「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」がギャラリー間で開催[2012/1/18-3/23]

「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」がギャラリー間で開催されます

「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」がTOTO・ギャラリー間で開催されます。開催期間は2012年1月18日~3月23日。

東日本大震災からまもなく2年、想像を絶する津波の記憶は次第に遠去かり、私たちの生活は日常に戻りつつある。だが被災地の人びとの心の傷は癒されてはいないし、まちが復興する兆しも一向に見えない。こうした現実を目の当たりにして私たちは、建築家として、いやそれ以上にひとりの人間として、被災地の人びとに一体何を償うことができるのだろうか。

「ここに、建築は、可能か」というテーマは、このような状況において、このような場所でのみ、建築本来の姿を問うことが可能ではないのか、という想いの裏返しである。「みんなの家」と呼ぶ小さな共同の家を媒介にして、私たちはいまなら被災地の人びとと心を通わせることができるかもしれない。そしてそこから人々が集まるための場を形成するという、建築の最もプリミティブな発生過程をたどることができるかもしれない、と考えた。

2012年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において、私たちは陸前高田市に建てられた「みんなの家」を巡っての、およそ1年にわたる被災地の人びとと私たちの議論のドキュメントを展示した。経済の道具と化してしまった建築を、もう一度ゼロから建築本来の意味を世界の建築関係者とともに問い直してみたかった。それはカタストロフィに直面したわれわれに課せられた、責務であると考えるからである。

伊東豊雄

小田原の「芸術文化創造センターデザインプロポーザル」の第一次審査の結果 名和晃平の新作展「Direction|TRAUMARIS」が渋谷の「TRAUMARIS|SPACE」で開催中[-2013/2/3]

名和晃平の新作展「Direction|TRAUMARIS」が渋谷の「TRAUMARIS|SPACE」で開催されています

アーティストの名和晃平の新作展「Direction|TRAUMARIS」が渋谷の「TRAUMARIS|SPACE」で開催されています。開催期間は2013年2月3日まで。リンク先に作品の画像なども掲載されています。

TRAUMARISでは、2004年以来2回目の、名和晃平の新作展示を開催します。

2012年、韓国のアラリオギャラリーと大阪・うめだ阪急で発表した新しいペインティングシリーズ「Direction」が壁面を埋め尽くし、同じく新作彫刻「Trans」のトルソーがその空間にたたずみ、さらに当スペースのシンボルともいえる「BEADS」の若鹿がその展示空間を眺める、という設えとなります。

重力だけに従うという斬新な手法で、一定方向に向かって、正確にパラレルなストライプを描き出す「Direction」。これはある意味で、三次元空間において人間の手で実現することのできる、究極の平面(二次元的)作品といえるでしょう。

また、ハリウッド映画など映像分野での開発がめざましい、触感デバイスを使った3Dモデリングシステムを使って彫刻される「Trans」。こちらはARから現実の空間へと物質が一足飛びにジャンプする感覚をそのまま造形化した、もっとも先鋭的な立体(三次元的)作品といえます。

さらに名和の作品世界のアイコンともいえる「BEADS」。生々しい剥製の鹿の表面をガラスビーズで覆うことによって、物質の像と光は幻惑的に屈折し、現実感は希薄になり、浮遊するような透明感が際立ちます。

このようにいくつもの異なる次元が交錯する空間が、そこで時を過ごす人の感覚をどのように翻弄するのか? カフェを併設したアートスペースならではの時間の経過をともなう展示を、じっくりと体験していただきます。

「Direction」「Trans」の個展形式のインスタレーションは、いずれも東日本では初公開となります。

TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵

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