SHARE 京都のradlab.で行われる大室佑介展「迷宮の匣」のプレビュー
「唐櫃(かろうと)」スケッチ
京都のradlab.で行われる大室佑介展「迷宮の匣」のプレビューです。この展示の開催期間は2011年9月9日~10月2日です。
百年の小屋
想起 アドルフ・ロースへの手紙
以下、展覧会に関するテキストです。
芸術に加わるのは、ごく一部分の建築でしかない。それは墓碑と記念碑だ。目的に従事するその他の建築はすべて、芸術の王国から締め出されなければならない。
アドルフ・ロース
いつの日からか建築に興味をもち始めた私は、”豊かで快適な生活”という表層的なものではなく、それらを含めた人生の延長線上に訪れる”死後の住まい”に関心を抱くようになっていた。
死者の遺骨が納められる部屋「唐櫃(カロウト)」は、彼岸に旅立つ者の望みと、此岸に残された者の想いが交錯しながら、豊かな追悼の空間を形づくる。亡き者に捧げられたこの極小の空間には、定められた縮尺や視点は存在せず、各々の意識の中でのみ壮大な世界が紡ぎだされていく。
内部を目にした参列者は、閉ざされた匣とふたたび対峙するたびに、その密室空間で繰り広げられる果てしない物語を想起し、死者の生活に想いを馳せる。
強大な記憶の力を呼び覚まし、広大な想像の力を呼び起こす唐櫃は、建築と芸術をつなぐ可能性のひとつとして、私たちの見えないところで静かに時を刻んでいく。
大室佑介展「迷宮の匣」
会期:2011年09月09日(金) – 10月02日(日)
時間:金曜日 – 日曜日 13:00 – 20:00
主催:rep-radlab. exhibition project
会場:radlab.(京都市中京区恵比須町531-13-3F)
アクセス:京都市バス停「河原町三条」徒歩5分、京阪電鉄「三条」駅徒歩10分
URL:http://exhibition.radlab.info
レセプション:9月9日(金)19:00よりradlab.にて
※展示に際しまして、トークイベント等を予定しております。
開催日時・時間等詳細はお問い合わせください。