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神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る
photo©河田弘樹

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architecture|feature
建材(外装・屋根)吉永建設上西設備3411 STUDIO神出顕徳大西農園種苗場インターオフィスModuleXXYZ structure建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)図面あり和歌山葬祭場・墓地河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、交差点より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北東側を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹

神出顕徳 / 3411 STUDIOが設計した、和歌山市の「神前の家族葬会館」です。
幹線道路が交差する角の敷地です。建築家は、情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案しました。また、内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作りました。

県道が交差する角地を敷地とした葬儀会館の計画。敷地西側にはJR和歌山駅と貴志駅を結ぶ私鉄が走っており交通量が多い場所である。このように、和歌山市内の家族葬会館が建つ場所は、マーケティングを優先し比較的交通量が多い道路に面する傾向がある。

建築家によるテキストより

葬儀は、故人の最期を偲ぶセレモニーであるとともに、御見送りという過程を通して参列者が故人と向き合い、自分の人生にも想いを巡らす節目の時間と場所であるように思われる。そこに価値を見出し、我々は大切な者の死を迎えた時、葬儀という形をもって故人と別れを告げながら、自身の過去を回顧し、未来を想像するのであろう。

建築家によるテキストより

内部の空間について。
家族葬は親族のみで行われるケースがほとんどで、前時代的で派手な葬儀とは異なる。故人とのこれまでを回顧し、お見送りをする場としての精度が求められている。

街に対して。
1ヶ月の多くは、葬儀が行われずボリュームとして街に存在する。市内で見かける葬儀会館はいわゆる家形のロードサイドショップで躊躇なく看板等が立ち並ぶ。日常的に利用しない葬儀会館から放たれるその異様さに以前から違和感を感じていた。情報化社会となり、広告塔等による集客が終わりを迎える今日、葬儀会館の建築形態は、益々環境との対話により生み出されるものであるべきではないだろうかと考えた。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側道路より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、交差点より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側より見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北東側を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、東側を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランス、架構の詳細 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから控室2を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから控室2を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室1 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室1 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2からエントランスを見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2、架構の詳細 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るエントランスから式場を見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場からエントランスを見る。 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る式場 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る控室2、夕景 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、夜景
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側を見る、夜景 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、西側を見る、夜景 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る外観、北側道路より見る、夜景 photo©河田弘樹
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る配置図 image©3411 STUDIO
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る平面図 image©3411 STUDIO
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る立面図 image©3411 STUDIO
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る断面図 image©3411 STUDIO
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る断面パース image©3411 STUDIO
神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作るダイアグラム image©3411 STUDIO

以下、建築家によるテキストです。


敷地の場所性について

県道が交差する角地を敷地とした葬儀会館の計画。敷地西側にはJR和歌山駅と貴志駅を結ぶ私鉄が走っており交通量が多い場所である。このように、和歌山市内の家族葬会館が建つ場所は、マーケティングを優先し比較的交通量が多い道路に面する傾向がある。

葬儀について

葬儀は、故人の最期を偲ぶセレモニーであるとともに、御見送りという過程を通して参列者が故人と向き合い、自分の人生にも想いを巡らす節目の時間と場所であるように思われる。そこに価値を見出し、我々は大切な者の死を迎えた時、葬儀という形をもって故人と別れを告げながら、自身の過去を回顧し、未来を想像するのであろう。

家族葬に求められることについて

内部の空間について。
家族葬は親族のみで行われるケースがほとんどで、前時代的で派手な葬儀とは異なる。故人とのこれまでを回顧し、お見送りをする場としての精度が求められている。

街に対して。
1ヶ月の多くは、葬儀が行われずボリュームとして街に存在する。市内で見かける葬儀会館はいわゆる家形のロードサイドショップで躊躇なく看板等が立ち並ぶ。日常的に利用しない葬儀会館から放たれるその異様さに以前から違和感を感じていた。情報化社会となり、広告塔等による集客が終わりを迎える今日、葬儀会館の建築形態は、益々環境との対話により生み出されるものであるべきではないだろうかと考えた。

配置、平面計画について

敷地は元々畑で見晴らしが良かった。街の余白ともいえる空隙を生かすため南西に会館を配置。平面計画では、プログラムの主軸である大きな控室(控室_2)と式場を並列、要求されたボリュームと街のスケールの整合性がとれるよう建築を二分割する案とした。

