小川裕之 / 小川都市建築設計事務所による、東京の、RC造建物の一室の改修「Shibuya Apartment 402」です。
渋谷と代官山の途中に位置する住宅地に建つ、RC造建物の一室を改修し、この場所にしかない個性的で魅力ある暮らしが実現されることを目指して設計を進めました。
面積約10坪、ドーム型天井を持つ部屋を半分を区切り、片側に浴室、キッチン、トイレ等の機能を持つ諸室を配置し、残りは天井の高い主室としました。浴室とキッチンの上部はロフトです。
浴室およびキッチンは一続きの引き戸によって主室と区切られており、引き戸を開閉することによって、大きな浴室、大きなダイニングキッチンへ変化することができます。特に、大きなガラスの開口から光が溢れる開放的な浴室は、主室と繋げることで、入浴の合間に読書をしたり、映像を鑑賞したり、お茶を飲んだりすることのできる「暮らす浴室」となり、この部屋を特徴づけています。
水回りと主室を仕切る引き戸は、自然な風合いを持つ木材で仕上げられており、空間全体に温かみを創り出しています。水回り以外の壁面は左官で仕上げられ、十分に差し込む光を優しく拡散します。水回りを含む全ての床はタイルで仕上げられていて、部屋全体に一体感と広がりを与えています。
刺激的な渋谷の中心部歩いて10分の場所に、広く開放的な浴室で半日をゆっくりと入浴しながら、心と身体を休息させる場所ができました。