隈研吾のデザイン監修による、チタンの表面に木の質感を表現した、ルーバー建材が発売へ
隈研吾のデザイン監修による、チタンの表面に木の質感を表現した、ルーバー建材が発売へ

隈研吾のデザイン監修による、チタンの表面に木の質感を表現した、ルーバー建材が発売されます

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の意匠性チタンTranTixxiiⓇ(トランティクシィ)を使用し、建築家隈研吾氏がデザイン監修、三和タジマ株式会社が製造・販売するデザインルーバー「Ti CW Fin(チタン カーテンウォール フィン)」が完成し、2020年4月より販売開始いたします。

今回販売開始するデザインルーバー「Ti CW Fin」は、多彩な意匠が表現可能な日本製鉄の意匠性チタンTranTixxiiⓇの基本意匠に加え、木の質感を表現しています。金属でありながら、柔らかな表現も可能なTranTixxiiⓇに温かい木質感を融合させた、これまでにない意匠を実現しました。NST日本鉄板株式会社が調整役となり、スキルが高い加工業者と連携しデザインを具現化しました。

日本製鉄は、TranTixxiiⓇの新しい需要価値創造に向けて、2015年より建築家隈研吾氏との協業を続けています。今回完成したデザインルーバーは、「金属でありながら生物的で有機的な質感を感じる」という隈研吾氏の視点をアイデアの源泉として、関係者で協議を重ね、製品化しました。光を操るルーバーにTranTixxiiⓇを採用することで、反射光を和らげ、柔らかい光を室内に取り込むことができる従来とは違ったルーバーを完成させました。

今回販売開始するデザインルーバーは、チタンの表層に存在する極薄い酸化被膜を通過した光の干渉により、微妙なグラデーションが発生する特長を利用しています。自然の風景にある色合いは、もともとグラデーションになっており、TranTixxiiⓇが自然に調和していると感じるのは、酸化被膜と表面の微細なテクスチャーの効果によるものです。

日本製鉄の意匠性チタンTranTixxii®は、建材分野において、屋根・壁等への採用拡大をすすめています。今後も新しい発想で挑戦を続け、より広く建築分野へ貢献することを目指し努力してまいります。

【クレジット:Ti CW Fin開発でコラボレーションした企業等】
意匠監修:隈研吾建築都市設計事務所
TranTixxiiⓇ製造:日本製鉄株式会社
Ti CW Fin製造・販売:三和タジマ株式会社
意匠製作協力:NST日本鉄板株式会社
コーディネート:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

リリーステキストより
【ap job更新】 創業約100年の「ネイエ設計」が、設計スタッフ・施工管理スタッフを募集中
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泣くこと、愛すること、生きることをていねいに。
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記録しておきたい、かけがえのないものだから。
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ひとつひとつをていねいにつくっていく家は、
家族が今日を、いつくしみながら暮らしていく家。
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「どう生きていくか」までも一緒につくっていく。
私たちネイエ設計のめざす家づくりです。

ネイエ設計は、何よりも住宅設計に力を注いできた会社です。ネイエ設計には営業マンがおりません。設計士ひとりひとりがお客さまに寄り添い真摯に接客します。私たちは一般的な設計事務所ではありません。通常、設計事務所は設計だけを行いますが、私たちは設計だけでなく施工もアフターサービスも責任をもって行います。私たちは「建築設計」と「施工品質」に誇りをもって、ていねいに家をつくり続けます。

藤原・室 建築設計事務所による、奈良市の住宅「学園前の家」
藤原・室 建築設計事務所による、奈良市の住宅「学園前の家」 photo©平桂弥(studioREM)

藤原・室 建築設計事務所が設計した、奈良市の住宅「学園前の家」です。

前面道路との段差の解消、および駐車スペースの確保が大きな課題でした。当初は前面道路に接する部分のみ駐車スペースとして広げて、敷地との段差部分はコンクリート擁壁を設ける案もありました。しかし、擁壁設置のコストを考えた結果、前面道路から緩やかな勾配のスロープを敷地奥まで引き入れ、スロープ脇は緩勾配の法面とすることで擁壁を設置しない案となりました。これにより敷地に大きく緩やかな斜面が現れ、この斜面の地勢を継ぐ形で大きな屋根をかけた住まいのイメージが生まれました。敷地北側の擁壁と大屋根に囲われた三角錐状の空間が住まいの空間となります。

建築家によるテキストより
辻琢磨による連載エッセイ “川の向こう側で建築を学ぶ日々” 第2回「ボスの割り切りスイッチ」
辻琢磨による連載エッセイ “川の向こう側で建築を学ぶ日々” 第2回「ボスの割り切りスイッチ」

ボスの割り切りスイッチ

text:辻琢磨

 
多方面から感じた連載の反響

この連載が始まった反響は、想像以上だった。

建築設計に関係する人はもちろんだが、その分野に直接は関係がないけれど知り合った人たちからの「読みました」が多かった印象がある。
昔一緒に仕事した大工さんや、施主さん、渡辺さん経由での知人、フットサル仲間、家族、ウェブメディアの広がりと培ってきた地元のネットワークの両方をひしひしと感じる反響であった。

この二回目以降も、気を引き締めて書き進めたい。

建築以外の人たちに届いているという実感があるものの、渡辺事務所での修行日記で終わるつもりもない。
二回目はちゃんと建築の話をしようと思う。渡辺隆の建築について紹介しながら、彼の建築からの学びについて皆さんにお伝えしたい。

最初は少し硬いテキストになるかもしれないが、後半にかけてだんだん柔らかくなっていくはずなので特に建築門外漢の読者の方はご容赦ください。

 
施主、施工者との柔軟なコミュニケーション

語弊があるかもしれないが、いわゆる建築家(これまでの自分の経験の中で色々な人との会話の中で立ち上がった、一般社会の中での建築家像)というのは、プロジェクトを進める上でコンセプトを設定し、そのコンセプトに従って提案の細部を決めていき、それにそぐわないこと(施主の要望や施工者の不満)があるとそこかしこで軋轢を生むが、その緊張感こそが良い建築に必要だと考える。もちろんそうでない建築家もいると思うが、近代以降の設計概念に基づいた建築家のスタンスとはそういうものであると実感するようになった。

デザインリテラシーの高い欧米(日本であればデザインや芸術に素養のある施主や建築家慣れしている工務店)の施主や施工者が相手であればその緊張感が持つエネルギーはプラスに働くだろうが、建築家という職業自体が遠い地方都市ではその緊張感は竣工後の施主の不満や施工者の疲弊につながることも悲しいかな現実にはある。

渡辺さんは建築をめぐるこの地方都市のコンテクストに対して非常に敏感で、コンペではなく入札による公共建築の受注からもわかるように、軋轢を辞さない緊張感ではなく理解を示す融和を目指している。

提案がその時抱えているコンセプトに固執せず、施主や施工者の意見がそれに反している時はむしろ積極的に受け入れ、その上で新たな方向性を探る。そういう、いわば柔軟なスタンスである。

渡辺さんの建築、ないし建築をつくるときの判断の特徴は、要所でコンテクストを受け入れる一種の割り切りの鋭さであるといえる。プロジェクト毎に、どこかのタイミングでそのスイッチが発動する瞬間がある。

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