大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツ が設計した、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」です。
施主の実家を新居に再編する計画です。建築家は、社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向しました。そして、生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入しました。
平成元年に建った木造住宅と鉄骨造車庫の改修計画。施主はこの家で育ち、親元を離れ、世帯を持ち、また思い出の残るこの家で暮らすことを決めた。新たな夫婦と小さな子供のために古くなった実家を新たな住まいとして再編した。
平成から令和になって、社会を取り巻く状況は一変した。働き方改革や未曾有の感染症の拡大により、家にいる時間は多くなり、住宅に求められる居場所の質が変わってきているように思えた。リモートワークなどで一日中家にいると無性に外へ出たくなることがある。人間が生活する範囲と、家が囲いとる空間の輪郭には大きな隔たりがあるのかもしれない。しかし以前のように積極的に外出できる状態に戻るとは断言できない。そのため生活の場である「ウチ」とは別に精神的な「ソト」へと誘う仕掛けがこの時代の住宅には必要だと感じた。
家の中で多くの時間を過ごす場所が必然的に「ウチ」の要素が濃くなってくる。居間や寝室は毎日使う家具や思い入れのある雑貨が並び、生活感のある風景を作り出す。一方で廊下や階段は、家の中ではあるが部屋の「ソト」として気持ちのスイッチが切り替わる。また、遠くに見える景色や、時間を横断する記憶へのアクセスも今いる場所から遊離できる。そのような「ソト」に新たな居場所の可能性を感じた。
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大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 image©デザインオツ
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 image©デザインオツ
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 image©デザインオツ
以下、建築家によるテキストです。
平成元年に建った木造住宅と鉄骨造車庫の改修計画。
施主はこの家で育ち、親元を離れ、世帯を持ち、また思い出の残るこの家で暮らすことを決めた。新たな夫婦と小さな子供のために古くなった実家を新たな住まいとして再編した。
新たなライフスタイルと家の中
平成から令和になって、社会を取り巻く状況は一変した。働き方改革や未曾有の感染症の拡大により、家にいる時間は多くなり、住宅に求められる居場所の質が変わってきているように思えた。リモートワークなどで一日中家にいると無性に外へ出たくなることがある。人間が生活する範囲と、家が囲いとる空間の輪郭には大きな隔たりがあるのかもしれない。しかし以前のように積極的に外出できる状態に戻るとは断言できない。そのため生活の場である「ウチ」とは別に精神的な「ソト」へと誘う仕掛けがこの時代の住宅には必要だと感じた。
精神的な「ソト」
家の中で多くの時間を過ごす場所が必然的に「ウチ」の要素が濃くなってくる。居間や寝室は毎日使う家具や思い入れのある雑貨が並び、生活感のある風景を作り出す。一方で廊下や階段は、家の中ではあるが部屋の「ソト」として気持ちのスイッチが切り替わる。また、遠くに見える景色や、時間を横断する記憶へのアクセスも今いる場所から遊離できる。そのような「ソト」に新たな居場所の可能性を感じた。
既存の躯体とラフなディテール
今回の改修では既存住宅をスケルトンの躯体の状態に戻し、内外装は新たに仕上げる計画とした。新しいピカピカの仕上げと既存の傷が残る軸組は対比的である。すべてを新しく包み込むことは簡単だが、奥行きのない単調な空間になりがちである。ここでも「ウチ」と「ソト」の関係が潜んでいる。以前は見ることのなかったウラの構造体が見えることで仕上げの「ソト」が現れてくる。さらに新しく仕上げる箇所にもラフな構成・材料とすることで、「ソト」の質を加え多元的な状態を作り出した。
立体的な「ソト間」
リビングの裏側に納戸と階段を設け、2畳分の踊り場を南側に配置した。折り返し階段を上がった先に簀子床のホールを大きく配置し、吹抜けを介して緩やかに連続させた。その立体的な動線空間を「ソト間」と名付けた。階段や手すりは手作業の後が残るラフな造りとし、既存の軸組空間を通り抜けて、大きな開口部から立山連峰を望むことができる「ソト」である。生活の拠点であるリビングから各寝室へと向かう途中、ふと遠くへ誘い出してくれる場所を家の中に創りだした。
■建築概要
建物名称:婦中町ハウス
英語タイトル:Futyu-town House
所在地:富山県婦中町
主要用途:住宅
構造:木造+鉄骨造(既存)
設計・監理:デザインオツ 大峯竣平、堤康浩
施工:デザインオツ、清水工務店、スミテック、大藤建設株式会社、野嶋勇亮
階数:地上2階
敷地面積:241.59m2
建築面積:131.43m2
延床面積:218.34m2
竣工:2021年9月
撮影:松井晴香