秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所が設計した、奈良・奈良市の住宅「高畑の家」です。
敷地は伝統的な町家や路地で形成された奈良町と、自然豊かな奈良公園や春日原生林、そして社家町であり文化人に愛され親しまれた高畑界隈、これらのエリアから距離は近くても風景や空気が異なり依存しない、「無所属」のような場所である。
かつて路地や長屋が連続し、混沌としていた町が一掃され、1970年代に造られた幅員16mの巨大な県道が前面道路であり、沿道の建物は昭和の後半に作られた和洋折衷様式が多く立ち並ぶ。
広い歩道や大木に成長した街路樹、絶対的なインフラ優位で造りこまれたこの環境に対峙する必要もなく、この場所を伝統と自然、現在進行の中立的な位置づけと考え、そこに調和するべく出来る限り無機質であり、無所属である住宅建築を目指した。