ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行う

593.10 ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行う

ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行う photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行う photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行う photo©Roman Keller

ギゴン / ゴヤーが設計した、スイス・チューリッヒの宿泊施設「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント」。1980年代に建てられた施設の改修で躯体を残し刷新、ファサードには地域の特徴的な素材“クリンカーレンガ”を使用、内部空間でも使用者の体験を重視した採光と素材選択を丁寧に行われました。施設の公式サイトはこちら

こちらは建築家によるテキストの翻訳

ホテル「セネター」は1980年代に建設され、チューリッヒ・ウェストの旧工業地区にある19世紀末の外周ブロック開発に組み込まれたものです。このホテルは、新しい「ホテル・ツーリ・バイ・ファスビント(Hotel Züri by Fassbind)」に生まれ変わりました。幸いなことに、床スラブやコンクリートの仕切り壁などの基本構造はほぼそのまま残すことができました。新しい建物を建てると、用途地域の規制で小型化され、更に多くのエネルギーを消費することになるからです。

屋根とファサードは全面的に作り直しました。この地区の住宅や工場の特徴として、クリンカーレンガ(clinker bricks)というレンガがあります。ホテルのファサードには、このクリンカーレンガが「インタルジア(象嵌技術)」と呼ばれる形で、自立するコンクリート部材の中に鋳込まれています。バスルームを含む館内の備品や調度品はすべて交換しました。外観だけでなく内部も、昼と夜、光と闇、横たわるものと立つもの、抑制された素材色と強いスペクトル色など、対照的なペアで特徴づけられています。

このため、道路前面では濃い茶色のレンガがプレハブ部材に埋め込まれ、中庭ではベージュのレンガが使われています。上部の垂直材と側面の水平材には、それぞれ異なる大きさのコンクリートヘッドが取り付けられ、モジュール構造を示しています。ピアやまぐさの一部もすべてコンクリートでできており、エントランスにある重厚なキャノピーもそうです。中庭に続く通路では、深さ4cmのクリンカーレンガを型枠に固定するために鋳型を使用し、レンガを入れずに打設しています。

ゆったりとした大きさの壁面開口部には、ダークオークの無垢材をフレームとしたフルハイトの木材と金属製の窓が設置されています。新しい二重勾配屋根の部屋に光を供給するため、ステンレス鋼の屋根はドーマーと屋根窓で交互に貫かれています。中庭棟の各コーナーには、2つのドーマーが並んで配置され、アクセントとなっています。また、内部では「昼光灯籠」によって、テントのようなコーナールームをより一層引き立てています。

ホテルのベッドルームの造作家具は、明暗のあるオーク材を使用しています。大きな鏡がゲストを空間へと導き、空間を広げます。また、部屋から街に向かって開かれた窓も同様です。布張りのベンチは、座椅子としても荷物置きとしても使えます。グレーベージュのカーペットに織り込まれた文字は、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語で「Good day / good night」を告げています。壁面には、この部屋のために特別にデザインされたLEDウォールランプとフロアランプの人工照明を配し、部屋の明るさを調整するカラーパッチが施されています。

また、ホテルの廊下は、大きなランプとカラーパッチによって強調され、視覚的に「短く」なっています。また、スーツケースやランドリーカートから壁を守るために、金属とセメントでできた頑丈なパネルが使われ、足音を抑えるために文字入りのカーペットが敷かれています。地上階には、ロビー、ラウンジ、朝食会場があり、ハインリッヒ通りや市街に面した大きなショーウインドウが空間的な連続性を形成しています。床はファサードと同じクリンカーレンガを使用し、耐久性を持たせています。オーク材と黒いシートメタルでできたレセプションエリアには、壁に沿ってベンチシートが伸び、特注のテーブル、椅子、ペンダントランプが置かれ、ゲストを迎えています。

ハインリッヒ通りには、コンクリート打ちっぱなしの広い前庭があり、半屋外の木陰で朝食を取ることができます。中庭には粗い砂利が敷かれ、鉄筋の大きなプランターが地下駐車場の上に新しく植えられた落葉樹の根を張らせています。

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