則螺旋階段の案を採用することにした。鉄板の螺旋階段の構造体は10mm鉄板の曲げで構成されていて工場で3分割で制作し搬入後現場溶接と現場塗装で連続する鉄板意匠を実現、この空間の中でも最も力強い要素となっている。固定に関しては鉄骨の補強を壁面内に設置し隠蔽、階段の浮遊感を無くさないよう心がけた。

階段室はトップライトと東側のガラスブロックからの自然採光により日常に光の変化を届ける重要な装置であり部屋から部屋へと移動する際の分岐点として設計している。

家具には炭化した19mmの竹集成材と3mm鉄板の組み合わせを基本とし古材フローリングとのコントラストを狙い新しさの中にも繊細なニュアンスを表現したかった。

施主のアートコレクションが映えるよう壁面はトーンを抑えたモルタル塗装で仕上げた。
巾木は15mmx15mmのLアングル、スイッチは真鍮のトグルスイッチを使用するなどディテールはミニマム過ぎず素材感を優先した。

この住宅の中での力強さと繊細さは新しく導入された螺旋階段によって生活に還元されていくだろう。

■建築概要

デザインカンパニー:uchida shanghai
デザイナー:庄司光宏
用途:個人住宅
解説文執筆者:庄司光宏
場所:中国・上海市愚園路
延床面積:190㎡
設計年:2019年~2021年
写真家:Eiichi Kano

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁

特色モルタル塗装(上海衆仁塗装工程)

内装・床

Venice,Plank(imondi

内装・壁

特色モルタル塗装(上海衆仁塗装工程)

内装・造作家具家具

19mm竹集成材(uchida shanghai

内装・キッチンキッチン

bulthaup

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません


A 100-year-old house in Shanghai converted by a sculptural spiral staircase
This is a renovation of a 100-year-old tenement-style house located on yuan road in Shanghai.
In recent years, this neighborhood has been attracting attention, especially among young people, for its cafes and apparel shops that have been renovated from old houses. This house is located in a quiet area, just a few blocks away from the busy street.
Although some of the atmosphere of the former British Concession remains in the neighborhood, the house itself has been haphazardly remodeled by various residents over the years.
We began designing the house by restoring the additions to the south side and the central light garden in order to secure floor space, and to make the dimly lit staircase room the center of light-filled living.
The rooms on the south and north sides of the staircase had originally been built on skipped floors, so we decided to adopt an irregular spiral staircase as a result of repeated staircase studies to see if the rooms themselves could be made continuous.
The structure of the steel plate spiral staircase is made of 10mm steel plates, which were fabricated in 3 sections at a factory, and after delivery, on-site welding and on-site painting were done to realize the continuous steel plate design.
The steel reinforcement was installed in the wall to conceal the staircase and to keep its floating appearance.
The stairwell is an important void that brings light into the daily life by natural lighting from the top light and the glass block on the east side, and is a junction point for moving from room to room.

The furniture is made of 19mm carbonized laminated bamboo wood and 3mm steel plate, which contrasts with the old wood flooring and expresses nuance in newness.
The walls are painted in a subdued mortar finish to show off the client’s art collection.
The skirting boards are 15mm x 15mm L-angles, and the switches are brass toggle switches.
The power and delicacy in this house will be brought back to life by the newly introduced spiral staircase.

A 100-year-old house in Shanghai
design company: uchida shanghai
designer: mitsuhiro shoji
project type: private residence
author of design description: mitsuhiro shoji
location: yuan road shanghai china
area: 190 sqm
design time: 2019 – 2021
photographer: Eiichi Kano

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街づくりと密接な関わりの中で設計を行う「TOASt一級建築士事務所」の、設計スタッフ(経験者・新卒既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

プロジェクト拡大に伴い新規スタッフを1-2名程度募集します。

『TOASt一級建築士事務所について』

私たちは現在、神奈川県川崎市登戸を拠点に様々なプロジェクトに取り組んでいます。
複合ビルや、オフィス、住宅(新築, リノベーション共)等の設計プロジェクトに取り組みながら、街づくり会社と連携をし、それぞれのプロジェクトに対し不動産的な観点を含めた設計の与条件の部分から関わることで、街づくりを意識した活動を行なっています。

現在、私たちの事務所で携わっているプロジェクトの多くは事務所を構える登戸エリアが多く、そのエリアで今年から2棟の新築複合ビルの設計が始まっています。このエリアは川崎市の進める区画整理事業によって道路が引き直され、今後5年程度で多くの建物が建て替わり一新される予定の街です。それは建物だけでなく、商店街の道や公園といった街のインフラも今後、変わることが予定され、それらをどのように変えていくかということについても提案が求められています。

そのような状況の街の中で今後も複数のプロジェクトがこの街において想定されることから、現実の街づくりと建物の設計が密接に関わるような状況の中で設計を行うことになります。
建築の設計と同様に街づくりに興味がある人にとっては、プロジェクトを通して街と建築物の関わりをよりリアルに捉えることができると思います。

その他にも、現在、住宅のリノベーションプロジェクトが複数進行中で、今後、住宅やオフィス、ホテル、工場の新築なども年内に設計が始まる予定がある為、様々な種類の規模や用途の建物の設計を短期間で経験することができると思います。

