長坂常 / スキーマ建築計画による、韓国・済州島の、既存建物二棟を改修した宿泊・物販・飲食等の機能を持つ施設「D&DEPARTMENT JEJU by ARARIO」です。長坂が「見えない開発」と呼び進めている済州島塔洞での街全体の開発プロジェクトのひとつとして完成したものです(※「見えない開発」については下部のテキストを参照)。施設の公式サイトはこちら。
このD&DEPARTMENT JEJU by ARARIOはD&DEPARTMENTの中でも最大で、食堂、ストア、ギャラリーに新たな機能として宿泊機能を満たすd roomとあらゆる職人、アーティスト、デザイナーなどが泊りながらワークショップできるようにキッチン+ギャラリー+寝床を備えたd newsというものが入る。
d newsは今まで数時間に限定して行っていたワークショップを数日に渡り行えるように宿泊施設を併設したワークショップスペースでより深くロングライフデザインを語り合う場所となる。
また、来るアーティストにとってもただ教えに来るだけではなく、長期滞在する中で新たな材料などに巡り合い新たな創作活動のきっかけを得ることになる。そんな双方向の文化交流地点として計画した。「ホテルのようなもの」でd roomというものがあり、ストアの延長にあり、本来ホテルというものは東西に細長く中廊下を介して南北に部屋が効率よく並ぶものだが、この建物は四角に近いことから、どの部屋も窓を設け外に接しようとするとそれぞれ中に空洞が生まれ、同時にそのために作られた開口部ではないことから各部屋に歪みが生じ一つとて同じ間取りにならない。それによって、各部屋の間取りが異なり、その暗い空洞部にトップライトをとり光を入れホテルの共用部のようなストアができた。
共用部も個室も室内にある全てのモノ、例えば家具や植物、雑貨に到るまでが全て商品で宿泊することでじっくりロングライフデザインを堪能しショッピングを楽しむ場所となる。