佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる俯瞰、敷地上空より見る、夜景 photo©大倉英揮
佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、中庭より全体を見る。 photo©大倉英揮
佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるC住戸、1階(内装設計:佐藤光彦建築設計事務所) photo©佐藤光彦建築設計事務所
佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるG住戸、1階(内装設計:テントプラント) photo©佐藤光彦建築設計事務所
佐藤光彦建築設計事務所が設計した、東京・品川区の集合住宅「nishico」です。
二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウスの計画です。建築家は、竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置しました。それにより、街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がりました。
住戸の内装設計は、佐藤光彦建築設計事務所に加えて、中島明子建築設計事務所、テントプラント、スタジオエイト設計室が手掛けました。
計画地は木造密集地域で、2方向で接道した旗竿敷地である。
その竿状の部分を結ぶように幅2mの天空通路を連続させて通り抜けの路地とし、これに7×12mの広場を接続し、隣地までの残った余白を建築のボリュームとした。
中庭側の3面はスチールのカーテンウォール、他の壁面は外断熱の上に樹脂モルタル仕上げとしている。
このような計画により、それぞれの道路からは周囲のまち並みに馴染んだ小さな都市住宅のように見え、路地を進むと光にあふれた虚のヴォリュームを共有するような集合住宅となった。
広場を取り巻くスチールカーテンウォールは1,700mm幅のモジュールで構成され、各住戸からひとつずつ正方形のバルコニーが飛び出し、玄関庇にもなっている。
この基本設計のもとで、室内の用途に応じたアルミサッシを選択して嵌め込んだり、広場を延長して引き込んだり、バルコニーの奥行を変えるといったカスタマイズが実施設計時に行えるようにした。
適度な距離を持ちつつ共有された小さな広場でさまざまな営みが展開し、時には目の前の公園で遊ぶ子供たちがこっそり路地を通り駆け抜けていったりするような居住環境が育まれていくことを期待している。
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佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる俯瞰、敷地上空より見る、夜景 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、南側の道路より見る。 photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる南側道路より竿部分の外部通路を見る。 photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる西側道路より竿部分の外部通路を見る。 photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、中庭より全体を見る。 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、中庭より南西側ファサードを見る。 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる中庭 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるA住戸、3階(内装設計:佐藤光彦建築設計事務所) photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるB住戸、1階(内装設計:中島明子建築設計事務所) photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるC住戸、1階(内装設計:佐藤光彦建築設計事務所) photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるC住戸、3階(内装設計:佐藤光彦建築設計事務所) photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるD住戸、2階(内装設計:中島明子建築設計事務所) photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるE住戸、3階(内装設計:テントプラント) photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるF住戸、2階(内装設計:スタジオエイト設計室) photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるG住戸、1階(内装設計:テントプラント) photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がるH住戸、3階(内装設計:スタジオエイト設計室) photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる中庭を見下ろす。 photo©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、B住戸2階バルコニーより全体を見る、夕景 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる外観、中庭より南東側ファサードを見る、夕景 photo©大倉英揮

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる配置図 image©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる1階平面図 image©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる2階平面図 image©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる3階平面図 image©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる断面図 image©佐藤光彦建築設計事務所

佐藤光彦建築設計事務所による、東京・品川区の集合住宅「nishico」。二方向接道の旗竿地に建つコーポラティブハウス。竿を繋げて“路地”をつくり、旗に設けた“広場”と接続、残りの“余白”にヴォリュームを配置。街並みと調和して光溢れる共有の場を備えた建築が立ち上がる中庭側立面図 image©佐藤光彦建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
計画地は木造密集地域で、2方向で接道した旗竿敷地である。
その竿状の部分を結ぶように幅2mの天空通路を連続させて通り抜けの路地とし、これに7×12mの広場を接続し、隣地までの残った余白を建築のボリュームとした。
中庭側の3面はスチールのカーテンウォール、他の壁面は外断熱の上に樹脂モルタル仕上げとしている。
このような計画により、それぞれの道路からは周囲のまち並みに馴染んだ小さな都市住宅のように見え、路地を進むと光にあふれた虚のヴォリュームを共有するような集合住宅となった。
広場を取り巻くスチールカーテンウォールは1,700mm幅のモジュールで構成され、各住戸からひとつずつ正方形のバルコニーが飛び出し、玄関庇にもなっている。
この基本設計のもとで、室内の用途に応じたアルミサッシを選択して嵌め込んだり、広場を延長して引き込んだり、バルコニーの奥行を変えるといったカスタマイズが実施設計時に行えるようにした。
適度な距離を持ちつつ共有された小さな広場でさまざまな営みが展開し、時には目の前の公園で遊ぶ子供たちがこっそり路地を通り駆け抜けていったりするような居住環境が育まれていくことを期待している。
■建築概要
作品タイトル:nishico
所在地:東京都品川区
主要用途:長屋
住戸数:8戸
建築・監理:佐藤光彦建築設計事務所 担当/佐藤光彦、落合俊行(元所員)
構造・監理:小西泰孝建築構造設計 担当/小西泰孝、佐藤隼平
設備:EOS plus 担当/高橋翔、田中佑介
───
内装設計
A, C住戸:佐藤光彦建築設計事務所 担当/佐藤光彦、落合俊行(元所員)
B, D住戸:中島明子建築設計事務所 担当/中島明子
E, G住戸:テントプラント 担当/高橋将章、菊池悠伽
F, H住戸:スタジオエイト設計室 担当/木内厚子
───
建築施工:木村工業 担当/原口清輝、原口博幸
空調:モチーフ 担当/仲健宏
衛生:嶋田設備 担当/曽根田
電気:中村電機商会 担当/中村誠
家具:コルボワット 担当/和田重文、小川靖子、浅井光太郎
mobilitipo 担当/徳永亮一
TENHACHI 担当/佐藤圭、磯野歩
プロデュース:アーキネット 担当/織山和久、石川怜也、平岡義朗、渡邊雅廣
構造:壁式鉄筋コンクリート造
階数:地下3階
敷地面積:381.48㎡
建築面積:188.69㎡
延床面積:549.78㎡
設計期間:2020年6月~2021年12月
施工期間:2022年1月~2023年3月
写真:大倉英揮