隈研吾のウェブサイトに、東京・三鷹市の「国際基督教大学 新体育施設」の写真が13枚、掲載されています。
緑の豊かさで知られるICUキャンパスの森の中に、木でできた優しく柔らかな体育館をデザインした。
森の中に、ミニマルなカーブする木の屋根が舞い降りたような形状を表現しながら、内部には用途ごと―アリーナ棟、プール棟、エントランス棟―の要請に応じた多様な空間を用意し、それぞれの空間の性能とキャラクターを表現するための最適な木造システムを採用した。
アリーナ棟は240×360の流通材によるアーチ構造を採用して、天井高を確保した。プール棟はライズを抑えるために、同じく流通材を用いた樹状アーチ構造とした。エントランス棟はLVLによる折板構造にして、エントランスキャノピーの片持ち屋根との連続性を確保した。LVL折板は、CLTの柱によって支えられる。
異なる構造システムと断面形状を持つ屋根と屋根の隙間を、採光と換気のための開口として利用し、明るく快適な室内環境が実現した。
木という物質には多様な構造システムを可能にする、フレキシビリティと寛容性が内蔵されていることを、改めて確認した。