稲山貴則建築設計事務所が設計した、神奈川・逗子市の「緑道の家」です。
奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画されました。建築家は、豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築しました。また、緑道と共に過ごす生活を提案することも意図されました。
神奈川県逗子市の「緑道」に面した敷地に建つ家族4人のための住宅。
敷地は旗竿地で、緑道にはシダレザクラをはじめとする沢山の木々が生え、夏には蛍も飛び交う小さな小川も流れている。この緑道の環境を目一杯室内に取り込むことと、休日はハイキングに向かう人などで人通りのある緑道というパブリックな場所に配慮することを同時に検討し設計を進めた。
具体的には、緑道に隣接するリビングのレベルを1FLより1450mm上げ、その下には1FLより720mm下げた和室を挿入し、1FLのダイニング・キッチンとスキップフロアの関係をつくる。この床のレベル差により室内と緑道を歩く人との視線をずらし、ダイニングからはリビングと和室がバッファーとなり緑道を歩く人からの視線を遮りながら緑道の緑を眺めることのできる関係をつくった。そして南側には家の中心と少し軸をずらした三角形の大きな出窓のような空間をつくり、緑道への別の視線とハイサイド窓からの採光を獲得する。
「緑道」という環境に対して、床のレベル差や窓の配置、窓の向きによって程よい緑道との距離を保ちながら緑道と共に過ごす生活の提案。
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以下、建築家によるテキストです。
神奈川県逗子市の「緑道」に面した敷地に建つ家族4人のための住宅。
敷地は旗竿地で、緑道にはシダレザクラをはじめとする沢山の木々が生え、夏には蛍も飛び交う小さな小川も流れている。この緑道の環境を目一杯室内に取り込むことと、休日はハイキングに向かう人などで人通りのある緑道というパブリックな場所に配慮することを同時に検討し設計を進めた。
具体的には、緑道に隣接するリビングのレベルを1FLより1450mm上げ、その下には1FLより720mm下げた和室を挿入し、1FLのダイニング・キッチンとスキップフロアの関係をつくる。この床のレベル差により室内と緑道を歩く人との視線をずらし、ダイニングからはリビングと和室がバッファーとなり緑道を歩く人からの視線を遮りながら緑道の緑を眺めることのできる関係をつくった。そして南側には家の中心と少し軸をずらした三角形の大きな出窓のような空間をつくり、緑道への別の視線とハイサイド窓からの採光を獲得する。
北側は箱を積み上げたような構成とし1階には水回り、2階には諸室をまとめた。さらにその外側には東側のアプローチからくる人を迎え入れる屋根のあるポーチをつくり緑道まで伸ばし駐輪場や外シャワースペースとした。
「緑道」という環境に対して、床のレベル差や窓の配置、窓の向きによって程よい緑道との距離を保ちながら緑道と共に過ごす生活の提案。
■建築概要
題名:緑道の家
所在地:神奈川県逗子市
主用途:専用住宅
設計:稲山貴則建築設計事務所
施工:縁建設
構造設計:ASD
造園:鳥村鋼一
構造:木造
階数:2階建て
敷地面積:165.11㎡
建築面積:68.51㎡
延床面積:107.52㎡
設計期間:2020年2月~2021年4月
工事期間:2021年5月~2021年12月
竣工:2021年12月
写真:鳥村鋼一