中本尋之 / FATHOMによる、広島・呉市の、既存の店舗併用住宅を改修したフラワーショップ「botanico」です。
外装材は様々な配合の左官材料をコテではなく刷毛で何度も重ね塗り、シンプルにグレー単色で仕上げることでムラや凹凸を引き立てるデザインとした。
異なる三面の機能を二階分の高さで表現できたことで街の新たなシンボルとなるファサードになったのではないだろうか。
内部は雨漏りで痛んだ二階の床面の一部をあえて補修せず解体することで大きな吹き抜け空間を作り上げた。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
真鍮製のロゴの隣にはオーナーの西川氏によって作られた巨大なリースが飾られ撮影スポットにもなっている。
市役所側の面には一階と二階をぶち抜き大きな開口を設けている。
出窓の手法で鋼製建具を2F床の梁をまたぎ外壁に取り付ける事で建物の縦の存在感を強め、角面は両側の開口に対比させて両開きの木製のアンティーク建具を取り付けた。
外装材は様々な配合の左官材料をコテではなく刷毛で何度も重ね塗り、シンプルにグレー単色で仕上げることでムラや凹凸を引き立てるデザインとした。
異なる三面の機能を二階分の高さで表現できたことで街の新たなシンボルとなるファサードになったのではないだろうか。
内部は雨漏りで痛んだ二階の床面の一部をあえて補修せず解体することで大きな吹き抜け空間を作り上げた。
抑制された外装と対比するように内部空間にはオーナー西川氏の作品があらゆるところに展開される。
ドライフラワーは商品であり材料であり空間のディスプレイにもなりえ、売れたら継ぎ足していくことで様相はその日その日によって異なる。
内装壁のテクスチャーも作品に合わせて色や材質も変わっていく事で花のように時間が経つごとに様々に異なる空間が生まれていくであろう。
■建築概要
名称:botanico
計画地:広島県呉市中央3丁目12-15
設計、ロゴデザイン:中本 尋之 (FATHOM)
鉄製建具、特注金物:村田 進 (賀茂クラフト)
特殊塗装:庄野 樹護 (Shono Paint Works)
施工:松原 悠樹 (松原ハウジング)
竣工年:2019年8月
建築面積:29.6㎡(1F)
16.3㎡(2F)
用途:フラワーショップ
写真:足袋井竜也 (足袋井写真事務所)