神谷勇机+石川翔一 / 1-1 Architects 一級建築士事務所が設計した、愛知の歯科医院「Clinic NK いろどり歯科・こども歯科室」です。
患者の立場として、歯科医院では実に様々な場所を転々とさせられると経験的に感じている。例えば、受付→待合→歯磨きコーナー→治療室→レントゲン→治療室→待合→会計という具合だ。我々はそれらの行為そのものを建築の構造とするため、上述の各場を目的地化し、「→」を各目的地へ向かうための通路として計画をした。具体的には、敷地の方向性に沿わせるように、建築中央に平面的に長い通路を設定し、その両脇に目的地となる必要諸室を配置している。通路には、ヒューマンスケールから逸脱したホワイトアウトして行く天井面と、延長性を感じさせる扉のような通路端の処理を施し、全体が1日を通して光の状態が変化する感覚的外部空間として計画した。この建築中央に設けた自然光により変化する感覚的外部が各諸室とつながりを持つことで、プライバシーへの過度な配慮が閉塞感につながることを防いでいる。