神本豊秋+再生建築研究所による、東京・千代田区の「旧岡田ビル再生計画」のレポートです。
都心の築約50年の事務所ビルを改修する計画です。建築家は、法令抵触部の是正と空間性向上の両立を目指して、環境との緩衝帯となる5層の吹抜に加え様々なアイデアを実践しました。そして、改修だからこそ生み出せる豊かさを持つ建築を作りだしました。
以下、アーキテクチャーフォトによるレポートです
神本豊秋+再生建築研究所が、東京都千代田区神田錦町に建つ築52年の鉄筋コンクリート造オフィスビルの改修を行った。作品名は「旧岡田ビル再生計画」と名付けられている。
クライアントの要望は、既存の建物を残しながら、地域が活性化されるような存在への再生。しかし、既存建物は、検査済証が無い上に、容積率と高さ制限の法規に抵触しており、加えて耐震補強、執務環境の改善などの必要があった。
神本らは、クライアントの要望を叶える設計を志向すると同時に、国土交通省のガイドラインに沿って、調査を行ったうえで是正計画を立てて実践。第三者機関の遵法性審査を受けて適合性の証明を入手した。
外観は、躯体が表しになったコンクリートのフレームと既存タイルの残された1階部分のコントラストが印象的だ。1階部分には、特に大きな開口が設けられ、歩行者が通り抜けられるようにもなっている。話を聞くと、両側の建物も同じクライアントの物件であり、敷地内に公開空地を有していることから、既存建物で遮断されていた公開空地同士をつなげることもテーマとなったのだそうだ。