神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、交差点より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北東側を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOが設計した、和歌山市の「神前の家族葬会館」です。
幹線道路が交差する角の敷地です。建築家は、情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案しました。また、内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作りました。
県道が交差する角地を敷地とした葬儀会館の計画。敷地西側にはJR和歌山駅と貴志駅を結ぶ私鉄が走っており交通量が多い場所である。このように、和歌山市内の家族葬会館が建つ場所は、マーケティングを優先し比較的交通量が多い道路に面する傾向がある。
葬儀は、故人の最期を偲ぶセレモニーであるとともに、御見送りという過程を通して参列者が故人と向き合い、自分の人生にも想いを巡らす節目の時間と場所であるように思われる。そこに価値を見出し、我々は大切な者の死を迎えた時、葬儀という形をもって故人と別れを告げながら、自身の過去を回顧し、未来を想像するのであろう。
内部の空間について。
家族葬は親族のみで行われるケースがほとんどで、前時代的で派手な葬儀とは異なる。故人とのこれまでを回顧し、お見送りをする場としての精度が求められている。
街に対して。
1ヶ月の多くは、葬儀が行われずボリュームとして街に存在する。市内で見かける葬儀会館はいわゆる家形のロードサイドショップで躊躇なく看板等が立ち並ぶ。日常的に利用しない葬儀会館から放たれるその異様さに以前から違和感を感じていた。情報化社会となり、広告塔等による集客が終わりを迎える今日、葬儀会館の建築形態は、益々環境との対話により生み出されるものであるべきではないだろうかと考えた。
以下の写真はクリックで拡大します
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側道路より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、交差点より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北東側を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、東側を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス、架構の詳細 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから控室2を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから控室2を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室1 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室1 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2からエントランスを見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2、架構の詳細 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから式場を見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場からエントランスを見る。 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2、夕景 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、夜景
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側を見る、夜景 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側を見る、夜景 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側道路より見る、夜景 photo©河田弘樹
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る配置図 image©3411 STUDIO
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る平面図 image©3411 STUDIO
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る立面図 image©3411 STUDIO
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る断面図 image©3411 STUDIO
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る断面パース image©3411 STUDIO
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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るダイアグラム image©3411 STUDIO
以下、建築家によるテキストです。
敷地の場所性について
県道が交差する角地を敷地とした葬儀会館の計画。敷地西側にはJR和歌山駅と貴志駅を結ぶ私鉄が走っており交通量が多い場所である。このように、和歌山市内の家族葬会館が建つ場所は、マーケティングを優先し比較的交通量が多い道路に面する傾向がある。
葬儀について
葬儀は、故人の最期を偲ぶセレモニーであるとともに、御見送りという過程を通して参列者が故人と向き合い、自分の人生にも想いを巡らす節目の時間と場所であるように思われる。そこに価値を見出し、我々は大切な者の死を迎えた時、葬儀という形をもって故人と別れを告げながら、自身の過去を回顧し、未来を想像するのであろう。
家族葬に求められることについて
内部の空間について。
家族葬は親族のみで行われるケースがほとんどで、前時代的で派手な葬儀とは異なる。故人とのこれまでを回顧し、お見送りをする場としての精度が求められている。
街に対して。
1ヶ月の多くは、葬儀が行われずボリュームとして街に存在する。市内で見かける葬儀会館はいわゆる家形のロードサイドショップで躊躇なく看板等が立ち並ぶ。日常的に利用しない葬儀会館から放たれるその異様さに以前から違和感を感じていた。情報化社会となり、広告塔等による集客が終わりを迎える今日、葬儀会館の建築形態は、益々環境との対話により生み出されるものであるべきではないだろうかと考えた。
配置、平面計画について
敷地は元々畑で見晴らしが良かった。街の余白ともいえる空隙を生かすため南西に会館を配置。平面計画では、プログラムの主軸である大きな控室(控室_2)と式場を並列、要求されたボリュームと街のスケールの整合性がとれるよう建築を二分割する案とした。
断面構成について
GL+1000mmのコンクリート高基礎で外周を囲い、その上に屋根形状に合わせた木架構をのせている。空間に現れる木架構は、柱、登り梁、方杖をメインとし、910mmピッチで配置、5460mmを無柱空間とした。コンクリートの高基礎と軽やかな木架構といった関係を実現するため、登り梁の断面高さ210mmを断面幅と揃える形で仕上げ材の配置で調整し見えがかりを120mmとした。
建築形態について
二分割したボリュームのそれぞれの屋根を北側に向かって片流れとし、気積が求められる内部空間の条件を満たしつつ、可能な限り軒先を低く抑え街行く人々の目線にすり合わせた。この屋根形状により発生した最高高さと最高軒高の間の余白をハイサイドライトとして自然光を室内に取り込む。
外周を囲った高基礎は、街(日常)から距離を置くきっかけとなり参列者は故人とのこれまでを回顧する。そして頭上に現れる軽やかな木架構の連続とハイサイドライトの抜けが、故人と別れを告げ参列者自身の未来を想像していくきっかけになってくれるよう願っている。
■建築概要
名称:神前の家族葬会館
所在地:和歌山県和歌山市
用途:集会場(葬祭場)
意匠設計:3411 STUDIO / 神出顕徳
構造設計:XYZ structure / 荒木康佑
設備計画:上西設備 / 上西毅
照明計画:Modulex / 泉香葉
既製家具:inter.office / 田宮美紀
植栽計画:大西農園種苗場(Rat Garden)+3411 STUDIO
設計協力:吉永建設一級建築士事務所
階数:地上1階
構造:木造
駐車台数:8台
敷地面積:799.61㎡
建築面積:218.61㎡
延床面積:218.61㎡
建蔽率:27.34%(許容60%)
容積率:27.34%(許容200%)
天井高さ:2.15〜4.20m
最高軒高:2.73m
最高高さ:4.44m
設計期間:2022年5月~2022年11月
施工期間:2023年2月~2023年6月
竣工年月:2023年6月
写真:河田弘樹