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SHARE 馬場正尊+大橋一隆 / OpenAによる、東京・港区の「博報堂ケトル オフィス」。元料亭の建物を転用した事務所。コロナ過以降の労働空間の在り方も考慮し、暖簾の先に“円卓”を据えた交流の為のラウンジを設ける計画を考案。既存の社会構造を“ユーモアの力で壊す”というメッセージも込める
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馬場正尊+大橋一隆 / OpenAが設計した、東京・港区の「博報堂ケトル オフィス」です。
元料亭の建物を転用した事務所です。建築家は、コロナ過以降の労働空間の在り方も考慮し、暖簾の先に“円卓”を据えた交流の為のラウンジを設ける計画を考案しました。また、既存の社会構造を“ユーモアの力で壊す”というメッセージも込めることも意図されました。
コロナ禍によって大きく変容した働き方とオフィスの役割。
その新しい在り方を実現するため、広告会社であるクライアントは、カーテンウォールに囲まれたビルから飛び出し、雑踏のグランドレベルへと仕事場をダイブさせた。
対象となった物件は喧騒の赤坂を抜けた小路に佇む元料亭である。この料亭の空間をくり抜いて風穴を開けることが、密談によって物事が決められてきた社会構造を、ユーモアの力で壊す、というメッセージを表現できるのではないかと考えた。
前庭を抜けると円形に解体された空間の中央に円卓が置かれたエントランスが現れる。円はヒエラルキーのない形状として会社の設立当初から使われてきた形であり、フラットにアイディアを生むための象徴的な場だ。
オフィスは働きに来る場所だけでなく、人と人が出会う場所という面が強く強調されるようになったのではないだろうか。暖簾をくぐってふらりと立ち寄りコミュニケーションができること。このオフィスは今までにないかたちで街に存在している。料亭という顔とは裏腹に、そこではオープンでクリエイティブな企みが活発に行われていくだろう。
以下の写真はクリックで拡大します
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以下、建築家によるテキストです。
料亭をオープンに
コロナ禍によって大きく変容した働き方とオフィスの役割。
その新しい在り方を実現するため、広告会社であるクライアントは、カーテンウォールに囲まれたビルから飛び出し、雑踏のグランドレベルへと仕事場をダイブさせた。
対象となった物件は喧騒の赤坂を抜けた小路に佇む元料亭である。この料亭の空間をくり抜いて風穴を開けることが、密談によって物事が決められてきた社会構造を、ユーモアの力で壊す、というメッセージを表現できるのではないかと考えた。
前庭を抜けると円形に解体された空間の中央に円卓が置かれたエントランスが現れる。円はヒエラルキーのない形状として会社の設立当初から使われてきた形であり、フラットにアイディアを生むための象徴的な場だ。
オフィスは働きに来る場所だけでなく、人と人が出会う場所という面が強く強調されるようになったのではないだろうか。暖簾をくぐってふらりと立ち寄りコミュニケーションができること。このオフィスは今までにないかたちで街に存在している。料亭という顔とは裏腹に、そこではオープンでクリエイティブな企みが活発に行われていくだろう。
(西川貴大)
■建築概要
題名:博報堂ケトル オフィス
所在地:東京都港区赤坂
主用途:オフィス
設計:OpenA
担当:馬場正尊、大橋一隆、平岩祐季、西川貴大、河崎帆高
施工:デザインアートセンター
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上1〜2階(改修部)地下1階地上6階(全体)
敷地面積:572.16㎡
建築面積:432.46㎡
延床面積:512.45㎡(改修部) 2,850.39㎡(全体)
設計:2022年10月~2023年3月
工事:2023年4月~2023年8月
竣工:2023年8月
写真:楠瀬友将
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | エントランスラウンジ 床 | モルタル金ゴテ仕上げ |
内装・壁 | エントランスラウンジ 壁 | PB t=12.5mmの上、メタリック塗装[SKファインメタリックF M135](エスケー化研) |
内装・天井 | エントランスラウンジ 天井 | 躯体現し |
内装・床 | 会議室 床 | タイルカーペット貼り[NT709](サンゲツ) |
内装・壁 | 会議室 壁 | 既存聚楽壁の上、EP |
内装・天井 | 会議室 天井 | 既存スギ柾張りの上、EP |
内装・床 | ワークスペース 床 | |
内装・壁 | ワークスペース 壁 | 既存聚楽壁の上、EP |
内装・天井 | ワークスペース 天井 | 躯体現し |
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