バロッツィ・ヴェイガの設計で完成した、スイス・ローザンヌの、細長いヴォリュームとファサードのレンガ壁のリブが特徴的な美術館「Musée cantonal des Beaux-Arts」の写真と図面が11枚、dezeenに掲載されています。バロッツィ・ヴェイガはスペイン・バルセロナを拠点とする設計事務所で、2015年には権威ある建築のアワード「ミース・ファン・デル・ローエ賞」も受賞しています。この美術館も2011年に国際コンペで彼らが設計者に選定されていました。アーキテクチャーフォトが2011年にニュースとして取り上げたページはこちら。
藤野高志 / 生物建築舎が設計した、群馬の斜面に建てられた住宅「ケーブルカー」の様子や設計プロセスを解説した動画です。
写真家の小川重雄が東京藝術大学で行った特別授業「建築写真の世界 場と光の選択」のアーカイブ動画が公開されています。2020年8月21日に行われたものです。
以下は、小川のプロフィール。
小川重雄 / Shigeo Ogawa
1958 東京都台東区根岸生まれ
1980 日本大学藝術学部写真学科卒
伊勢神宮の撮影で著名な渡辺義雄教授の勧めで、建築写真の世界に進む
株式会社川澄建築写真事務所入社
1986 株式会社新建築社入社
1991 株式会社新建築社写真部長
2008 新建築社を退社、小川重雄写真事務所開設
2012 桑沢デザイン研究所非常勤講師、東京理科大学特別講師、法政大学大学院兼任講師
東京大学にて写真展「Perspective Architecture」開催
2013 武蔵野美術大学特別講師、東京大学特別講師
2018年~ 東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師、日本大学藝術学部写真学科非常勤講師、早稲田大学芸術学校非常勤講師
MVRDVが計画を進めている、中国・深セン市の、工場を改修したオフィス「If Factory」です。
最も特徴的なデザイン上の追加は木材で仕上げられた公共階段で、それは建物の他の部分に使用されるガラスやコンクリートと区別する意図もあるのだそう。この階段が1階から屋上までを貫き、また4階部分ではファサードに飛び出ることで建物のアクセントになっています。階段内部の仕上げは、鏡面ガラスと鮮やかなネオンサインが特徴的で、それは、深センの初期の都市化の美学を意識しています。
屋上のテラスは「The Green House」と名付けられた改修の中心的存在で、先の公共階段からアクセスできます。ここにはダンスルーム、ダイニングルーム、読書室等の様々なリラクゼーションが提供されるとのこと。
また既存建物のコンクリートフレームは新しい透明な塗装技術を用いることで老化を防ぐ処理がされています。
そして、本ページ最後に掲載している2枚の写真は、MVRDVがデザインした工事現場を囲うための特別な仮説のファサードです。これはキャンバス素材で作られており、使用後はトートバッグにリサイクルされるのだそうです。
MVRDV has revealed its design for the If Factory, a new 11.000 m2 office building for the Bureau of Public works of Shenzhen Municipality Nanshan district and real estate company Vanke in Nantou, Shenzhen. Rather than demolish and rebuild, the design sustainably renovates a disused factory building to form a “creative factory”, containing a mixture of offices for the Urban Research Institute of China Vanke and offices for rent. At the heart of the design is a public stairway, providing visitors with a view into the activities within and leading to a landscaped public roof terrace known as “The Green House”.
杉本博司がデザインして、京都市京セラ美術館に展示されている「硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)」で、茶室披きを行っている動画です。この茶室は2014年のベルサイユ宮殿での杉本の展覧会時に最初に公開されました。
京都市京セラ美術館開館記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」関連プログラムとして、日本で初めて公開される《硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)》の「茶室披き」を開催しました。亭主に武者小路千家家元後嗣の千宗屋を迎え、正客は杉本博司がつとめました。
In conjunction with the exhibition, “HIROSHI SUGIMOTO-POST VITAM,” a tea ceremony was held at the Glass Tea House “Mondrian” for the first time in Japan to commemorate the inauguration of the tea house at the museum. It was hosted by Sen So’oku, heir to the Mushakouji Senke tea school and Hiroshi Sugimoto was his guest.
以下はコンセプトテキストです。
日本では16世紀以来、社会的地位を得て、かつ教養を持つ者は茶の湯を楽しむという習わしがある。ただ一服の茶をたて、客をもてなすという日常的な行為を、芸術にまで昇華させたものだ。茶の湯は客をもてなすという一事に細心の注意を払う。狭い空間に素晴らしい絵画又は書が一点かけられる。そしてその絵画や書に呼応するように花が床に添えられる。茶を喫する茶碗には、その形と色に特に厳しい審美眼が注がれる。そして亭主が茶をたてる所作はニジンスキーの舞のように優雅でなければならない。
茶の湯、そこには西洋で言われるアートの要素すべてがある。所作(ダンス)、軸(ペインティング)、碗(スカルプチャー)、湯のたぎる音(音楽)そして茶室(建築)。それらすべての要素がお互いに深く係わり合いながら、渾然として一つとなってある。
茶室には空間を詩的に見立てた呼称が必要とされる。私はこの硝子の茶室が組み上げられた時、その姿がモンドリアン絵画の構成と呼応していることに驚きを覚えた。抽象への希求は茶の湯の歴史の内にすでに三百年を経ている。茶の湯美学の完成者、千利休は、その現存する茶室「待庵」の壁面構成と庭石の配置に関して、モンドリアン的抽象をすでに試みている。もちろん私の茶室設計も圧倒的な利休の影響下にある。私はモンドリアンという名の韻を日本語に置き換えてみた。すると「鳥の声を聞く小部屋」という意味になった。私はこの茶室は私の意識の中で、モンドリアンが利休の声を、鳥の声として聞いたことによって完成したのだと思った。
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