SHARE 岸本貴信/CONTAINER DESIGN による住宅”SKY DECK”
以下、建築家によるテキストです。
SKY DECK (スカイデッキ)
大阪府高槻市の古くからある住宅密集地に計画された。建替えの時期を向かえた住宅郡、あたりは古い2階建て住宅と新しく建替えられた3階建ての住 宅とが密集して建ち並んでいる。クライアントは夫婦2人とワンちゃん2匹。夫婦ともこの地で生れ育ち、いつかこの地で自分達の住処をと考えていた ところ、この計画地に巡り合えた。
敷地はいわゆる旗竿地。あたりは2階・3階建ての住宅に囲まれている。クライアントの要望は次の二点だった。
1、旗竿地で住宅に囲まれてはいるが、明るく開放的な家にしたい。
2、まだ子供がいない、いつになるかもわからないので将来的に自由の利く住空間にしたい
この2つの要望を基に基本計画を練っていった結果。導き出した考えは・・・
周囲の環境面から2階レベルに住空間を持ってくることとし、コートハウスの考えを取り入れ中庭(SKY DECK)を造り周囲から住空間のプライバシーを守り明るさを確保。
1階部分は卍型の壁を配列しピロティ空間とし、その相互間の壁の距離を2730mm~3640mmとする事で将来家族が増えスペースを必要とした 時に簡単に既製品サイズのサッシュを取り付けることの出来るモジュールとしてある。
こうする事によって、あるスペースを区切る事によって場所を作り可変性を確保すると言う考えではなく、それよりも簡単で住みながらに増築が可能に なるように考えた。また、現在の家族構成から考えて家族の個室が必要となってくるのは最短で5~10年後と言うこともあり、必要以上の計画を今現在で行うよ りも将来的な変化をふまえ自由度の高い住空間とすることと今の自分達にとって居心地のいい住空間にするという事を優先すると言う考えとなった。
住宅密集地の中でこのSKY DECKから青空や星空を眺め、風や日・自然の音を感じながら自由に暮らして欲しい。