妹島和世+西沢立衛 / SANAA展が和歌山の「なかへち美術館」で開催されています
妹島和世+西沢立衛 / SANAA展が和歌山の「なかへち美術館」で開催されています。会期は2013年12月23日まで。
熊野古道なかへち美術館開館15周年を記念し、妹島和世(せじまかずよ)+西沢立衛(にしざわりゅうえ)/SANAA展を開催いたします。
SANAA(Kazuyo Sejima+Ryue Nishizawa and Associates)が最初に手がけた美術館となる当館は、当地ゆかりの二人の画家の作品を新しい空間で楽しみ、美術を通してここが人々の交流の場となるようにとの構想から設計され、平成10年10月、人口4,000人にも満たなかった町の公立美術館として開館しました。自然環境に恵まれた熊野古道中辺路ルートの中継点にあること。ガラスで覆われた建物と自然が一体となって作り出す光と影、雨や霧の風景を、うつろう作品として鑑賞できる空間であることなどが当館の特徴です。
平成17年には市町村合併により田辺市立美術館の分館として新たなスタートをきりました。
この15年の間に、SANAAの建築や作品は世界中で見られるようになりました。とりわけ美術館を多く手がけてきたことは、SANAA建築の特筆すべき点といえるでしょう。ガラスを多用し光を取り込む手法。透明感やしなやかさを保持しつつも大胆な造形を持つ作品。意表をつく空間のとらえ方により生まれる作品の数々は人々を魅了してやみません。2010年には建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞しています。
かつて専門家や建築を学ぶ学生の間でのみ語られがちだった建築という分野に、近年は新しいファン層が生まれ、多くの人々が建築がもたらす環境や空間、その芸術性や美を味わい楽しむ時代になりました。このような15年を経て屋根と壁面を中心とする昨年来の改修工事で再び新しくなった当館も、節目である本年、建築作品としての美術館を改めて見直しご紹介させていただく機会としたく思います。同時にSANAAがこの間に残した足跡の一端を建築模型や図面等の資料と併せてご紹介します。当館を一例としながら初期作品からの歩みをより広く一般の方々に知って頂き、その魅力に触れていただければと願っています