SHARE 倉俣史朗と高松次郎が内装を手掛けたバー「サパークラブ・カッサドール」の、藤塚光政による記録写真展が開催中[-2014/7/19]
倉俣史朗と高松次郎が内装を手掛けたバー「サパークラブ・カッサドール」の、藤塚光政による記録写真展が開催されています
倉俣史朗とアーティストの高松次郎が内装を手掛けたバー「サパークラブ・カッサドール」の、藤塚光政による記録写真展が開催されています。場所は、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku。会期は、2014年6月18日~7月19日。
2014年6月18日(水)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjukuでは、倉俣史朗と高松次郎の合作空間「サパークラブ・カッサドール」を撮影した、写真家、藤塚光政氏の記録写真展を開催いたします。
1960年代末から70年代の初めにかけて、美術、音楽、建築、写真、デザイン、演劇、など様々な分野の表現者たちが交流し、互いに刺激しあいながら制作活動を展開していく中で、表現の在り方とその根拠となるものについての根源的な問い直しが、外部との対峙によってなされる表現を通じて行われていました。
このような時代背景のもと、1967年、インテリアデザイナーとして出発した倉俣は、新宿二丁目のバー「サパークラブ・カッサドール」の内装を手がけ、店舗内の壁画制作を高松に依頼します。二人のコラボレーションにより作られた店内は、描かれた人の影と実際に訪れる客の影とが交差することで、幻想的でありながらも現実であるという、実在と不在の併存が視覚化されたこれまでにない新しい空間を表出させました。
このコラボレーションにより、高松は影を既存の美術の枠組みから解放することでより純粋なコンセプトの実現に成功し、一方、倉俣もまたインテリアデザインという枠を超えた新たな空間の在り方と概念を提示することとなりました。
倉俣の制作を撮り続けてきた藤塚氏は、このコラボレーションの実現以降倉俣が「空間の哲学的論理」に目覚めたのではないかと述べています。本展では、埼玉県立近代美術館主任学芸員の平野到氏の協力のもと、藤塚氏が撮影した高松による影作品の壁画制作現場の写真を通して、高松、倉俣それぞれの制作行為における思考の概念を探り、同時にその時代性も浮き彫りにすることを目指します。 倉俣史朗、高松次郎という日本のインテリアデザイン界、現代美術界を牽引してきた両者による合作空間の制作現場という、今まで外部に触れることの少なかった大変貴重な記録写真の展覧会です。この機会に是非ご高覧ください。
また、6月28日には、平野氏による研究冊子「カッサドールの影の行方」も刊行予定です。こちらも合わせてご案内申し上げます。