SHARE 書籍『マテリアライジング・デコーディング 情報と物質とそのあいだ』のプレビュー
書籍『マテリアライジング・デコーディング 情報と物質とそのあいだ』を中身をプレビューします。
レーザーカッターや3Dプリンタなど、デジタルデータを使った加工技術の普及により、物質(atom)と情報(bit)の交錯が起き始めている。
このような動きは「情報革命からものづくり革命へ」とも言われ、昨今のメディアを賑わしている話題でもあり、また、今この瞬間にもさまざまな実践が世界中で、同時多発的に行われている最中である。2013年、東京藝術大学美術館陳列館にて日本ではおそらく初めてのコンピュテーショナルデザインやデジタルファブリケーションを主題とした展覧会「マテリアライジング展」が開催された。
本書は、同展に出展した23組の建築家、アーティスト、工芸家、プロダクトデザイナー、エンジニア、研究者へのインタビューにより構成されている。デジタル化による物質的表現や、認識の変容、デジタル/アナログ両面における制作の問題、またそれぞれの背景や履歴、その後の展開まで多彩なトピックを含む。*「デコーディング(decording)」とは、圧縮されたり変換されたりしたデータを元に戻すことや、暗号の解読などを意味する。
目次
舘知宏
木内俊克+砂山太一/kwwek
中村竜治
後藤一真+天野裕/Arup
竹中司+岡部文/アンズスタジオ
西澤徹夫
ここにあるのは、デジタル化が先行する2次元のCGやムービーといった「メディア」ではなし得ない「建築ならではの具現化」「情報の身体への接続」への企てであろうか。カタログ化に至らない多彩な試みが、「マテリアライジング」の名の下に、新たなムーブメントの到来を予感させる。
(山梨知彦/日建設計執行役員・同設計部門代表)情報だけが過剰に飽和する社会を抜けた「先」がここにある。 トンネルを抜けると、そこには新しい物質の捉え方、私が「フィジタル」と名付けた新大陸が広がっていた。 ポスト・デジタル、ポスト・インターネットの新しい感性を探す旅へようこそ。
(田中浩也/慶応義塾大学SFC准教授・FabLab Japan Network)「考えること」と「創ること」の境界を問い直す、建築/デザイン/アートにおけるパラダイムシフトの序章。デジタルツールを身体化し、新たな可能性をマテリアライズしつつある世代のマニフェスト集である。今後の指標として必読。
(金田充弘/東京藝術大学准教授・Arupシニアアソシエイト)
マテリアライジング・デコーディング 情報と物質とそのあいだ
砂山 太一 大野 友資 舘 知宏 豊田 啓介 松川 昌平 三木 優彰 吉田 博則 木内 俊克 杉田 宗 中村 竜治 市川 創太 岩岡 孝太郎 谷口 暁彦 川本 尚毅 後藤 一真 天野 裕 土岐 謙次 今井 紫緒 浜田 晶則 穴井 佑樹 大山 宗哉 永田 康祐 御幸 朋寿 藤木 淳 増渕 基 長谷川 徹 竹中 司 岡部 文 美濃部 幸郎 マイケル・ハンスマイヤー ベンジャミン・ディレンバーガー 西澤 徹夫