SHARE 柏田淳建築設計事務所による、北海道・札幌市の集合住宅の一室の改修「旭ヶ丘のマンション」
柏田淳建築設計事務所が設計した、北海道・札幌市の集合住宅の一室の改修「旭ヶ丘のマンション」です。
築20年超のマンションの1室の改修である。
ファミリー向けの典型的な間取りの住戸を、事務所併用の住居へと改修した。南北に細長い形状をしたこの住戸は南北の2面に開口があり、方位がやや東西に振れていることから1日中明るく、風も良く通るということがわかった。
そこで、これらの開口をつなぐために1枚のできるだけ長い壁を設け、外部から取り込まれた光や風が室内を通り、再び外部へと抜けてゆくための通り道を形成することとした。
また、北側の事務所を土間空間とすることで外部にやや近い環境となり、半外部のような南側のテラスとともに、外部→半内部→内部→半外部→外部、という内外のゆるやかなレイヤーを形成する。
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以下、建築家によるテキストです。
築20年超のマンションの1室の改修である。
ファミリー向けの典型的な間取りの住戸を、事務所併用の住居へと改修した。
南北に細長い形状をしたこの住戸は南北の2面に開口があり、方位がやや東西に振れていることから1日中明るく、風も良く通るということがわかった。
そこで、これらの開口をつなぐために1枚のできるだけ長い壁を設け、外部から取り込まれた光や風が室内を通り、再び外部へと抜けてゆくための通り道を形成することとした。
また、北側の事務所を土間空間とすることで外部にやや近い環境となり、半外部のような南側のテラスとともに、外部→半内部→内部→半外部→外部、という内外のゆるやかなレイヤーを形成する。
室内を通り抜ける光と風は、室内に外部とのつながりをもたらし、南北に生じがちな室内環境のヒエラルキーが緩和されることでウラオモテの関係性はオモテオモテへと転換される。
諸室は天井よりも低い「つい立て」状の壁や透明なガラス壁などで物理的・視覚的にできるだけつなげつつもゆるやかに分けることで、「個室」ではなく「場」のように設け、それらの「場」のひとつながりの集合体として形成される住戸全体はひとまとまりのワンルームのような空間となり、職と住や日々の生活活動は、互いの距離感を保ちつつもシームレスに連続する。
過去から未来へと住み継ぐために、時代とともに変化する住まい方に応じたアップデートを施し、また、既存のもつポテンシャルに応答することで、光と風の通る心地よい空間となった。
■建築概要
用途:住宅
所在地:北海道札幌市
設計・監理:柏田淳建築設計事務所
施工:西建
床面積:100.93㎡
竣工:2019.4
写真:古瀬桂 / GAZE fotographica