SHARE トラフ建築設計事務所の会場構成による、神奈川のポーラ美術館での展覧会「ピカソ 青の時代を超えて」。作家の制作過程に注目して“描く”作品を捉え直す展示。サステイナブルな計画も目指し、前展の会場の一部を活かし新設壁と組合せて空間を構成。見所と呼応する“青色”の採用で没入感も生み出す
- 日程
- 2022年9月17日(土)–2023年1月15日(日)
トラフ建築設計事務所の会場構成による、神奈川のポーラ美術館での展覧会「ピカソ 青の時代を超えて」です。
作家の制作過程に注目して“描く”作品を捉え直す展示です。建築家は、サステイナブルな計画も目指し、前展の会場の一部を活かし新設壁と組合せて空間を構成しました。また、見所と呼応する“青色”の採用で没入感も生み出す事も意図されました。展覧会の公式ページはこちら。
国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館による共同開催展の会場構成。
展示では欧米の美術館の協力を得て深めてきた作品研究をもとに、制作のプロセスに焦点を当て「描く」ピカソの作品を初期から捉えなおしている。
全部で5つの章から構成される本展示は、同会場で前に開催されていた別の会場構成を部分的に活かしたサスティナブルな計画とした。すべて四角く分節したシンプルな会場構成を特徴とした前の展示に対して、各章の導入となる解説が掲出される壁を、絵画の展示される壁に対して45度の角度をつけて新設し、章の入り口として際立たせるのと同時に、観客を誘導している。
これらの壁にはピカソのポートレートを大きく印刷し、背景にはそれぞれの時代のピカソの心象を反映するように様々な青色を用いた。
この展覧会では、ピカソがオリジナリティを初めて確立した「青の時代」についての章がハイライトとなっている。科学調査により新たに判明した「青の時代」の塗り重ねのプロセスや下層の分析結果を映像で紹介する”青の時代ラボ”という部屋では、来場者が色の世界感に没入できるよう、床、壁をすべて青色で仕上げた。