断面構成について

GL+1000mmのコンクリート高基礎で外周を囲い、その上に屋根形状に合わせた木架構をのせている。空間に現れる木架構は、柱、登り梁、方杖をメインとし、910mmピッチで配置、5460mmを無柱空間とした。コンクリートの高基礎と軽やかな木架構といった関係を実現するため、登り梁の断面高さ210mmを断面幅と揃える形で仕上げ材の配置で調整し見えがかりを120mmとした。

建築形態について

二分割したボリュームのそれぞれの屋根を北側に向かって片流れとし、気積が求められる内部空間の条件を満たしつつ、可能な限り軒先を低く抑え街行く人々の目線にすり合わせた。この屋根形状により発生した最高高さと最高軒高の間の余白をハイサイドライトとして自然光を室内に取り込む。

外周を囲った高基礎は、街(日常)から距離を置くきっかけとなり参列者は故人とのこれまでを回顧する。そして頭上に現れる軽やかな木架構の連続とハイサイドライトの抜けが、故人と別れを告げ参列者自身の未来を想像していくきっかけになってくれるよう願っている。

■建築概要

名称:神前の家族葬会館  
所在地:和歌山県和歌山市
用途:集会場(葬祭場)     
意匠設計:3411 STUDIO / 神出顕徳
構造設計:XYZ structure / 荒木康佑
設備計画:上西設備 / 上西毅
照明計画:Modulex / 泉香葉
既製家具:inter.office / 田宮美紀
植栽計画:大西農園種苗場(Rat Garden)+3411 STUDIO
設計協力:吉永建設一級建築士事務所
階数:地上1階
構造:木造
駐車台数:8台
敷地面積:799.61㎡          
建築面積:218.61㎡ 
延床面積:218.61㎡
建蔽率:27.34%(許容60%) 
容積率:27.34%(許容200%)  
天井高さ:2.15〜4.20m         
最高軒高:2.73m
最高高さ:4.44m
設計期間:2022年5月~2022年11月
施工期間:2023年2月~2023年6月
竣工年月:2023年6月    
写真:河田弘樹

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

カラー鋼板 横一文字葺き:パーフェクトルーフ(ダイムワカイ)

外装・壁外壁

レーヴLM Kタイプ ソロ仕上げ [左官仕上かき落とし](富士川建材工業)
カラー鋼板 横一文字葺き

内装・床エントランス 床

コンクリート金鏝押え

内装・床式場 床

タイルカーペット

内装・床控室 床

ナラ三層フローリング(アイオーシー)
い草畳

内装・壁控室、式場 壁

高基礎現しラワン合板型枠+TSボード(竹村工業)+躯体現し [柱:米松、土台:檜]
ポーターズペイント

内装・天井天井

TSボード(竹村工業)+躯体現し [梁:米松]

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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2024.03.20 Wed 06:59
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    大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・品川区の、マンションショールーム「PROUD GALLERY GOTANDA」。建設解体等の労力を要する施設の在り方に施主と問題意識を共有し設計、変更の容易さと過程の省エネを意識しカーテンで空間を構築、物件で使用予定の素材等の流用により価値の再発見も意図
  • 2021.8.18Wed
    田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図
  • 2020.9.30Wed
    子浦 中 / シオ建築設計事務所による、茨城の、ZOZOTOWNを運営するZOZO社の物流拠点の休憩ラウンジ「7 Gates Lounge」
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    2024.3.19Tue
    • 【ap job更新】 デザインを通して“豊かで楽しい社会づくり”に貢献する「ALA INC.」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)と 事務職を募集中
    • 重松象平が「2023毎日デザイン賞」を受賞。クリスチャン・ディオール展の空間デザインや、虎ノ門ヒルズステーションタワーの建築デザインで評価
    • 【ap job更新】 下町の雑司が谷を拠点に楽しく活動する「アトリエマナ」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2024年新卒)を募集中
    • 高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西町の住宅」。祭典が盛んな地区での計画。祭り仲間で話し合える場を持つ住居との要望に、人が集まる“半屋外リビング”と“家族リビング”を備えた建築を考案。二つの居間の間に中庭を設けて必要に応じて空間の分節も可能にする
    2024.3.21Thu
    • “演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催。作家のスタジオが入居する建物が会場。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介
    • 【ap job更新】 集合住宅や住宅などを手掛け、より大規模な建築へのチャレンジも進める「川辺直哉建築設計事務所」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
    • 桑原淳司建築設計事務所による、大阪の住戸改修「豊中の家」。閑静な住宅地にある集合住宅の中での計画。“上質で洗練された空間”の要望に、様々な種類の“素材”や“照明”の使い方に注力する設計を志向。既存サッシの内側に設けた造作建具は上質さと共に機能性も向上させる

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