荒尾英生建築設計事務所と寺田英史 / tamari architectsが設計した、京都・京丹後市の「京丹後の週末住宅」です。建築本体の設計を荒尾英生建築設計事務所が、東屋の設計を寺田英史 / tamari architectsが手掛けています。
サーフィンが趣味の夫婦の為に計画されました。建築家は、大自然を楽しむ“ベースキャンプ”の様な場を求め、“汎用性”と“経済性”も考慮して木架構の周りをCBの非構造壁で囲む構成を考案しました。また、内部空間はレベル差があり連続的に繋げられています。
サーフィンを趣味とする夫婦の週末住宅兼ゲストハウスである。
敷地は京都府北部の丹後半島西側に位置し、日本海側でも有数のサーフポイントである八丁浜までほど近く、小高い丘から少し歩けば波の音や潮風を感じることができる海辺の町にある。
ウッドショックをはじめ資材の高騰が続く最中に始まったこの計画に求められた事は、別荘のような非日常空間ではなく、海や山といった大自然を楽しむためのベースキャンプのような場所。
また、異なる場所でも同じ(ような)モノをつくってみたいという展望を併せ持っていた。
大量生産、大量供給を是とするプレハブ住宅のように万能なビルディングタイプではなく、一定の汎用性と固有のアイデンティティを見出すことで、2つ目の拠点の在り方を示すことを試みた。
主要構造材の数を抑えながら木架構を建ち上げ、容易に入手できるコンクリートブロックが外壁(帳壁)となり四周をぐるりと囲む。
ブロックと軒天の隙間にガラスを嵌め込んで内部空間として成立させている。主体構造の外周は経済性を考慮し、敷地に置ける最大限の正方形とした。
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以下、建築家によるテキストです。
サーフィンを趣味とする夫婦の週末住宅兼ゲストハウスである。
敷地は京都府北部の丹後半島西側に位置し、日本海側でも有数のサーフポイントである八丁浜までほど近く、小高い丘から少し歩けば波の音や潮風を感じることができる海辺の町にある。
ウッドショックをはじめ資材の高騰が続く最中に始まったこの計画に求められた事は、別荘のような非日常空間ではなく、海や山といった大自然を楽しむためのベースキャンプのような場所。
また、異なる場所でも同じ(ような)モノをつくってみたいという展望を併せ持っていた。
大量生産、大量供給を是とするプレハブ住宅のように万能なビルディングタイプではなく、一定の汎用性と固有のアイデンティティを見出すことで、2つ目の拠点の在り方を示すことを試みた。
主要構造材の数を抑えながら木架構を建ち上げ、容易に入手できるコンクリートブロックが外壁(帳壁)となり四周をぐるりと囲む。
ブロックと軒天の隙間にガラスを嵌め込んで内部空間として成立させている。主体構造の外周は経済性を考慮し、敷地に置ける最大限の正方形とした。
内部空間を横断する梁は方形屋根の登り梁に合わせて45度振り、水廻りコアを追随させた。
振られた水廻りコアをきっかけに、外周のコンクリートブロックとの間に生まれた変形した空間は、敷地の高低差に合わせて床レベルを設定しながらコアに巻きついている。
全ての方向に広がる水平連続窓もブロックの仕様規定から導かれた高さに連動しており、リズミカルなプロポーションを実現している。
コンパクトな正方形プランの中に、躯体に支配されない大らかな場所がシークエンシャルに連なっている。
■建築概要
建物名称:京丹後の週末住宅
所在地:京都府京丹後市
主要用途:簡易宿所
設計:荒尾英生建築設計事務所 担当:荒尾英生、高橋宗平
設計(東屋):tamari architects(寺田英史)
施工:株式会社 道下工務店
構造:IN-STRUCT(東郷拓真)
敷地面積:166.94㎡
建築面積:87.33㎡
延床面積:101.82㎡
竣工:2023年6月
写真:大竹央祐