SHARE 岸本貴信 / CONTAINER DESIGNによる徳島の住宅「阿波町の家」
岸本貴信 / CONTAINER DESIGNが設計した徳島の住宅「阿波町の家」です。
以下、建築家によるテキストです。
見渡す限りの田園風景。遠くには、山間を望むことができる。
辺りには農家の家々がポツポツと建つ農村である。この地を住処としたクライアント家族。
主な要望は「庭のある、広々とゆったりとした家」。
住まう上で必要な居場所、そのそれぞれを“個”として捉える。
一般的な四角の部屋を考えた時、庭いわゆる外との繋がりが四角四面の四方向の方向性に限られる。
そうなると今回のこの環境に対してのクライアントの言う要望にはそぐわないように感じた。
次に個の平面を円として考える。すると外との繋がりが放射状となり開放的になる。
だが反面プライバシーに欠ける。内に向くにも外に向くにもそうである。
そこでこの環境に対して、個を守りつつゆったりと外と繋げるには、個は四角を成し一方向のみ開放し中庭と繋げ、個の集合、つまり家は個の角と角を繋ぎ角度を持ちながら円を描くように配列する。
個のそれぞれは中庭を向き、家としては個と個の間(スキマ)より繋がる。
スキマは次の個へ移動時に必ず通るため、生活の中で外と常に接することとなる。
生活の中で常に外を感じ広々とゆったりとした家がここに計画された。
■建築概要
建築地:徳島県阿波市
構造・規模:木造平屋建て(ロフト付)
敷地面積:725.67m2
建築面積 :158.32m2
延べ床面積:173.69m2