SHARE 浜松市美術館、バウハウス・デッサウ展
静岡県浜松市にある、浜松市美術館でバウハウス・デッサウ展が行われている。
展覧会の開催期間は、2008年9月7日(日)まで。
なおこの展覧会は以後、新潟市新津美術館、宇都宮美術館に巡回します。
この展覧会はデッサウ期のバウハウスに焦点を当てた展覧会である。マイスターと呼ばれた著名な建築家や芸術家の作品、またバウハウスで学んだ学生などの作品が約250点展示されている。
二階の第一会場では、まずバウハウスに影響を与えたドイツ工作連盟や同時代のデ・スティル、ロシア構成主義などの作品が紹介されている。またリシツキーの絵画作品やモホイ・ナジの絵画なども展示されている。その後、バウハウスの教授を務めたマルセル・ブロイヤーなどによる家具が展示されている。
マルセル・ブロイヤーのデザインによる”アム・ホルンのバウハウス実験住宅 居間のタンス”
マルセル・ブロイヤーのデザインによる”子供用椅子ti 3a”
第一会場後半は、バウハウスの予備課程の演習により制作された学生の作品が多数展示されている。この予備課程はヨハネス・イッテンにより開設され、学生は入学当初の半年間、基礎的な造形力を養うため学んだのである。ここでは、それぞれの作品は、演習課題を提案したマイスターごとに分類されており、カンディンスキー、クレー、アルバースらがどのような課題を学生に示し、学生がどう答えたかが良くわかる展示となっている。
カンディンスキーの予備課程の演習による学生作品。
カンディンスキーは、”抽象的形態要素”、”分析的素描”の授業を行っていた。
パウル・クレーの予備課程の演習による学生作品。
クレーは、”基礎造形論”の科目を担当。その他に色彩論の授業を行っていた。
ヨゼフ・アルバースの予備課程の演習による学生作品。
アルバースは”対象物素描”の授業や、素材について学ぶための授業を担当していた。
ヨースト・シュミットの予備課程の演習による学生作品。
シュミットはデッサウ期に必修となったレタリングの授業を担当していた。
1階第二会場では、バウハウスの工房活動の作品が数多く展示されている。それらはプロダクトデザインやテキスタイルデザインなど多岐にわたる。そして、会場最後にはバウハウスの最終目標であった建築のコーナーが設けられている。そこには、バウハウス・デッサウ校舎の模型や、ミース・ファン・デル・ローエの授業によって生まれたドローイングも展示されている。
工房で作られたテキスタイル。
マルセル・ブロイヤー設計の住宅の模型。
ミース・ファン・デル・ローエの授業より生まれたドローイング。
この展覧会は、バウハウスから生まれたプロダクトを展示しているだけでなく、その作品が生まれる過程や歴史的背景が理解できるよう構成されている。また、バウハウスの学生作品を多数展示することでバウハウスがどのような教育を行っていたかもうかがい知ることができる。この展覧会を見て、現代のデザインと比較することで、バウハウスから生み出されたものが現代のデザインにどう影響を与えたのか考えてみるのも面白いのではないだろうか。
□展覧会概要
バウハウス・デッサウ展
浜松市美術館
平成20年7月29日(火)~9月7日(日)
開館時間 午前9時30分~午後6時
(但し、7月29日【火】は午前10時開館)
観覧料
大人 1,200円
高校生 600円
小中生 無料
高齢者(70歳以上の方)・障害者は半額になります。
※展覧会は以後、新潟市新津美術館、宇都宮美術館に巡回します。