ネリ&フーが設計した、フランス・パリのレストラン「The Arena – Papi restaurant」です。
以下は、プロジェクト概要の抜粋・要約です
19世紀末の典型的なオスマン様式の建物の1階に位置するこの店舗の、ネリ&フーによるデザインコンセプトは、パリの歴史を物語る重層的なマテリアルの遺産を称えることです。
解体段階では、既存の敷地を慎重に処理し、数十年の間に蓄積された仕上げの地層を剥ぎ取ることで、むき出しの素材の美しさを明らかにしました。既存の要素を一つ一つ丁寧に吟味し、不完全な部分を修正するのではなく、一つ一つの表面に刻まれた時間の痕跡を大切にすることが課題となりました。
内部では、古い石灰岩とレンガ壁、生の鉄柱、レンガ柱の一部が保存され、デザインに統合されています。
ファサードでは、既存のスチール製I型梁のまぐさが特徴的である一方で、入口の古い石のモールディングの一部は露出したままにし、ファサードを隣の建物とシームレスに縫い合わせています。それぞれの断片はパリの歴史の異なる時代を表しており、建築家が新たなストロークを加えるための美しくも堂々としたキャンバスを形成していました。
新しい粗鋼フレームの可動式ガラスファサードは、通りと会場の間の視覚的な連続性を維持し、効果的に内部に公共の領域を取り込みます。ゲストがメインドアから内部空間に入ると、古い素材と新しい素材のぶつかり合いが、タイル、ガラス、木の新鮮な質感と洗練されたストーリーを物語る様子を目にすることになります。ミラーは戦略的に配置されており、ダイナミックな視点と、内部と外部の間を覗き見るような瞬間を作り出し、ゲストの視線が交錯するように考えられています。