SHARE 小原賢一+深川礼子 / ofaによる、岡山の、公衆トイレ・休憩施設・サイクリングステーション「木テラス 久世駅CLTモデル建築物」
all photos©Ken’ichi Suzuki
小原賢一+深川礼子 / ofaが設計した、岡山の、公衆トイレ・休憩施設・サイクリングステーション「木テラス 久世駅CLTモデル建築物」です。
材料も技術も、地域に持つ真庭市ならではのプロジェクトとして計画され、設計コンペで選定されたCLTモデル建築物です。新しい木の素材CLT(直交集成板:Cross Laminated Timber)の特性を活かし、可能性を見せる魅力的な木の空間をつくること、日常の中でその大きさや温かみや手触りを感じられること、建設プロジェクトが木のまちづくりにつながる事を目指してプロジェクトを進めました。
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以下、建築家によるテキストです。
木テラスKITERASU_久世駅CLTモデル建築物
材料も技術も、地域に持つ真庭市ならではのプロジェクトとして計画され、設計コンペで選定されたCLTモデル建築物です。新しい木の素材CLT(直交集成板:Cross Laminated Timber)の特性を活かし、可能性を見せる魅力的な木の空間をつくること、日常の中でその大きさや温かみや手触りを感じられること、建設プロジェクトが木のまちづくりにつながる事を目指してプロジェクトを進めました。
3枚の大きな壁で支える3枚の屋根、大きなはね出しの庇、壁の孔が構成の特徴です。間仕切やライニングまでCLTとし、全体が木の家具のような雰囲気です。
駅前のパブリックトイレとしてだけでなく、サイクリングステーションやまちの賑わいの起点として、気持ちのよい人の居場所となるよう、桜に面してゆったりしたテラスを設けました。CLTでベンチやサイクルラックも設置し、駅前を公園のように人が過ごせる広場として設えました。
住民ワークショップや愛称公募を経て、「木テラス」と名づけられて竣工しました。竣工式には多くの住民の方が屋台や出し物、観客として参加され、木テラスの誕生を祝い、駅前が本当の広場になりました。
CLTの特性を活かすシンプルで効果的な構成
大きな木版を精度よく製作できるCLTの特徴を活かし、できるだけ少ない「3枚の壁」で、できるだけ大きい「3m×12mの3枚の屋根版」を支えるシンプルで合理的な構造としています。2方向のはね出しや大スパンなど、それぞれの応力にあわせた構成の3層屋根パネルが有効に働きます。屋根は格子梁で、あわせて有孔壁を含む全体架構を有限要素法で解析することでCLTの特性を最大限に活用しています。部材数を抑え、現場での建て方は半日で完了することができました。
■建築概要
所在地:岡山県真庭市久世
用途:公衆トイレ、休憩施設、サイクリングステーション
敷地面積:1,502.18m2
防火地域:指定なし
耐火建築物等:その他
建築・延床面積:69.79m2
構造規模:木造(CLT造) 平屋建て
竣工:平成29年3月
CLT材:ヒノキスギハイブリッド
木材使用量:CLT51.9m3 他木材5.55m3
建築主:真庭市
設計監理:小原賢一+深川礼子/ofa
構造設計:有限会社桃李舎 桝田洋子、濱田たえ子
設備設計:長谷川設備計画 長谷川博
照明デザイン:クリップ
サインデザイン:SIRUSI
施工:株式会社松岡建設