池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 外観、夜景 photo©宮畑周平 池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、寝室からアトリエを見る。 photo©studio colife3 池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、開口部 photo©宮畑周平 池内健 / studio colife3 が設計した、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」です。
農業とは自然環境と社会を束ねる一つのヒトの営みである。
クライアントは旧松山市で唯一の30代の米農家である。
日本の現代農業は機械化され、大家族が支えていた姿は、核家族化した家庭が地域を支える姿へと変わった。敷地も建物も縮小した時代のなかで先人の知恵をいかに引き継ぐかが課題となった。
まずこの地域の古い農家住宅を調べた。この地域の夏の卓越風(海陸風)を取り込むため東西を庭と広場に挟まれた続き間があることがわかった。
建物全体を東西に大開口をもった大きな風洞と見立て、2階短辺方向の耐力壁で山形屋根のスラストを処理した門型の構造とすることで、中央に大きな風洞を設け、開いた空間を並べ通風経路を確保した。東西の大開口には格子を設けることで、夏の朝日、西日はカットし、外部の視線を和らげ、風を取りいれている。農作業スペースは先人に習い、東側/山側へ配置して冬の北西からの風に備えている。
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池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 鳥瞰 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 鳥瞰 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 南側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 南側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 南側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 南側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 北側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 北側外観 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 家庭菜園から北側外観を見る。 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 妻側外観 photo©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 1階、リビング・ダイニング photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 1階、リビング photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 1階、リビング開口部 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 1階、リビング開口部 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、アトリエから寝室を見る。 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、寝室からアトリエを見る。 photo©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、手摺越しに外部を見る。 photo©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、開口部 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、寝室からアトリエを見る。 photo©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 2階、アトリエ photo©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 外観、夜景 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 外観、夜景 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 外観、夜景 photo©宮畑周平 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 平面図 image©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 断面詳細図 image©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 配置図 image©studio colife3 
池内健 / studio colife3による、愛媛・松山市の「風と火と農家住宅」。意欲的な若い米農家の為に計画。現代で先人の知恵を継承する在り方を求め、地域の古い農家住宅を参照した“地域の卓越風”を取り込む“門型構造”の建築を考案。外装には古来から瀬戸内で用いられる“焼杉”を採用 ダイアグラム image©studio colife3 以下、建築家によるテキストです。
農業とは自然環境と社会を束ねる一つのヒトの営みである。
クライアントは旧松山市で唯一の30代の米農家である。
日本の現代農業は機械化され、大家族が支えていた姿は、核家族化した家庭が地域を支える姿へと変わった。敷地も建物も縮小した時代のなかで先人の知恵をいかに引き継ぐかが課題となった。
自然に寄り添う 風の農家住宅 
建物全体を東西に大開口をもった大きな風洞と見立て、2階短辺方向の耐力壁で山形屋根のスラストを処理した門型の構造とすることで、中央に大きな風洞を設け、開いた空間を並べ通風経路を確保した。東西の大開口には格子を設けることで、夏の朝日、西日はカットし、外部の視線を和らげ、風を取りいれている。農作業スペースは先人に習い、東側/山側へ配置して冬の北西からの風に備えている。
建物周辺の外構は砕石敷きを主体とし、門型構造がつくる大屋根から地面へと導かれた雨を効率的に排水する計画としている。浸透した雨は南側、北側の家庭菜園エリアへと染み込んでいく。
自然を手繰り寄せる 火の農家住宅 
愛媛県では昔から焼杉の工場生産がなされており、ヒアリングを行った結果、焼杉の原材は流通の多い集成材に使う板を削いで一般的な木板の規格に合うように製作されて、製造工程で余分な廃棄物が生まれていることがわかった。そこで削ぐ工程をなくして、30mm厚さの焼杉を製作してもらうことにした。大開口を設けた東西切妻の妻面にこの焼杉を使い耐候性を補い地域の木材利用を促進させている。
焼杉は木材が燃焼することで化学的に組成が変化し、その性質を獲得する。その中身は炭素Cと酸素Oと水素Hである。そのもとは空気中にある二酸化炭素CO2と水H2Oであり、植物の光合成を通して、木材とし人の手に届き、人為的に炭化させて、やがて風化して再び二酸化炭素CO2と水H2Oとして循環の輪に戻っていく。火(技術・文化)と環境との歴史がそこにはある。
この住宅が地域の農業の担い手にふさわしい暮らしの形とはなにか?地域のなかで進歩・進化してゆくとはどういうことか?を考える一助になれば幸いである。
■建築概要 
題名:風と火と農家住宅