SHARE 近藤陽子+近藤直人 / nLDK一級建築士事務所による、愛知・名古屋の「高架下のオフィス」
近藤陽子+近藤直人 / nLDK一級建築士事務所による、愛知・名古屋の「高架下のオフィス」です。
高層のオフィスビルが林立する名古屋駅から少し離れた新幹線の高架下、おそらく新幹線の開業時からある古くてだだっ広い空間に、名古屋を本拠地とするスタートアップ企業の新本社オフィスをつくった。
スタートアップ企業は、創業から数年間はものすごいスピードで事業規模拡大をしていく。そのためクライアントは近い将来、より広い場所にまた移転する予定である。また以前の事務所はすでにキャパシティーオーバーであった。そこであまりコストはかけず、できるだけ早くオフィスを作ることが与件であった。
スタートアップ企業は今後も増えていくだろう。やどかりのように次々に大きなオフィスへ移っていく彼らの一時の仮住まいとして、今回つくったスピーディー、ローコスト、リサイクル可能なメソッドは、ひとつのプロトタイプに成りえるのではないかと思う。
勝手ながら、コンテナボックスは次回移転時にメルカリで叩き売り、すぐさまリユースされることを妄想したりもしている。
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以下、建築家によるテキストです。
高層のオフィスビルが林立する名古屋駅から少し離れた新幹線の高架下、おそらく新幹線の開業時からある古くてだだっ広い空間に、名古屋を本拠地とするスタートアップ企業の新本社オフィスをつくった。
スタートアップ企業は、創業から数年間はものすごいスピードで事業規模拡大をしていく。そのためクライアントは近い将来、より広い場所にまた移転する予定である。また以前の事務所はすでにキャパシティーオーバーであった。そこであまりコストはかけず、できるだけ早くオフィスを作ることが与件であった。
この与件を受け、組み立てが容易で廉価なコンテナボックスを間仕切・床・植木鉢などにとことん使うことにチャレンジした。それ以外の仕上げ材料もできるだけ簡素なものに絞った。
こうしてスタートアップ企業のスピード感に呼応するように、オフィスはスピーディーにできあがっていった。このコンテナボックスのメーカー本社は隣県の岐阜県にあり、ある意味で地産地消となっていることや、次回移転時にコンテナボックスはリユース、リサイクルが可能なため、ほとんど廃材を出さないなど、ささやかながらエコへの取り組みにもなっている。
スタートアップ企業は今後も増えていくだろう。やどかりのように次々に大きなオフィスへ移っていく彼らの一時の仮住まいとして、今回つくったスピーディー、ローコスト、リサイクル可能なメソッドは、ひとつのプロトタイプに成りえるのではないかと思う。
勝手ながら、コンテナボックスは次回移転時にメルカリで叩き売り、すぐさまリユースされることを妄想したりもしている。
■建築概要
物件名:高架下のオフィス
所在:名古屋駅付近
設計:近藤陽子+直人 nLDK一級建築士事務所
施工:さつき建設
竣工:2017年10月
面積:延床約630㎡
主な内部仕上げ
天井:既存スパンクリート現し
壁:プラスチックコンテナ積層、一部PBの上EP塗装
床:既存床仕上撤去の上水性塗り床、一部合板・畳
植栽:Green People
撮影:藤原 萌