長坂常 / スキーマ建築計画が改修を手掛けた、東京・西五反田の店舗「桑原商店」です。
お店の情報はこちらのページでどうぞ。クライアントは株式会社アートフロントギャラリーにて「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」の立ち上げにも関わった人物で、2014年に同店の4代目として事業継承したとのこと。
五反田から約5分くらいのところ、桜田通りから一本入った路地にひいお婆ちゃん、その息子の2人のお爺ちゃんとまたそれぞれの息子家族と4世代13人が住む住宅の下に、元酒屋の倉庫を利用し新しい角打ちスタイルの居酒屋を設計した。計画から工事まで全て家族の多くが参加し考え、工事まで行ってみんなで作ったお店です。
元々桑原商店は本敷地から大通りに出るところにビルがあり、そこで長らくこの地域の代表する酒屋を営んできた。そこで時にコンビニエンスストアを営むなど時代の変化と共にスタイルを変えながらお酒を中心に商売を行って来た。
そして、このスペースはそれまで倉庫で利用してきた場所を一時的に利用し、お酒を買ってその場で飲める角打ちスタイルの「倉庫のような居酒屋」を営んでいた。ただ、それに対して「安かろうで営業される従来の角打ちから脱却して、家族全員で楽しく働ける場をつくりたい」という希望が上がり、我々のところに相談しにきてくれた。ただ、僕にはそれでも「倉庫のような居酒屋」というのがとても新鮮で、あえていうなら元々持っていた吹き溜まり感と暗さを一掃させ、既存の特徴を最大限生かし、類のないお酒を楽しめる場になるように明るく一新させることを考えた。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
五反田から約5分くらいのところ、桜田通りから一本入った路地にひいお婆ちゃん、その息子の2人のお爺ちゃんとまたそれぞれの息子家族と4世代13人が住む住宅の下に、元酒屋の倉庫を利用し新しい角打ちスタイルの居酒屋を設計した。計画から工事まで全て家族の多くが参加し考え、工事まで行ってみんなで作ったお店です。
元々桑原商店は本敷地から大通りに出るところにビルがあり、そこで長らくこの地域の代表する酒屋を営んできた。そこで時にコンビニエンスストアを営むなど時代の変化と共にスタイルを変えながらお酒を中心に商売を行って来た。
そして、このスペースはそれまで倉庫で利用してきた場所を一時的に利用し、お酒を買ってその場で飲める角打ちスタイルの「倉庫のような居酒屋」を営んでいた。ただ、それに対して「安かろうで営業される従来の角打ちから脱却して、家族全員で楽しく働ける場をつくりたい」という希望が上がり、我々のところに相談しにきてくれた。ただ、僕にはそれでも「倉庫のような居酒屋」というのがとても新鮮で、あえていうなら元々持っていた吹き溜まり感と暗さを一掃させ、既存の特徴を最大限生かし、類のないお酒を楽しめる場になるように明るく一新させることを考えた。そこで既存のスチールラックや表のサッシ、床壁天井をできるだけ残しながらもぱっと見た目は変わらないが「何かが違う。きっと何かあるぞ!」と思わせる新しい要素をところどころに散りばめた。それによって、緩やかに周辺の空気を取り込みながらその「倉庫のような居酒屋」は生き返り、同時に今まで駐車場や倉庫などこの近所のバックスペース的な使われ方をしていた路地がなんとなく「何かありそう!」な魅力ある路地に見えてきた。また、室内の席としてはビールケースを使用し席やテーブルの高さをかえ、好きな姿勢で飲めるようになっている。それが様々なニーズに臨機応変に適応できるようになっている。
■建築概要
題名:桑原商店
設計:長坂常/スキーマ建築計画
担当:會田 倫久,渡邊文彦
所在地:東京都品川区西五反田2丁目29−2
主用途:酒屋・飲食店舗
施工: 高本設計施工
協力:株式会社 モトモト(サイン計画)
協力:谷川じゅんじ / JTQ Ink(共同企画立案)
階数:1階
延床面積:91.9㎡
構造:S造
竣工:2018年12月
写真:長谷川健太