小泉誠 / Koizumi Studioが設計した、富山・高岡市の「能作錫婚式」です。
“錫”製品を手掛ける会社の新規事業の為に計画されました。建築家は、結婚10周年を祝う“錫婚式”の為に、錫箔を貼った曲面パネルを用いて空間を構築しました。また、企業の歴史を伝える錫製品に囲まれて“家族の節目を祝う”場を作る事も意図されました。施設の公式サイトはこちら。
400年以上の歴史をもつ富山県の高岡銅器は、銅や真鍮で仏具、梵鐘、大仏などを作ってきた歴史のある産地です。
能作は、この地で青銅の鋳造業を長年営んできましたが、旧態依然な産業のあり方を打破するために1995年頃から流通改革を行い、2003年には銅ととともに錫100%の器に挑み世界初の「曲がる器」を開発して、今では「錫製品といえば能作」と言われるほどに成長をしています。
そんな錫を得意とする能作は、結婚10周年を祝う「錫婚式」を新たなビジネスモデルとし構築しました。
錫婚式を行う場所は、ショップやレストランを併設する本社工場内で、過去の製品を保存しているアーカイブルームの中です。結婚10年の節目を能作の歴史とともに祝う場所として、錫箔を貼った曲面パネルで仕切りを設け、過去の能作製品と繋がる曖昧な空間を作りました。