私たちは立場や経験に関わらず、フラットでオープンな対話の環境を作ることで、プロジェクトの可能性を最大限に引き出していく働き方を目指しています。

現在は夫婦で設計活動をしており、まだ小さな事務所のため、設計スタッフはより主体的にプロジェクトに携わることが求められると思いますが、プロジェクトの立ち上がりから、クライアントとの打合せ、ディテールの設計、現場監理といった建物を作るプロセス全体を短期間で経験することが可能です。
また、プロジェクトでは多彩な他分野の方々と協働し新しい成果を生み出すことにも積極的に取り組んでいるので、幅広い人間関係もつくることができます。

設立してからまだ3年の若い事務所なので、私たち自身もまだまだ発展途上にあります。
そのため、何かを私たちが教えるというよりは私たちの事務所の成長に一緒に併走してくれるようなそんな意欲のある方に来ていただければ嬉しいです。

田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOによる、神奈川・鎌倉市の、旅館併用住宅「岸家」。海沿いの住宅密集地に建つ1日1組限定の宿泊施設の計画、周辺環境を活かし運営理念の具現化を目指して、二棟の建物と庭園からなる構成を考案。棟貸し形式はコロナ禍での社会的需要にも応える
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田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOが設計した、神奈川・鎌倉市の、旅館併用住宅「岸家」です。
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由比ヶ浜沿いの旅館併用住宅。
施主は以前都内で古い日本家屋に住み副業として余った「客間」を民泊運営していた若い夫婦。今回は本業として場所を鎌倉に移し本格的に住みながら饗す為の場所を求めた。

建築家によるテキストより

敷地は短辺が海に面した住宅密集地。小さな母屋と離れを計画し庭園を中央に配置。分棟とする事で棟貸しとし、海と庭園を交互に体験出来る動線とした。一方母屋の一階は建物越しに海を臨む事の出来るダイニングとし二階のみが施主の為の居住空間。

建築家によるテキストより

夫婦にとって建物はゲストを饗し対価を得る唯一の糧であり、家を建てる事は大きな賭けだった。その切実さから家の殆どがゲストの為に奉仕する場所となり、「客間」が肥大化したような建築となった。

建築家によるテキストより
MVRDVによる、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」。6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間を設計
MVRDVによる、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」。6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間を設計 image©MVRDV
MVRDVによる、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」。6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間を設計 image©MVRDV
MVRDVによる、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」。6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間を設計 image©MVRDV
MVRDVによる、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」。6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間を設計 image©MVRDV

MVRDVが設計している、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」です。
6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間が設計されました。

こちらはリリーステキストの翻訳

MVRDV、エクアドルのプエルト・サンタ・アナで緑豊かな公共緑地帯を持つ住宅タワーを設計

MVRDVは、南米での最初のプロジェクトであるザ・ヒルズのデザインを公開しました。キトを拠点とするデベロッパーUribe Schwarzkopfのために設計されたこのプロジェクトは、エクアドル・グアヤキルのグアヤス川岸に位置しています。このプロジェクトは、グアヤキルの様々な風景にインスパイアされています。広大な川と近くの山々、海岸線に建つモダンな高層ビルとサンタアナ丘のカラフルな丘陵地の集落など、グアヤキルに見られる多くの並置されている風景がデザインに反映されています。

ザ・ヒルズは、グアヤキルのスカイラインに新たなドラマを加えます。このプロジェクトはプエルト・サンタ・アナに位置し、街のウォーターフロントの大部分に沿って徐々に整備されつつある大通りを延長しています。高さ92mから143mの6棟の住宅タワーは、川沿いから離れるにつれて高くなり、ウォーターフロントから背後の丘へと街が「ステップアップ」していく様子と呼応しています。

プロジェクトの基礎部では、タワーが合体して段々畑のような緑の谷を形成し、プールやスポーツフィールド、川岸に面した大きな都市型円形劇場など、豊かな自然植物に囲まれたオアシスのような場所となります。その中には、ショップや大規模なコミュニティクラブハウスなどのアメニティが用意されています。川に最も近い4つのタワーと、開発の後方にある2つのタワーの間には、より深い「渓谷」があり、店舗用のスペースを追加し、歩行者が地上レベルで敷地を横断するためのルートを作り、同時に2段階での建設も可能にしているのです。

MVRDVの設立パートナーであるヤコブ・ファン・ライスは言います。
「この複合施設は、それ自体がひとつの都市であり、さまざまな高さのタワーが並んでいるため、ミニスカイラインのようでもあり、また遊歩道沿いの大きなスカイラインの一部にもなっています」
「私たちにとって重要だったのは、このプロジェクトが単なる都市の中の島ではなく、他の人々にもアクセスを提供し、公共の台座という形で何かを還元することでした。そのため、このプロジェクトは、人々が行き交うとてもエキサイティングな空間であり、友人と出会える場所でありたいと願っています。同時に、タワーの特徴であるバルコニーは、日差しや雨を防ぐだけでなく、緑のためのスペースでもあります」

プロジェクトの外周部には、近隣の高層ビルのビジュアル言語を反映した白いバルコニーを直交する直線で配置したファサードがデザインされています。しかし、タワーとタワーの間のヴォイドに面したファサードは、このプロジェクトにまったく異なる性格を与えています。直線のバルコニーから、流れるようなカーブを描く不規則なセットバックとオーバーハング、低層部のアースカラーから徐々に空に近い明るい色へ、そしてどの階でも豊かな緑がバルコニーに沿い、谷間の雰囲気とそれを取り巻く「丘」の頂上が広がっているのです。

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