MVRDVが設計している、エクアドルの高層集合住宅「ザ・ヒルズ」です。
6棟の高層タワーに加え地上部に商業施設等が配置される計画、広大な自然とモダンな高層ビルの両方の景観への呼応を目指して、仕上げが切り替わる外観や渓谷の様な空間が設計されました。
こちらはリリーステキストの翻訳
MVRDV、エクアドルのプエルト・サンタ・アナで緑豊かな公共緑地帯を持つ住宅タワーを設計
MVRDVは、南米での最初のプロジェクトであるザ・ヒルズのデザインを公開しました。キトを拠点とするデベロッパーUribe Schwarzkopfのために設計されたこのプロジェクトは、エクアドル・グアヤキルのグアヤス川岸に位置しています。このプロジェクトは、グアヤキルの様々な風景にインスパイアされています。広大な川と近くの山々、海岸線に建つモダンな高層ビルとサンタアナ丘のカラフルな丘陵地の集落など、グアヤキルに見られる多くの並置されている風景がデザインに反映されています。
ザ・ヒルズは、グアヤキルのスカイラインに新たなドラマを加えます。このプロジェクトはプエルト・サンタ・アナに位置し、街のウォーターフロントの大部分に沿って徐々に整備されつつある大通りを延長しています。高さ92mから143mの6棟の住宅タワーは、川沿いから離れるにつれて高くなり、ウォーターフロントから背後の丘へと街が「ステップアップ」していく様子と呼応しています。
プロジェクトの基礎部では、タワーが合体して段々畑のような緑の谷を形成し、プールやスポーツフィールド、川岸に面した大きな都市型円形劇場など、豊かな自然植物に囲まれたオアシスのような場所となります。その中には、ショップや大規模なコミュニティクラブハウスなどのアメニティが用意されています。川に最も近い4つのタワーと、開発の後方にある2つのタワーの間には、より深い「渓谷」があり、店舗用のスペースを追加し、歩行者が地上レベルで敷地を横断するためのルートを作り、同時に2段階での建設も可能にしているのです。
MVRDVの設立パートナーであるヤコブ・ファン・ライスは言います。
「この複合施設は、それ自体がひとつの都市であり、さまざまな高さのタワーが並んでいるため、ミニスカイラインのようでもあり、また遊歩道沿いの大きなスカイラインの一部にもなっています」
「私たちにとって重要だったのは、このプロジェクトが単なる都市の中の島ではなく、他の人々にもアクセスを提供し、公共の台座という形で何かを還元することでした。そのため、このプロジェクトは、人々が行き交うとてもエキサイティングな空間であり、友人と出会える場所でありたいと願っています。同時に、タワーの特徴であるバルコニーは、日差しや雨を防ぐだけでなく、緑のためのスペースでもあります」
プロジェクトの外周部には、近隣の高層ビルのビジュアル言語を反映した白いバルコニーを直交する直線で配置したファサードがデザインされています。しかし、タワーとタワーの間のヴォイドに面したファサードは、このプロジェクトにまったく異なる性格を与えています。直線のバルコニーから、流れるようなカーブを描く不規則なセットバックとオーバーハング、低層部のアースカラーから徐々に空に近い明るい色へ、そしてどの階でも豊かな緑がバルコニーに沿い、谷間の雰囲気とそれを取り巻く「丘」の頂上が広がっているのです。