美術家の森村泰昌が、自身がキュレートした富山県美術館での展示が休館したことを受けて制作した展覧会解説動画を公開

美術家の森村泰昌が、自身がキュレートした富山県美術館での展示「森村泰昌のあそぶ美術史―ほんきであそぶとせかいはかわる」が休館したことを受けて制作した展覧会解説動画を公開しています。動画のタイトルは「森村泰昌のあそび術―世界をかえる方法おしえます」です。同展は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため会期途中で休館となっていました。

以前に公開されていた同展の会場を森村自身が解説した動画は以下。
(会場施工監修は日埜直彦が務めています)

増田信吾と大坪克亘に、建築を学び始めた頃のエピソードを通して、現在の設計に対する「本当に必要か?」というスタンスを解明しようするインタビュー

増田信吾と大坪克亘に、建築を学び始めた頃のエピソードを通して、現在の設計に対する「本当に必要か?」というスタンスを解明しようするインタビューが、ソトコトに掲載されています。

ユルゲン・マイヤー・Hとアレクサンダー・エルマンによる、ロシア・モスクワの、緑化した屋根と有機形状の平面によって風景と建築を連続させようと試みた住宅「Residence n. n」の写真と図面

ユルゲン・マイヤー・Hとアレクサンダー・エルマン・アーキテクチャー&デザイン(Alexander Erman Architecture & Design)が設計した、ロシア・モスクワの、緑化した屋根と有機形状の平面によって風景と建築を連続させようと試みた住宅「Residence n. n」の写真と図面が25枚、archdailyに掲載されています。

辻琢磨による連載エッセイ “川の向こう側で建築を学ぶ日々” 第3回「設計事務所の公共性のつくりかた」
辻琢磨による連載エッセイ “川の向こう側で建築を学ぶ日々” 第3回「設計事務所の公共性のつくりかた」

設計事務所の公共性のつくりかた

text:辻琢磨

 
非常勤職員として渡辺隆建築設計事務所に勤め始めて早くも1年が過ぎた。
このエッセイも3回目になる。ここまで概ね週1-2のペースで働き続け、403、この春特任講師に着任した名古屋造形大、個人の仕事、子育てをなんとかバランスを保ちながら並行して進めている。今回は、社会に対しての設計事務所の見せ方について書きたいと思う。

 
加入後の一年を振り返って

つい先日一年間の勤務を終えて渡辺さんと面談をしたのだが、僕の方はここまで特になんの不満もなく、例えば勤務日は日数さえ満たせば比較的自由に入れさせてもらえているし、子供の急な発熱での欠勤も振替で許容してくれることもあり、僕としては有り難い限りである。一方、渡辺さんにここまでの僕の印象を聞くと、
「当初はガッツリ図面を引いたり現場に行ったりともっと修行的な側面が大きいかなと思っていたけど、むしろこちらが辻くんから学ぶことが多い」
という言葉を貰った。

例えばプロジェクトの打ち合わせでの重要な判断の際にスポットで相談を受けたり、渡辺さんのボスとしての悩みを共有したりという、これまでの自分の建築家としての立場を発揮する機会も自然と増えている。同時にお茶汲みをしたり電話も取り、図面を描くわけで、時間時間で自分の役回りが目まぐるしく変化するという感じで働いている。

 
新型コロナウィルス禍への対応

そういうタイミングで新型コロナウィルス禍がやってきた。
このまま行くと、渡辺事務所に非常勤職員として勤める予定の3年の内、半分くらいがwithコロナで進んでいきそうだ。

未知のウィルスCOVID-19をめぐる状況は刻一刻と変化していて、建築家としてというよりもまず人間としてどう行動すべきかが問われているように感じる。

報道やSNSからの情報をみると、首都圏ないし特定警戒都道府県と感染者数がそこまで伸びていない地方都市の状況(磐田市は2020年5月3日時点で感染者数ゼロ、浜松市は2020年5月3日時点で陽性が7名、内5名は退院)にはかなりの温度差があるように感じられる。実際、東京の知人に話を聞くとほぼすべての人が在宅ワークに切り替え、スーパー以外の外出を極力控え、保育園も休園しているとのことで日常を過ごすだけでも相当なストレスを感じるような生活を強いられているのではないかと推察する。

一方、静岡県西部地域では緊急事態宣言によって外出自粛要請や飲食店の休業要請(5月3日時点で浜松市、磐田市ともに4月25日から5月7日まで)も出されたり大きな公園は閉場しているものの、車社会も手伝ってか休日のホームセンターは盛況(入場制限あり)で、スーパー、河川敷には人が集まり、日常生活を過ごす分にはそこまでのストレスは感じていない(少なくとも僕は)。

僕個人としては手洗いうがい、公共交通機関の利用を控える、三密を避ける、といった行動変容は実施しているものの、保育園は通常通り預けている(預けられるだけ有り難い)し、渡辺事務所や403へも基本的には出社している(公共交通機関は利用せず自家用車移動のみとした)ように、最低限の自粛に留めているというのが現状だ。

渡辺事務所でも当然対応は進めてきたが最初の対外的な情報発信は4月17日で、極めて迅速な対応と発信ということではなかったといえる。しかしそれまでに何もしてこなかったというわけでは当然なく、様々な情報を仕入れ、様子を見ながら業務を進めていた。

まず、七都府県への緊急事態宣言が発令される直前の4月14日にスタッフへのヒアリングがあり、スタッフ間の家庭事情を考慮し意思疎通を図った。その上で、

・出社帰社時のアルコール消毒
・こまめな手洗い
・ドアノブや社用車は朝除菌シートで拭く
・メーカーの飛び込み営業は玄関で対応する(アポ取りの打ち合わせは社内で)
・毎朝検温し所内メールで共有

が所内ルールとして決められた。

その後緊急事態宣言は4月16日に全国に拡大され、それを受けて4月17日に、4月18日から5月6日まで、各スタッフが交代で週2日在宅で勤務を行うこと(僕はコミュニケーションが多い役回りということもあって基本は出社している)を発信したのだった。

また、Webによるミーティングも導入し、Skype・Zoom・Teamsにて対応しつつ、在宅のスタッフとは勤務中はずっとオンライン接続して、いつでもコミュニケーションが取れる状態にしている。※5月1日には、緊急事態宣言の延長報道を受けて、交代在宅制の5月31日までの延長と市外からの来客用のテラス席導入を追加した。

塚田裕之建築設計事務所による、東京・大田区の社員寮「Dora’s House」
塚田裕之建築設計事務所による、東京・大田区の社員寮「Dora’s House」 photo©山内紀人

塚田裕之建築設計事務所が設計した、東京・大田区の社員寮「Dora’s House」です。

電気工事会社の社員寮の計画。敷地は大きな幹線道路から1本小道に入った商工業ビル・住居が立ち並ぶ場所である。
施主の要望として居室を10室、それぞれ極力小さな面積を求められた。法規上は東京都安全条例の居室面積の最低基準として7㎡を基準として計画する必要があった。このような敷地周辺の外部環境と小空間を結びつけ東京における最小限の集合住まいとしていかに豊かでその場所らしい建物が計画できるかを考えた。

当初この7㎡(約4畳)という広さが集合としての快適な住まい在り方としての想像がつかず、計画事例も見つけることができなかった。それでも計画を思考的に進めていく上で7㎡というは漫画喫茶のブースより広く、一般的なホテルのシングルルームより狭いと位置づけ、その「間」の設えとして住まいとしての想像がつき計画を進めることができた。1階部分に共用のキッチンダイニングと水回りを設え、2・3階に5部屋ずつ計10室を設えている。

建築家によるテキストより

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